資料室#26: 「中国人民解放軍の地域別組織:軍区」
今回は「中国人民解放軍の地域別組織:軍区」について見ていきましょう。
下記記事の参考資料です。
軍区の考えがわかると、記事コメント内容の理解が深まります:↓
パラレルワールド新聞: 「中国、退役軍人が不満訴え 北京繁華街に垂れ幕 「国賊の習近平を罷免する」横断幕も」 <ー ヤバそうな雰囲気...|武器商人秘書:オリガの資料室 (note.com)
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中国人民解放軍の地域別組織:軍区とは?
中国人民解放軍は、全国をいくつかの軍区に分割し、それぞれの軍区に司令部を置いています。この軍区制は、地域ごとの防衛任務や作戦遂行の効率化を目的としています。
軍区の役割
地域防衛: 各軍区は、担当地域の防衛を主な任務としています。
作戦遂行: 必要に応じて、他の軍区と連携して大規模な作戦を遂行することもあります。
地方政府との連携: 各軍区は、担当地域の地方政府と緊密に連携し、災害救助や治安維持など、様々な任務を行います。
軍区制のメリット
迅速な対応: 地域に密着した組織であるため、緊急事態に迅速に対応することができます。
地域特性への対応: 各地域の地理的、気候的な特徴や、潜在的な脅威に合わせた部隊編成や訓練を行うことができます。
軍区制のデメリット
地域間の連携: 軍区ごとに独立性が強いため、地域間の連携が複雑になる場合があります。
指揮系統の複雑化: 多数の軍区が存在するため、指揮系統が複雑になり、意思決定が遅れる可能性もあります。
軍区制の変遷
近年、中国人民解放軍は、軍事的脅威の変化や現代戦の様相に対応するため、軍区制の見直しを進めています。具体的には、以下の様な改革が行われています。
統合作戦司令部の創設: 各軍種(陸軍、海軍、空軍など)の部隊を統合し、より効率的な作戦遂行を可能にするための統合作戦司令部が創設されました。
戦区制への移行: 軍区制から戦区制への移行が進められており、より機動的で柔軟な部隊編成が目指されています。
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中国人民解放軍の軍区制は、2016年に大きな改革が行われ、従来の7大軍区から5大戦区に再編されました。この改革は、軍の統合作戦能力を向上させるために行われました。
5大戦区の概要
東部戦区: 江蘇省、上海市、浙江省、福建省、江西省、安徽省を管轄。司令部は南京市にあります。
南部戦区: 湖南省、広東省、広西チワン族自治区、海南省、雲南省、貴州省、香港特別行政区、マカオ特別行政区を管轄。司令部は広州市にあります。
西部戦区: 新疆ウイグル自治区、チベット自治区、青海省、甘粛省、寧夏回族自治区、四川省、重慶市を管轄。司令部は成都市にあります。
北部戦区: 内モンゴル自治区、黒竜江省、吉林省、遼寧省、山東省を管轄。司令部は瀋陽市にあります。
中部戦区: 北京市、天津市、河北省、河南省、山西省、陝西省、湖北省を管轄。司令部は北京市にあります¹²。
改革の背景と目的
この再編は、各戦区が陸海空軍およびロケット軍を統合して指揮することで、迅速かつ効果的な対応を可能にすることを目的としています。また、汚職の温床となっていた旧軍区制度を一新し、習近平主席の軍に対する影響力を強化する狙いもあります。
いろいろ物語はありますが、同じ国の中でこれだけ軍を分けているのは、反乱防止目的が大きいです。 これだけ、大きい国の軍部が反乱を起こせば政府は一発でひっくり返ります。