用語集: 「パーチェシングパワーパリティ」 <ー 実質的な経済規模の比較方法
今回は「パーチェシングパワーパリティ」について見ていきましょう。
為替レートの変動より、本当の国際比較はPPPで見たほうがいい気もします。
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「パーチェシングパワーパリティ(Purchasing Power Parity, PPP)」: 異なる国の通貨の購買力を比較するための経済理論です。具体的には、同じ商品やサービスが異なる国でどれだけの価格で購入できるかを基に、為替レートを調整する考え方です。
基本的な概念
PPPの基本的な考え方は、「同一の商品やサービスは、どの国でも同じ価格でなければならない」というものです。例えば、ある商品が日本で1000円で購入できる場合、アメリカでもその商品が同等の価格(例えば10ドル)で購入できるべきだとします。この場合、為替レートは1ドル=100円となります。
利点と用途
為替レートの比較: PPPは、為替レートが実際の購買力を反映しているかどうかを評価するために使用されます。
経済力の比較: 異なる国の経済力を比較する際に、PPPを用いることでより正確な比較が可能になります。例えば、名目GDPではなく、PPP調整後のGDPを用いることで、生活水準や経済力の実態をより正確に把握できます。
インフレの影響を排除: PPPは、インフレの影響を排除して実質的な購買力を比較するための手段としても有効です。
計算方法
PPPの計算は、通常、特定のバスケット(商品やサービスの集合)の価格を基に行われます。例えば、ビッグマック指数(Big Mac Index)は、マクドナルドのビッグマックの価格を基にPPPを計算する一例です。
制約と限界
市場の違い: 各国の市場構造や消費者の嗜好が異なるため、完全なPPPの実現は難しいです。
輸送コスト: 商品の輸送コストや関税などが価格に影響を与えるため、理論上のPPPと実際の為替レートには乖離が生じることがあります。
PPPは、経済学や国際金融の分野で重要な概念であり、国際比較や為替レートの評価において広く利用されています。