武器兵器調達課#91:  「CIWS」

今回は「CIWS」についてみていきましょう。

一言では

「CIWS」 = 近接防空システム

です。

_*_*_

「CIWS (Close-In Weapon System)」: 艦船などの海上自衛隊艦艇において、対艦ミサイルや航空機などの近距離防空に使用される武器システムのことを指します。

CIWSの役割

CIWSは、艦船の最終的な防空手段として、敵の攻撃が艦船に到達する直前に撃墜することを目的としています。具体的には、以下の役割を果たします。

  • 対艦ミサイルの迎撃:CIWSは、高速で機動性の高い対艦ミサイルを撃墜することができます。

  • 航空機の迎撃:CIWSは、ヘリコプターや戦闘機などの航空機を撃墜することができます。

  • その他の脅威への対処:CIWSは、無人航空機 (UAV) や小型高速艇などのその他の脅威に対処することができます。

CIWSの構成

CIWSは、以下の主要な要素で構成されています。

  • レーダー:敵の攻撃を検知・追尾するためのレーダーです。

  • コンピュータ:レーダーからの情報を処理し、砲の射撃を制御するためのコンピュータです。

  • :敵の攻撃を撃墜するための砲です。近年では、従来の砲に加えて、レーザー兵器を搭載したCIWSも開発・実用化が進んでいます。

代表的なCIWS

  • ファランクス (Phalanx):アメリカ製のCIWSで、世界各国で広く採用されています。20mm多砲身機関砲を搭載し、毎分750発以上の砲弾を発射することができます。

  • ゴースラー (Goalkeeper):ドイツ製のCIWSで、ヨーロッパを中心に採用されています。30mm多砲身機関砲を搭載し、毎分4,200発以上の砲弾を発射することができます。

  • 20mm機関砲CIWS:日本製のCIWSで、護衛艦などに搭載されています。20mm機関砲を搭載し、毎分900発以上の砲弾を発射することができます。

CIWSの開発状況

近年では、CIWSの性能向上や新たな脅威への対応を目指して、様々な開発が進められています。

  • レーザー兵器の搭載:従来の砲に加えて、レーザー兵器を搭載したCIWSも開発・実用化が進んでいます。レーザー兵器は、弾切れの心配がなく、精密な照準が可能という利点があります。

  • 電子戦能力の強化:敵のレーダーや通信を妨害する電子戦能力を備えたCIWSも開発されています。

  • 無人化・ネットワーク化:無人操作やネットワーク化に対応したCIWSも開発されています。

CIWSの課題

CIWSは非常に有効な武器システムですが、いくつかの課題も存在します。

  • 誤射の可能性:CIWSは高速で自動的に射撃を行うため、誤射のリスクがあります。

  • 電磁波障害への脆弱性:CIWSはレーダーやコンピュータを多用するため、電磁波障害の影響を受けやすいという課題があります。

  • コスト:CIWSは高価なシステムであり、導入や運用にコストがかかります。

CIWSの将来

これらの課題を克服しながら、CIWSは今後も艦船防空の重要な役割を担っていくと予想されます。

CIWSに搭載していないと、いろいろと問題がありますね~

_*_*_

お値段関係は?

CIWSの値段は、種類や性能、購入数量などによって大きく異なりますが、一般的には数億円から数十億円程度とされています。

具体的な例

  • ファランクス (Phalanx):約10億円

  • ゴースラー (Goalkeeper):約8億円

  • 20mm機関砲CIWS:約2億円

内訳

CIWSの値段は、主に以下の要素で構成されています。

  • システム本体:レーダー、コンピュータ、砲などの主要な機器の費用

  • 開発・製造費用:CIWSを開発・製造するための費用

  • 訓練・整備費用:CIWSの運用に必要な訓練・整備の費用

  • オプション費用:レーザー兵器などのオプション装備の費用

購入数量

CIWSは、複数セットまとめて購入することで、割引が適用される場合があります。

その他

CIWSは、防衛装備品であるため、購入には政府間の契約が必要となります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?