武器兵器調達課#27: 「AH-1Z ヴァイパー」
今回は「AH-1Z ヴァイパー」について見て行きましょう。
形式のZのフォネティックコードから非公式に「ズールーコブラ(Zulu Cobra)」とも呼ばれます。
「AH-1Z ヴァイパー(AH-1Z Viper)」: アメリカ海兵隊が運用するベル・ヘリコプター製の攻撃ヘリコプターです。AH-1W スーパーコブラの発展型として、UH-1N ツインヒューイの後継にあたるUH-1Y ヴェノムと並行して開発されました。
AH-1Zは、AH-1Wの後継機を目指してベル・ヘリコプターが開発した。また、UH-1Nの性能向上改修であるUH-1Yも並行して行われ、コストダウンを図っている。アメリカ海兵隊は1996年にAH-1Z計画の進行を決め、11月15日にベル社に契約を与えた。2000年には試作機であるNAH-1Zがロールアウトし、試験飛行を行ったが、水平安定板の設計変更が必要と判明したことから戦力化に遅れが生じ、配備の開始は並行して開発されていたUH-1Yよりも少し遅れることとなった。
AH-1Zは、AH-1Wと比べて、以下のような改良が施されています。
4枚ローターへの換装:AH-1Wの2枚ローターから、4枚ローターへの換装により、マイナスGに対する強度と操縦安定性が向上しました。
電子機器の近代化:新しいコックピット、航法システム、兵装システムが導入されました。
兵装の強化:新しい対戦車ミサイルやロケット弾が搭載可能になりました。
AH-1Zは、アメリカ海兵隊の主力攻撃ヘリコプターとして、イラク戦争やシリア内戦などで実戦投入されました。その高い性能と信頼性が実証され、アメリカ海兵隊のみならず、トルコやオマーンなどにも輸出されています。
AH-1Zの主なスペックは、以下のとおりです。
全長:16.8m
全高:5.2m
全幅:14.9m
空虚重量:5,500kg
最大離陸重量:9,500kg
エンジン:2基 × ターボシャフトエンジン(T700-GE-401C)
最大速度:310km/h
航続距離:1,000km
武装:
対戦車ミサイル(AGM-114 ヘルファイア)
ロケット弾(HYDRA 70)
機銃(M197 20mmガトリング砲)
AH-1Zは、アメリカ海兵隊のみならず、世界各国の軍隊で運用されている、最新鋭の攻撃ヘリコプターです。その高い性能と信頼性は、今後も世界中の戦場で活躍していくことでしょう。