見出し画像

南岸低気圧による雨?雪?(2024年2月4日)

こんにちは、気象予報士・防災士の山本卓です。
2024年2月4日、南岸低気圧通過による関東の雨?雪?についてのまとめ。

・前日までの予報では、4日の朝は関東南部を中心に広く雪が降る
・4日の朝、実際は雨が降った
・なぜ、雨として降ったのかを考える

●前日の予報

関東南部で広く雪を予報

・実況(7時)

実際は雪ではなく雨が降った

Q. なぜ、雪ではなく雨が降ったのか?

【結論】
予報よりも雨の降りだしが早かった。予報では、東京付近では午前3時4時ごろから雨が降り出す予想だったが、実際は1時ごろから降り出した。夜間で気温が下がりきる前に降水が観測され、雪ではなく雨として降りだした。降り出しが雨となると、どんどん湿度が上昇していく。湿度が上昇するとより雨として降りやすい形となり、朝にかけても広く雨が降った。

【学び】
雪の予報は降り出しに注目。雪として降れば、どんどん湿度が低下していき、以降も雪が降りやすくなる。雨として降れば、どんどん湿度が上昇していき、以降も雨が降りやすくなる。

降り出すタイミング、その時の気温は何℃か、湿度はどのくらいか、だから降り出しは雨なのか、雪なのか。できるだけ正確に予報していく!

●降り出しのずれ(予報と実況を比較)

予報 対象:4日0時
実況 対象:4日0時


●データ、資料など

@東京
◆降り始め(1時ごろ)
・降水:☂
・地上の気温:6℃くらい
・湿度:50%くらい
・上空の気温:-3℃くらい
・風:西寄りの風

→ 気温が高すぎる。これだと雨として降る。

◆朝(朝7時)
・降水:☂
・地上の気温:3℃くらい
・湿度:90%以上
・上空の気温:-3℃くらい
・風:西寄りの風

◆気温と湿度の推移グラフ

気温と湿度のグラフ

◆降り始め1時ごろのデータ @東京

降り始め1時ごろ @東京
降り始め1時ごろ @東京

◆朝7時ごろのデータ @東京

朝7時ごろ @東京
朝7時ごろ @東京

◆南岸低気圧の位置
南岸低気圧中心は本州のだいぶ南を通過中。
東側にできた低圧部(小さな低気圧)が八丈島付近、少し南を通過した

4日6時の天気図
4日朝7時:雨と風

◆寒気の様子(850hPa)
東京付近には -2℃、-3℃くらいの寒気が入る

4日未明3時の寒気
4日朝7時の寒気

南岸低気圧の予報は難しい。。
前日の天気予報を見てもズレが生じやすい天気パターンなので、いつも以上に最新の天気予報を確認するようにして頂きたい。

いいなと思ったら応援しよう!