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南岸低気圧による雪(2024年2月5日)
こんにちは、気象予報士・防災士の山本卓です。
2024年2月5日、南岸低気圧通過による関東の雪についてのまとめ。
・雪が降った5日はどんな気象条件だったか
・きのう4日も南岸低気圧が通過したが、こちらは雨。違いを考える
・5日の雷雪について(5日の夜は雷もバチバチした)
・まとめ
●5日の雪
東京都心で雪が降り始めたのは、お昼ごろ。
@東京
◆13時ごろ (雨に雪が混じり始めたという報告が多数出てきたころ)
・降水:☂❆(みぞれ?)
・地上の気温:2℃くらい
・湿度:90%くらい
・上空の気温:-2℃ ~ -3℃くらい
・風:北東
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その後、霙は次第に雪へと変わり、夜にかけて強さを増していく
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雪が多く降ったのは、可降水域がそれなりの数値をつけていたから。
→それなりに発達した雲が関東に掛かったから。
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●4日との違いをいろいろ検証する
◆降り始めの気象条件
4日1時ごろ @東京
・降水:☂
・地上の気温:6℃くらい
・湿度:50%くらい
・上空の気温:-3℃くらい
・風:西寄りの風
5日13時ごろ @東京
・降水:☂❆(みぞれ?)
・地上の気温:2℃くらい
・湿度:90%くらい
・上空の気温:-2℃ ~ -3℃くらい
・風:北東
大きく違うのは、地上の気温、湿度、風向。気温と湿度を雨雪判別表に当てはめると、4日は☂のゾーンで、5日は☂⛄のゾーンに入る。
雨雪判別表は、やはり参考になる!
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風向は、南岸低気圧の位置による違いか。
4日は、低気圧が八丈島のやや南を通過した
5日は、低気圧が八丈島の北を通過した
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5日は低気圧が陸地近くを通過したため、北寄りの風に。風速も強かった。
北の寒気を引きずり下ろす作用をして、雪の可能性を高めた。
若干、陸地に近すぎたため、低気圧本体周辺の暖かな空気も掛かったか。だから"湿った雪"という印象が強かった。
●5日は雷も観測
関東地方では珍しい、冬の雷(雪と雷で雷雪)として話題に。
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雷の原因は
・低気圧本体の雲が掛かったから
・寒気により大気が不安定、雲が発達しやすい条件がそろっていた
・海面水温が少し高いことも、大気不安定を助長したか
メカニズムとしては、冬:日本海で見られる雷と同じ。
教訓としては、
大雪をもたらすほどの雲が予想される場合は、雷にも留意する必要がある。
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●まとめ
関東地方(平地)で最深積雪8cmを観測
【影響】
・高速道路の一部閉鎖(事前に閉鎖する予防的対策がなされた)
→湿った重い雪+首都高は都市内の狭隘なところに立地し路肩が少なく、除雪した雪を運び出すのに時間がかかった(首都高コメントより一部抜粋)
・雪や路面凍結の影響で東京、神奈川、埼玉、千葉の4都県で少なくとも150人超が転倒などで重軽傷を負った
・中央線、ゆりかもめなどで運転見合わせ、一部で立往生も発生
・ヤマト・佐川など宅配便集配に遅れ
私自身、5日夜は会社に出社したが電車の遅延などを考慮して早めに出社をした。こういった小さな影響、記録に残らない影響も多く存在する。やはり、都市圏での雪は影響が大きい。
今回検証した内容を、今後の天気予報に活かしていきたい。☃