ありがトンプソン、また来てクレイ
クレイ・トンプソンがダラスに行ってしまった。しょうもない親父ギャグのタイトルでもつけなきゃ心が保てん。
クレイがウォリアーズを去るというのはずっと噂になっていたので、こちらも段々と心の準備はできていたけれど、でもやっぱり正式なニュースとして出るまでは信じられなかった。今でも信じたくない。明日目が覚めたら、夢だったってならないかなって毎日思ってる。
私のNBAで一番好きなチームから、一番好きな選手が去ってしまう。バスケ観戦歴はそこそこあるけど、こんな経験は初めてだ。NBAはトレードやウェイブが日常なので「こんな経験が初めて」と言えること自体が幸せなことなんだろう。幸せだった。クレイ・トンプソンがウォリアーズにいてくれて、スプラッシュブラザーズとして名を馳せてくれて、たくさんのチャンピオンリングをもたらしてくれて、とても幸せだった。
私は3Dの選手が好きで、こうした選手を好きになったのはクレイがきっかけだった。クレイがドリブル11回で60点をとった日から、ドリブルは少なければ少ないほどいいなって謎の嗜好に目覚めたし、2017年NBAファイナルでクレイがカイリーをシャットアウトした日から、やっぱりディフェンスでチームを支える選手って最高だなって思うようになった。クレイのおかげで、好きな選手の幅が広がったし、方向性が定まった。私のバスケ観戦歴や、バスケを好きになっていく過程に、ずっとクレイがいた。
Oracle Arenaで生のクレイを見たら、シュートモーションが速くて正確で、まるで機械みたいだなって思ったことを覚えてる。何回も何回も同じ動きをするので、リピート再生みたいで愉快だった。Japan Gamesで日本に来てくれたこともすごく嬉しかった。空港にお迎えに行くというのに初めてチャレンジしてみたのだけど、クレイはファンにめちゃくちゃ優しくて、これまで知らなかった一面にメロメロになったりもした。試合には出なかったけど、日本を満喫してくれたみたいだったし、3ポイントコンテストでスプラッシュブラザーズの格の違いを見せつけられてゾクゾクした。Chase Centerも行きたかったな。行けば良かったな。見たい景色、会いたい人、全部取りこぼしたくないのになあ。
クレイはプライドが高いって良く言われてた。だから控えで出ることを許さないだろうとか、減棒を受け入れられないだろうとか、そういう意味で使われていた。私はあんまり人の性格をつかむのがうまくないからか、色んな人がいう意味でのクレイのプライドの高さを感じられたことはなかった。でも、違った意味でのプライドの高さは分かる。19-20シーズンのNBAファイナルで敗れた時、前十字靭帯を断裂しながらもフリースローを2本決め切り、病院で検査が終わった瞬間に真っ先に「勝ったか?」と聞いたこと。前十字靭帯断裂に加えアキレス腱断裂の大怪我を負い、2シーズンの全休を経て復帰、21-22シーズンの優勝に見事に貢献したこと。勝利への執念、不撓不屈の精神、王者のプライド。私にとってのクレイの「プライドの高さ」はそういう意味だ。クレイのそういう所が大好きだ。ダラスの人にも、クレイのそういう所を好きになって欲しい。
ダラスにはクレイの好きな海があるかな?Roccoにも優しい街だといいな。ダラスのファンが、クレイを暖かく迎え入れてくれますように。ダラスのチームメンバーと良い関係性を築いて、楽しくバスケができますように。寂しくなったらいつでも帰ってきていいんだよ。セルティックスに戻ったホーフォードさんみたいにさ、また一緒に優勝目指そうよ。「こんな歳になってもやっぱりスプラッシュブラザーズのシュート力はインクレディブルだな」って解説者のこと驚かせてよ。
でもさ、そんな日が二度と来ないでクレイが引退したらさ、そしたら永久欠番のセレモニーでChase Centerに戻ってきてね。ステフとドレイと肩組みあって写真を撮って欲しい。これはきっと叶うはずだ。クレイもインスタでこんな風に言っていたんだから。
私も、生涯大好きな選手ができてとても幸せです、ありがとう。これからもキャプテンの船旅を見守らせてください。ベイエリアにもまた立ち寄ってね!
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