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餃子への愛 年長者の教え

私は餃子が好きである。

ランチで餃子を食べたのに、会社帰り、気づけば餃子が美味しいお店で酒を飲んでしまうくらい、餃子が好きである。


そんな餃子好きであるがゆえに、旅の目的が餃子になることが多々ある。


あれは2019年から2020年の年末年始にかけてのこと。

静岡へ、浜松餃子を知る旅に出かけた。


旅に出る前、静岡出身の彼が

家族に、浜松餃子を食べに浜松へいくこと伝えると、

おじいちゃんからこう言われたらしい。


「わざわざ浜松まで食べに行かなくても、五味八珍でいいだろう。」


五味八珍?聞いたことがない。なんだかふざけた名前だなと思ったけれど、

調べてみると静岡県を中心に展開している、中華チェーンのようだった。


おじーやん、そんなナンセンスなこと言うなよ・・・。


逆に、俄然興味が湧いてきた。

絶対にその、五味八珍とやらを超える餃子を探し出して、

手土産として持参し、おじーやんにギャフンと言わせてやろうじゃないか。



さて、浜松餃子とは、浜松餃子学会(そんな組織があることは今知った)によると、

「浜松市内で製造されていること」が定義らしい。


そんなゆる~い定義の浜松餃子ではあるが、

日本で5本の指に入るくらい、静岡は餃子の消費量が多い。

(年によっては宇都宮と接戦になるほどである。)


結論、私の中でまとめた浜松餃子の特徴は、以下の4つ。

①羽が大きい

②円盤状のものが多い

③もやしが乗っている

④あまり記憶に残らない


あまりにひどい感想だとは思うけれど、まさに、④なのである。


おそらく1泊2日ほどで5~6軒ほどの浜松餃子を食べたが、

いまいち感動がない。


唯一記憶に残った、美味しかった浜松餃子は「福みつ」の餃子である。

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ここの餃子は地元のお客さんに愛されているようで、夕方の微妙な時間にも関わらず行列で、
しっかりした皮、むちむちの中身で美味しかった。(もし浜松に寄ることがあればもう一度食べたい。)


そんなこんなで、美味しい浜松餃子になかなか出会えず疲労困憊していた私たちであったが、

ふと、五味八珍が頭をよぎった。


満足のゆく浜松餃子になかなか出会えない中、五味八珍のレベルはどれほどなのだろうか・・・

最終日、彼の実家に帰る道中、国道沿いの五味八珍に寄ってみることにした。


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なかなか賑やかな店内。

お年寄りが多い。これは吉と出るか凶と出るか・・・。



餃子とチャーハンのセット 890円+税

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なかなかのボリュームである。


そして、

うまい。


悔しい。これは敗北を認めざるを得ない。美味しい。

お年寄りが店長に年始の挨拶をしている。店長の対応もいい。

地域密着の良いお店だった。



一番美味しかった餃子を手土産にしよう、とかなんとか言っていたけれど、

これでは恥ずかしすぎるので、私はうなぎパイでお茶を濁すことにしたのだった。



食べ歩いた浜松餃子の数々を無駄だったとは全く思わない。

記憶に残る(浜松餃子の味ではなく、浜松餃子というものを追った記憶ではあるが)、よい旅になった。



「わざわざ浜松まで食べに行かなくても、五味八珍でいいだろう。」


年長者の教えは正しかったのだった。


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