はずかしがり
小さいころ私は恥ずかしがりだった。
何というか普通の恥ずかしがりの数倍ひどい感じで、
まず人の顔が見れない(これは今も同じ)、言葉がでないので挨拶も出来ないくらい。
兄弟が多くて、私が話さなくてもコミュニケーションはどうにか取れてたんだけど、
4歳くらいになるといよいよ父親が心配し始めた。
この子は喋れないんじゃないかって。
そもそも私の小さい頃は父親に会うなんて休日だけ。
当時は土曜も仕事だったので、週に一度くらいか。
そして二つ上の姉が頭の回転も早く、明るくおしゃべりだったのでなおさら話すことはなく、
ただただ無口な子だった。
当時の自分の感情としては「恥ずかしい」が一番大きかったと思う。
母親とも特に話しをした記憶はないけれど、
子だくさんの母親としては一人くらいおとなしく無口でも気にならなかったのかもしれない。
それから小学校に上がるくらいにはさすがに話さなくてはならない機会が増えたけど、
相変わらずはずかしい気持ちが強くて、
教室ではいつも先生に気をかけられる存在だった。
当時孤独とかさみしいとか思った記憶はないから、
話すことが自分にとっては重要ではなかったのかもしれない。
家では弟に向かってだけ何か話していた気がする。
小さな弟にははずかしがらずに話せたんだと思う。 1歳か2歳の弟からは返事はなかったけれど。
人の顔が見られないのは今もあんまり変わらない。
でも、普通に就職もしたし、結婚までしてる。
はずかしがりという気質は変わらないけど、
充分に適応してきた。
今自分の子供を育てて、二人とも普通にはずかしがりだけど、私より元気に挨拶が出来るし、
友達も出来てる。
なんかよかった。
そして、もしはずかしがりで困ってる人がいたら、
大丈夫って言ってあげたい。
はずかしくて直接言えないけどね。