[確定拠出年金]投資信託の売買基本シナリオ
今回は、確定拠出年金制度で投資信託を
1) 買って
2) 売って
3) 利益を手にする
までの基本シナリオ、スタイルを提案する。
まず、制度利用者全員に共通の項目から確認しよう。
3) の「利益を手にする」だ。
これは制度から実際に現金を引き出すときを想定する。
確定拠出年金は原則として60歳になると引き出せる。
これが「利益を手に」した瞬間であり、ゴールである。
それまでは制度の中で運用を続けなければならない。
買う・売るの結果が手にする資金
「利益を手にする」までに、1) 買って 2) 売って を何度も行うことになる。
どの確定拠出年金のプランでも、必ず定期預金や保険商品など元本確保型商品がラインアップされている。株や為替のリスクを取らない運用も可能だ。
投資信託は、全世界の市場を4分割した、国内株式・国内債券・海外株式・海外債券のインデックスを中心に構成されることが一般的だ。
単体のインデックスと、これら4本のインデックスを組み合わせて1本の投資信託としたバランス型ファンドがラインアップされる例が多い。
この他、各金融機関のプランのチャームポイントとして、これらの市場のアクティブ投信やREIT、金を投資対象とした投資信託が添えられる。
何を買うか・売るか、いつ買うか・売るかは、加入者ひとりひとりの決定と指示による。その結果によって、月額掛金がまったく同額であっても、60歳ゴールでの受取り金額は異なってくる。
確定拠出年金は節税商品としても魅力的なので、元本確保型の利回りが高い時期なら、定期預金や保険商品での運用でも十分だ。
しかし、平成30年6月現在、5年定期預金での利回りが0.01%という超低金利では、60歳ゴールまでの期間が長い若い世代は投資信託を視野に入れたほうがいい。
この理由については別のノートでまとめているので、ぜひご一読いただきたい。
では、制度内での投資信託売買はどのように計画することがスタンダードといえるだろう。
投資信託 買付けのスタンダード
新規加入の方を想定しよう。
投資信託を買い付ける原資は、毎月拠出される(iDeCoなら自分で拠出「する」)月額掛金のみとなる。
ラインアップされている商品をひとつ選んで掛金の100%を運用することにしてもよいし、ふたつ選んで50%-50%にわけることもできる。
ここで重要なことは、長期的に値が上がるかもしれないと思える商品には少しずつでも掛金を割り振っておくことだ。
確定拠出年金は現物取引といって、実際に買って保有している商品しか売ることができない。将来値上がりしたときに利益を確定しようとするなら、制度内で現物として商品を保有している必要がある。
月額掛金の割り振りは1%刻みで設定できる。気になる商品はすべて買っておくといい。市場の重ならない商品を数種類買い付け始めるのは良い方法だ。
毎月定額で買い続けるとドルコスト平均法の効果も期待できる。
ドルコスト平均法についても別のノートでお話しているので、ぜひご一読いただきたい。
投資信託 売却のスタンダード
月額掛金で買い続けている投資信託が値上がりしたら、売却して利益を確定する。
投資信託は、その投資対象によって期待できる利益の大きさが異なる。
債券よりも株式が大きな利益が期待でき、国内債券よりも海外債券が、国内株式よりも海外株式の投資信託がより大きな利益が期待できる。
実際に売却を検討するならば、適正な利益率の相場を知っておくと決断しやすい。
国内株式・国内債券・海外株式・海外債券インデックスの過去実績から利益率を試算したデータを別のノートにまとめているので、ぜひご覧いただきたい。
投資信託 売却後のシナリオ
投資信託を売却してもその利益を得るのは60歳ゴールまでおあずけ。
制度の中で商品を選んで移し換えなければならない。
これを「預替」という。
さらに値が上がりそうだと思える商品があればそちらに全額移すこともできるが、
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