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【早慶戦 他部活対談企画 vol.1 前半】 早稲田主将対談 ~競走部編~

ー今回は他部活対談企画の第1弾
早稲田大学競走部との主将対談をお送りいたします。これまであまり体育各部との繋がりを持てていなかったことも踏まえ、早慶戦を機に同じアスリートとして繋がりを築きたいと思い始めた本企画。

今回は早稲田を代表する部活のリーダーとして、2人の素顔を探りつつ、それぞれの早稲田への思い、早慶戦への思いを伺いました。




◯選手紹介

●池田海(いけだかい)早稲田大学競走部主将(サムネ画像右)
生年月日:2002.4.26
学部:スポーツ科学部
前所属 : 松山北高校
専門種目:110メートルハードル

●伊勢航(いせこう)早稲田大学ア式蹴球部主将(サムネ画像左)
生年月日:2002.7.17
学部:社会科学部
前所属 : ガンバ大阪ユース
ポジション:MF


ー自己紹介をお願いします。名前、学部、競技、出身を教えてください。

伊勢:早稲田大学ア式蹴球部(以下ア式)主将の伊勢航です。生まれは東京で、2歳から8歳までアメリカ、9歳から高校まで大阪にいて、大学で東京に戻ってきました。

池田:早稲田競走部主将の池田海と申します。専門種目は110メートルハードルで、出身は僕もちょっと複雑なんですけどスペインで生まれて、7歳までスペインにいて、それからずっと愛媛にいて、大学で関東に出てきました。

ー趣味や最近ハマっていることはありますか?

池田:趣味は絵を描くこととか、アニメ見るのも好きだし、映画見るのも好きだし、あとは音楽もすごい好きで聴いてますね。
がっつり趣味って言ったら、絵を描くのは結構好きですね、ちっちゃい時からやってて。
最近ハマってることは、例えば音楽のジャンルとかだったら、大学に入ってからHIPHOPとかKPOPとか新たに好きになりましたね。

伊勢:趣味は映画をめっちゃ見ること。洋画とか昔の名作とか見るの好きで、絶対1週間に1本は見ます。

伊勢 プライベートでの1枚

池田:そんなに見てるんだ。

伊勢:うん。音楽もめっちゃ聞くし。さっきKPOPにハマってるって(池田さんが)言ってたけど、自分は最近XGっていうグループが好きです。ファーストテイクのSHOOTING STARを歌ってる動画を見て、これやばいと思って、それでもうファンになっちゃいました。


池田さん プライベートでの1枚

ーお互いの部活の印象はいかがですか?

伊勢:大学入る前から駅伝の印象はめちゃくちゃ強いです。

池田:駅伝はね、やっぱり1番外に向けての発信が強いからね。去年かな、所沢キャンパスの入口に駅伝のポスターが貼られてて。確かにわかりやすいですよね。

ー池田さんはア式蹴球部の印象はいかがですか?

池田:ア式か、難しいな…。

ー活動場所も違いますからね。

池田:あまり関わりがないから部全体のイメージっていうのはあんまりないけど。スポーツ科学部で同じ授業を取ってる選手も結構いるんですけど、いい人が多いなっていうのは思います。結構印象はいいって言ったらすごい上から目線だけど、なんかすごく好印象。だからもっと知りたいです。

伊勢:誰か知ってる人とかいる?

池田:ちょっと名前が出てこないんだけど…。

ー池田さんは陸上の授業のTA(ティーチングアシスタント)をやっていらっしゃると聞きました。

池田:そうです、だからよく見かけたりはしますね。

ー池田さんは絵を描くことが好きっておっしゃってたじゃないですか。この対談があるということで、SNSとかも調べさせていただいて。Twitterのアイコンはご自分で描かれたんですか?

池田:そうですね、物心ついた時から絵はずっと描いていました。親の影響はあるかな。スペインにいた時は芸術とかにはかなり触れていました。

ーそうなんですね。それでお上手なんですね。

池田:僕結構ヒーロー系が好きで。アベンジャーズとか全部見たし、スパイダーマンが1番好きなんだけど。さっき言った描いた絵っていうのは、自分で考えたヒーローを書いてたんだけど、早稲田を題材になんか作りたいなって思って描きました。


池田さん ご自身で描かれたTwitterのアイコンの絵

◯競技について


ーどういう経緯で陸上を始めましたか?

池田:中学生からちゃんと陸上を始めました。きっかけは小学生の時に期間限定の陸上クラブみたいなのが秋ごろに毎年あって。遊びたいから入るつもりなんて全然なかったんだけど、気付いたら遊ぶメンバーが全員入ってて、それなら遊ぶ人いないじゃんって仕方なく入ったら楽しくて。やったことがそのまま結果に出るし、高跳びから始めたんだけど、身長もあったから練習すれば徐々に結果出るし、それが楽しくて始めました。

ー他のスポーツをやることは考えなかったのですか?

池田:小学生の時は遊びたいっていうことばかり考えていたので(笑)。僕の家系的にはバスケをみんなやっていたので、普通にいったら多分バスケをやるはずなんだけどやらなかったですね。
 
ースペインだったらサッカーが人気ですよね。
 
池田:そうですね。それこそカンプノウの近くに住んでたから、凄く馴染みがあるし、サッカーの試合になるともう街が凄いことになるんですよ。好きで見ることはあったし、仲間内で遊んだりはしてたけど、ちゃんとサッカーをやるっていうのはなくて。周りはみんなやってたけど僕はアーチェリーをやっていました。その後、日本に来てからは気付いたら陸上をやってる感じだった。伊勢くんは小さい時から何かやってた?
 
伊勢:3歳の時に地元の少年団チームみたいなのに入って。アメリカって四季によってやるスポーツが違って、サッカー、水泳、野球、バスケをやるんだけど、アメリカにいるときはそのサイクルをずっとやってた。日本に帰ってきた時に両親からやるスポーツを2つに絞ってって言われて。
バスケは身長的に無理だなっていうのは悟ってたからバスケはまず外して、野球も投げるのはめっちゃ好きだったんだけど、バッターボックスに入るのが怖いっていう致命傷があって外して。消去法みたいな感じでサッカーと水泳をずっとやってたけど、小学校5年生の時に初めてサッカーで地区トレセンに選ばれて。その地区トレセンに行く時間帯と水泳が被ってたからサッカーに絞った感じかな。
 
池田:水泳をやってたってことは持久力は高いほうだよね。
 
伊勢:そうだね。多分今も活かされてて、90分間ちゃんと走れる肺を鍛え上げられたかなっていうのはあるんだよね。
 

ー陸上競技の中でサッカーに活かせるトレーニングなどはありますか?

池田:それこそスプリントとかで言ったら短い接地時間で力を加えなきゃいけない。接地してる時間でも着いた瞬間と離れる瞬間があって、特にその着いた瞬間で力を加えられないとやっぱ速く走れないっていうのが科学的にあるから、リバウンドジャンプとかドロップジャンプを入れていくと走りやすい。
そこで基礎を固めてボックスジャンプを5台、足の幅6個分ぐらいに置いて、短い接地時間でのジャンプを練習していくと結構走りが変わったりする。
ただサッカーとなると重心を低く切り返さないといけない場面が多数だと思うから、それを考えるとあまり繋がらないんだけど、でもやっぱり走りの効率を上げるという点では活きてくると思う。

伊勢:ア式も秋本真吾さんというスプリントコーチが指導してくれているんだけど、初速とか切り返しのところがメインかな。切り替えした後の初速でどう重心をぶらさずに行けるかっていう、よりサッカーに多い動作をメインにやってる。

池田:今僕が言ってたのはそもそものベースを底上げするためにいいかなと思う。


ープレー面に関して、自分の強みを教えてください。

伊勢:左足が利き足で、左利きって全然いないから、左足のキックっていうのは武器にしてる。
あとは身体能力が高い方ではないからこそ、予測の部分は自分の武器だなっていうのがあって。あとはキャプテンとしてチームを引っ張るような試合中の振る舞いっていうのは、自分の武器かな。

池田:それこそ走ってる距離とかもすごいんだろうなって思うから、そういうところも強みになるよね。

伊勢:運動量はチームの中でも上位で走ってる方だから。

池田:僕の場合は、フィジカル的な要素と柔軟性の両方を兼ね備えてるっていうのは強みかな。かつ動作を1発ではできないけど修正していく能力は結構あるかなっていうのは思っている。
もう1つ言うと、まだ活かしきれてないんだけど、ハードルってインターバルが9.14メートルあって、これがトップ選手になってくるとこれ結構狭くなってくるんだよね。短い区間で足を素早く回す能力が重要で、僕は足が短くて、それはマイナスの要素に見えるんだけど、実はハードルではそれが意外と役に立ってる。
フィジカルチェックでデータを色々出すんだけど、極端に足短い選手がいて、それが唯一僕だった(笑)。意外と強みになってたりする。

伊勢:俺も足短いんだけど、重心が低くなるから、当たり負けしなくて。それは結構有利な部分っていうのはある。

伊勢 キャプテンとしてチームを牽引


ーメンタル面に関して、落ち込んだ時や上手くいかなかったときの立ち直り方を教えてください。

池田:僕の場合はまず、どんな状況でもなるべく波を作らない。当然波が来るときもあるけど、それに目を背けず、ちゃんと受け入れて対策していくっていうのが1番僕の中でハマっていて。
陸上競技はそれまでの準備がすごく重要なんだけど、やっぱりその日のメンタル状況で準備してきたものを発揮できるかどうかはかなり変わる。
ハードル種目は走りに全力を出すことができない種目なんだけど、全力を出してもそもそも意味がないっていう捉え方もできて、全力を出した選手が負ける、余裕がある選手が勝つ、冷静な選手が勝つっていうのがあるから、いかに冷静になれるかっていうのが大事。それを保つためにその試合に合わせて、段階的に今の自分の状態がどんな感じか、悪いとしたら最低限試合に臨む時にこれぐらいでいたい、最高でこれくらいになりたいみたいなのをあらかじめ考える。その最低限に行き着くためにはどんなことが課題なのかを考える。要素を1つ1つ洗い出して潰していくことで、たとえ2週間前に調子が落ちていても、少なくとも最低限のところまで上げられるし、積み上げてきたものがあるから、実際本番でトラックに立った時に不安はある程度払拭できる。それで根拠のある自信を積み上げることができる。

伊勢:そんなにちゃんとメンタルについて考えてるのか!

池田:陸上競技はそれこそ結果が一瞬で決まっちゃうから、メンタル面は大事になってくるんだよね。

ー集団スポーツと個人スポーツでメンタルの保ち方は異なりますか?

伊勢:陸上競技は一瞬で決着がついてしまうから、本当にそのときのメンタルが大事なのかなって。
俺は試合中、冷静さを優先している。試合前に監督が瞑想の時間を作っていて、(監督が)結構言葉を投げかけるんだけど、その時間にちゃんと自分の世界に入ろうって思って、深呼吸を3回して心を無にすることをルーティンでやっている。本当にサッカーってイレギュラーなことがあるし、相手がいるから自分の思い通りにいかないことがいっぱいある中で、そこでぶれたらダメだから冷静にいようっていうのが1番かな。
大学に入ってからは、本当にレベルが高くて自信を失うことだっていっぱいあるし、それこそ昨日(6月22日)、明治大学に全国大会予選で1-7で負けてメンタルがズタボロになったけど、そういう時はとりあえず落ちるところまで落ちる。それから自分のメンタルが弱ってることを受け入れて、次から切り替えてやるっていうのは大事にしてる。

池田:結局同じようなことをやってるよね。

伊勢:感覚でみんなそれぞれのやり方があるけど、似てる部分もあるのかなっていうのは感じた。

池田:冷静さっていうのはどのスポーツにもいるのかなって。個人種目でもチームスポーツでも結局対応しなきゃいけないから、対応できた選手が強い。安定して強くなるからね。それこそチームスポーツはよりそこが重要な気がするね。

伊勢:陸上って走ってる間に修正するって難しい?

池田:ハードルは結構特殊で、リズムがすごく大事。他者のリズムに影響を受けやすい。それこそ、前半型と後半型っていうのがあって、僕は後半型で、前半から飛び出る選手っているけど、それに遅れてでもいいから相手のリズムを使って付いていけば後半絶対に勝てるっていう心理戦があって、リズムの奪い合いみたいなのがある。どれだけ余裕を持てているかっていうのが結果を左右する。僕は冷静さを気合いで何とかしようとする節があって、それで何回も失敗したっていうところからちゃんと考えてやるようになったんだけど。

伊勢:陸上深いなぁ一瞬なのに。そういう駆け引きがあるのも初めて知った。


池田さん 競技中の1枚

◯大学で競技を続ける理由、なぜ早稲田を選んだのか。

伊勢:自分は3歳からサッカーをやっていて、ずっとプロを目指していて。中学・高校はガンバ大阪の下部組織に入ってサッカーをやっていた中で、高校3年生の時にプロに上がれないと分かったけど、やっぱりプロになりたいというのがあって、大学でもサッカーをやると決断しました。その中で早稲田を選んだ理由は大きく2つあって、1つ目は関東の大学サッカーリーグのレベルが高いというのがあって、そこでやる方が成長できると思ったから。2つ目は、自分は関西にずっといたから、このまま関西にいたら同じ人と接して関わって、自分も成長できないのかなと考えて早稲田に来た感じかな。
 
池田:環境を変えたいっていうのが強かったんだね。
僕もところどころ似た部分はあって。僕は中学から陸上を始めたんだけど、やっぱりずっと陸上を続けたいっていう思いがあって、大学でやるとなると、レベルの高いところで続けたい、その中でどうしても関東の方が強いし、選手も集まってるっていうのがあって関東に出たいというのがもともとあった。かつ、陸上競技だけやるんじゃなくてスポーツ自体にも興味があって、ちゃんと学びたいっていう気持ちがあったから、将来指導者を目指す中で、コーチングという部分とスポーツ自体を科学的に知りたいという思いがあったので、色々な大学を見てやっぱり早稲田大学だなというのが1番の理由かなと思います。

伊勢:受験するとき、そこまで深く考えてなかったな。
 
池田:まあでも、そのときは結構ふわっとした思いだったかな。だから競走部っていう組織が実際どんな組織かもちゃんと分かってなかったし、入っていく中で色々知っていったという部分は結構あるかも。
 
伊勢:練習参加とかそういうのは?
 
池田:したかったんだけどなかなか機会がなくて。1回来たんだけど、ちょうど改修工事やってて活動自体には参加できなくて、礒先生(早稲田大学競走部 総監督)からちょっと教わるみたいな感じだったから、どんな方がいるのかを知る機会がなかったかな。
 
伊勢:自分は練習参加をしたときに、これまでは自分自身がプロを目指すことしか考えていなかったけど、ア式の練習に参加してみたとき、すごくみんな組織に向き合ってるなと思って。それに衝撃を受けて、ここでやれたら人としても成長できると思って、それが1番決め手になったかな。
 
池田:確かに。さっき部の雰囲気とかは知れなかったって言ったんだけど、礒先生と色々話して、組織に対する思いというところは知れて、厳しい環境でやりたいという思いもあったから、そこは同じように感じたところかな。


最後までご一読いただき誠にありがとうございます!
早稲田を代表する選手であるお二方を、少しでも知れたのではないでしょうか?

第2弾は明日、公開予定です。
ぜひご覧ください!


早慶戦情報---------
2024年度の陸上早慶戦は
7月6日(土)13:30〜
慶應義塾大学日吉陸上競技場にて開催!
チケットは当日販売!入場料は500円(小学生以下は無料)で、お支払いは現金のみとなります!


また、サッカー早慶戦は
8月25日(日)18:00 kickoff
国立競技場にて開催!
チケットは以下のリンクからご購入いただけます!

ぜひ、会場でお二人の活躍を見届けましょう!


(インタビュー・編集:早稲田大学ア式蹴球部4年 渡邊朋恵、早稲田大学ア式蹴球部 2年 新谷美羽)


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