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【早慶戦 他部活対談企画 vol.1 後半】 早稲田主将対談 〜競走部編〜

ー他部活対談企画第1弾後編をお送ります!
これまであまり体育各部との繋がりを持てていなかったことも踏まえ、早慶戦を機に同じアスリートとして繋がりを築きたいと思い始めた本企画。
今回は、主に競技について、主将としての覚悟、早稲田そして早慶戦への思いをお聞きしました。ぜひ最後までご覧ください!

前編はこちらからご覧になれます👇




池田海(いけだかい)早稲田大学競走部主将(サムネ画像右)
生年月日 : 2002.4.26
学部 : スポーツ科学部
前所属 : 松山北高校
専門種目 : 110メートルハードル

伊勢航(いせこう)早稲田大学ア式蹴球部主将(サムネ画像左) 
生年月日 : 2002.7.17
学部 : 社会科学部
前所属 : ガンバ大阪ユース
ポジション : MF

◯競技中について

ー走っている間は何を考えていますか?

池田 : 何も考えないのがベスト。逆に考えるとパフォーマンスが100%発揮できない。結局制御した中での動きしかできなくなるのはあるから、結構何も考えない、もしくは最悪でも1つに絞る選手はいる。距離が伸びるほど考える余裕が出てくるからていうのはあるけど。
例えばマラソン選手だとただぼーっとしてる、ぼーっとしてる距離が長ければ長いほど勝てるっていう人もいる。

伊勢:すごいな、自分は何考えてんだろ(笑)。

池田:それこそさ、すごく視野を広く持たなきゃいけないじゃん、サッカーって。ポジション的にも多分そうだと思うんだけど、どんなイメージで視野広げてたりするの?

伊勢:俺はボランチで、トップレベルの人だと上から俯瞰して見れるような人もいるけど、自分はそこまでの俯瞰力はなくて。ただ、視野を広げるためには観客席まで見るようにしてる。やっぱり奥まで視野を広げておくと、近くも自然に見えるようになるっていうので、常に奥を見るようにしてる。もう無意識くらいになっているけど、それはもうずっと心がけていることかな。

池田:すごいな。視野を広げることで近くの選手に注意向けてなくても把握できるってことだよね。

伊勢:うん、多分それはサッカーで培われた能力があって。長年の積み重ねで経験として無意識に刷り込まれてることだから。


対談中のお二方

◯違う競技を経験する意味とは

ーボランチはずっとやっていたのですか?

伊勢:サッカーを始めたときはFWでバンバン点を取るタイプだったけど、ガンバ大阪ユース(伊勢の前所属チーム)に入ったときに同じポジションにすごい選手がいて、サイドハーフっていうサイドから仕掛けるタイプになって。その後1個下にまた同じポジションで上手い選手が入ってきて、反対のサイドをやったけど、高校に進学したタイミングで監督にボランチをやってみろって言われて、高校で初めてやって、そこからはずっとボランチかな。やっぱずっと前線やってきたから、足技とか。

池田:身についてるんだ?

伊勢:身についてるし、ずっと身体能力が高いわけじゃなかったから、前のポジションをやってる時も駆け引きはめっちゃ大事にしてて。多分そういうのが今のポジションに生きてるのかな。
360度から相手が来るから駆け引きで相手をはがすとか、ちょっとした目線で注意を引きつけて自分は逆にいくみたいなそういう駆け引き。そういうのは前のポジションでやってたり、自分のウィークである身体能力の無さが逆にストロングに繋がってるかな。今考えれば、前のポジションをやっててよかったし、自分をコンバートした高校の監督はすごいなと。

池田:なんか今の聞いて思うんだけど、もちろん1つにずっと特化してきてることもすごいと思うんだけど、色々なことを経験したうえで、今のポジションであったり競技だったりやってる選手っていうのは強いなって感じるかな。

伊勢:陸上競技も色々な種目をやったりする?

池田:そうそう、同じように最初100mやってみたんだけど、200mに転向して400mに転向して、みたいな。結構あるんだけど、僕の場合は走り高跳びからハードルになった感じで、結構違うところの能力が意外と転向したら活きたり、みたいな。同じことをやってた選手もちょっと違うところに1回行って戻ってくると、一気にバンって伸びたり。やっぱり違うところの刺激って大事だね。

伊勢:高跳びでなんかハードルに活かしてることってあったりするの?

池田:そもそもの身長っていうのはあるけど、結構飛ばないといけないから。ハードルっていうのは遠くから踏み切った方が圧倒的に技術としてはいい。そういったところに繋がる部分はあった。ここら辺の器用さと対応できる能力っていうところではあるかな。

ーなぜ高跳びからハードルに絞ったのですか?

池田:もともとは高跳びがずっと楽しくてやってたんですけど、ハードルって中学、高校、シニアと高さが変わってくるんですよ。だんだん高くなるんですけど。中学の時にちょっとやってたんだけど高さが合わなくて、なんかそれに変に合わせようとしちゃってバランス崩したりとかあったんだけど。高校になって実際にシニアと同じ高さ(1メートル)になって、ちょうどよかったっていうのがあった。なんか、これ合うじゃんみたいな。で、タイムもそこそこでたから。
高跳びは練習する場所がなくて、だんだんやらなくなってみたいな感じで移行したかなって感じです。


◯主将として 

ー主将になった経緯を教えてください。

伊勢 : 高校時代もキャプテンをやってて、それは監督にお前が1番上手いからやれって言われたんだけど。その時に J3っていうプロのとこでやってる23歳以下のチームがあって、俺はずっとそっちに行ってて。高校での活動にあんま参加してなかったから、キャプテンらしいことは全くしないまま大学に入った。 大学に入った時に学年リーダーっていうポジションがあって、それを決める時に自分も早稲田に来たからにはなんか人間的なところを成長させたいなっていう思いがあって、立候補して学年リーダーをやった。学年リーダーを3年間やって、それからありがたいことにみんなから推薦いただいて、最終的にキャプテンになった。あと、自分もずっとキャプテンやりたいと思ってた。

池田 : 選ばれるべくして選ばれたんだね。

伊勢 : 自分の気持ちもある。逆に、競走部はいっぱい種目があるから、どうやって主将を決めるのか気になる。

池田 : 僕の場合は中学、高校とキャプテンをやるような、心の持ちようだったり、性格じゃなくて。どちらかというと、できるだけ端っこの方で好きにやりたいみたいな感じだった。
高校のキャプテンを決める時に、自分の中でチームとしてやりたいことっていうのが出てきて、キャプテンになりたいっていうのは言ったんだけど、もっといい選手がいて、その選手がキャプテンになって、自分はなれなかった。
大学に入って、やっぱり早稲田の競走部っていうところで、それこそちゃんと覚悟を持ってやらなきゃいけない。前に出る恥ずかしさとか、そういったものをできるだけ取っ払って、ちゃんと前に出ていこうって思い始めた結果、中心になることは多かった。実際、学年が上がるごとにチームに対しての思い入れがどんどん強くなったし、それこそ110年続いてる競走部に対して、またその歴史に対しても色々な思いが出てきて、そういったものから、主将をやりたい、 頑張りたいっていう思いが出てきた。主将は毎年学年で話して、それぞれ幹部決めるんだけど、その中で話し合ってみんなに選んでもらえて、結果主将になることができた。

伊勢:大体一緒だ。

伊勢 試合中の1枚


ー異なる競技、それぞれ主将として何を心がけていますか?

伊勢:1番考えているのは、無理しすぎないことかな。歴代の先輩とか主将とか見てても、ちょっと無理してる部分もあるかなって。
自分を主将として見せることも大事だけど、今まで3年間あのままの姿を見てもらって主将に選んでもらったと思ってるから、ありのままの姿を見せていけば周りがついてきてくれるだろうっていうのはある。
元々ずっとチームに対する思いは強いし、 チームに対して責任感を持って、サッカー面もそうだし、ピッチ以外の部分でもずっと引っ張ってきた自負はあるから、 そういった積み重ねが自分の自信になっているから、伊勢航っていうありのままの自分でいることを1番心がけてるかな。

池田:それは同じようなところがあって。早稲田大学競走部は伝統があるし、 ブランドっていうのもあるから、主将としての重圧とかで思うようにいかなかった先輩たちを見てきて、同じように思った部分はあって。結局、等身大の自分を大切にしているかな。
実際、歴代の主将方に相談した時も、自分が思うようにやればいいっていうのが1番言われた言葉で、そこは同じように本当に自分が1番やりたいこと、自分としての色っていうところを意識してやってる部分は結構あって。
ただ僕の場合、主将決めをする時にずっと怪我をしてて、去年の10月に決めたんだけど、去年の6月、5月頃からずっと怪我をしてて苦しい状況だった。結果として部に分かりやすく貢献できていない状況でになりたいっていう時だったんだけど。主将になるって決めたけど苦しい部分も多いし、その先への不安っていうのはすごく大きかった。
ちゃんと自分の弱みを受け入れて、どうやったらチーム・個人としてベストを出せるのかを考えた時に、周りにちゃんと頼るっていうところはあって。1人で抱え込み過ぎちゃう部分もあるから、周りに頼りながら、主将としての軸は絶対にぶらさないんだっていうところで、意志を持つ。
そういうところが自分らしさにも繋がってるかなと感じている。

伊勢 : 今周りに頼るって言ってたけど、それもめっちゃ必要だなと思ってて。自分が大学2年の時に同期の中で色々な問題があって、1人で抱え込みすぎてパンクしちゃったっていう経験もあった。本当に人に頼ることが大切というか、自分で全部解決できないから。ありのままの自分を見せたら、特に同期は支えてくれるだろうし。

池田 : 結局同期で1番支え合ってやってきたわけだし、弱みを押し付けるとかじゃなくて、本音でちゃんと話せるという点で、共通して一緒に支え合って頑張ってるんだなっていうのは思った。

ーコミュニケーションの取り方で意識していることはありますか?

池田 : それこそ自分は人見知りな部分が結構強くて、自分から行きづらい性格ではあるんだけど、でもやっぱり人と関わりたいっていう思いは強い。それこそ、1番の共通の話題である競技についての話とかから入ったりするかな。

伊勢 : 自分は多分4年生の中でも後輩とは喋る方かな。普通に後輩とか人と喋るのが好きだから。後輩はやっぱり可愛いし。


◯早稲田、そして早慶戦への思い

ー競走部、ア式蹴球部ともに伝統がある部活だと思います。チームへの思いや早稲田、早慶戦に対する思いを教えていただきたいです。

池田 : 競争部って、対抗戦をチームとして大事にしていて、様々な大会がある中でも早慶戦を大切にしている。でも他部活の早慶戦に比べて、あまり人気がないっていう部分があってね。観客も比較的少なくて。それに伴って、特に下級生からするとあまり重要じゃないように捉われやすい大会ではある。でも、それこそ今年は100年記念だし、ずっと歴史があるから思い入れっていうのはすごくある。
2校でやる大会なんてそうそうないし、しかもその大会がずっと伝統を守り続けてやってきていることに強い思い、誇りを持っています。

伊勢 : 陸上もそうだし、同じようにア式も長い歴史があって、本当に偉大なOBOGの方々がいて、今の自分たちの活動があるっていうのは、 今年ア式が100周年で、今まで以上に先輩方と話す機会や交流する機会が増えた中で、やっぱり改めて思うこと。より一層早稲田への思いが強くなったし、これからの100年に繋げていくためにも、今年100周年の代で目に見える結果を残すことが本当に大事になると思う。プレッシャーでもあるけど、それを感じられるのは誇りだし、100年目を迎えられた自分にしか味わえないところだから、そこは楽しもうって思っている。
あとは、サッカー早慶戦は大学サッカーで最も観客が入る試合の1つ。
長い歴史で見ると早稲田がずっと勝っていたんだけど、近年は慶應もすごく力をつけてきているし、実力差も全然なくなってきてるから、 ライバルっていう認識が両校にはある。今年は早慶戦が75周年目で新国立競技場になって初めて国立でやる。規模も大きくなり、そこに携わってくれる人の数も増えたし、きっと早稲田のことを応援してくれる人も増えるから、その人たちのためにもやっぱり勝ちたいと思っている。その人たちの頑張りが報われるためにも、自分たち選手が結果を残したいっていう思いは強いかな。


池田さん 2023関東インカレ110mHで優勝した際の1枚


池田 : 陸上も昔は国立でやっていた。今年もやっぱり100回記念だし、国立でやりたいってなったんだけど、さっき言ってた楽しむってところで、選手と観客の距離を近くして盛り上げたいみたいなところがあって、最終的には日吉の陸上競技場での開催を決めました。
全体で楽しむっていうコンセプトは思いとしてあるかな。

伊勢 : そういうエンターテイメントの側面で言うと、サッカー早慶戦はハーフタイムショーとかアーティスト呼んだり、様々な企画も開催される。
裏でやってくれてる人がいるし、自分も去年は早慶戦のベンチに入ったけど、1.2年生では運営をやっていた。勝って片付けるのと負けて片付けるのと全く違うから、 部員のため、運営してくれてる人、早慶戦に関わる全ての人のためにもやっぱり勝ちたい、ちゃんと勝たないといけないなっていうのはある。

池田 : ちょっと話が戻っちゃうけど、誇り、思いみたいな部分として、 100年ずっとやってきた大会っていう時点ですごいことだし、本当に100代分の思いが詰まってるものってなかなかないし、それだけで単純にかっこいい。本当にそこに対する純粋なかっこよさ、憧れっていうのもやっぱりあるかな。


最後までご一読いただき誠にありがとうございます!早稲田を代表し、長い歴史を持つ競走部とア式蹴球部の主将対談を2日間にわたってお送りしました。いかがでしたでしょうか?

早慶戦他部活対談企画、まだまだ他の部ともコラボしていきます!
そちらもどうぞお楽しみに!

早慶戦情報---------
2024年度の陸上早慶戦は
7月6日(土)13:30〜
慶應義塾大学日吉陸上競技場にて開催!
チケットは当日販売!入場料は500円(小学生以下は無料)で、お支払いは現金のみとなります!


また、サッカー早慶戦は
8月25日(日)18:00 kickoff
国立競技場にて開催!
チケットは以下のリンクからご購入いただけます!


ぜひ、会場でお二人の活躍を見届けましょう!


(インタビュー・編集:早稲田大学ア式蹴球部4年 渡邊朋恵、早稲田大学ア式蹴球部 2年 新谷美羽)

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