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めんどく星人が作るさば味噌定食

今夜の晩ごはん、さば味噌定食。テフロン加工のフライパンに水、白だし少量、料理酒、おろししょうが(チューブのもの)を入れて火にかけ、煮たってきたら弱火にして味噌と白味噌、砂糖、みりん、しょうゆごく少量で味つけする。さばはけっこう塩気があるので、塩味は控えめにして、けっこう甘いな?くらいに味を決めておく。ここに今日の昼間買ってきたさばの切り身をどーんとぶちこみ、林家ペーパータオルで落とし蓋をしてしばらく煮込む。さばに火が通ったところで、いったんさばの身だけを皿に取り出し、残りのジルがとろりとするまで煮詰めていく。

ジルがいい塩梅になったところで、再びさばをフライパンの中にそろりと戻し入れ、全体にジルが絡んだところで火を止める。そしてさばをお皿にホイ……しようとしたところで、

痛恨のミス……ッ!


フライ返しに載せたさばが墜落した。



ピギィイイイイ!!と絶叫しつつ、今度は慎重にフライ返しで掬い上げて、崩れた部分がなるべく目立たないようにお皿にホイ。仕上げに味噌たれをかけたらできあがり。


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炊きたてごはんに味噌汁、つくりおきの鶏ゴボウサラダ、ほうれん草のおひたし、漬物を合わせまして、イエーイ!今夜はさば味噌定食!

パンダちゃんお魚載せてもかわゆいねえ(*´ω`)デレデレ


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崩れた部分はなんとかごまかせただろうか。お皿をくるりと回転してみよう。


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ダメだこりゃ


まあよい。さばの痛ましい惨状は、パンダちゃんたちが中和してくれることだろう。


さば味噌を作る時に定番の作業、すなわち霜降りだとか、皮にバッテン印を刻印するだとか、そういうのを一切省いての、めんどく星人によるめんどく星人のためのさば味噌。な、なんて乱暴な……!とお思いの紳士淑女の皆さまもおりましょうや。しかしながら安心してください、これね、ちゃーんとおいしいのだ!こっくりしたさばの旨みに、甘口仕上げの味噌味が染み込んで、なんとも絶妙な味加減に仕上がっている。さばのクセを合わせ味噌が丸く包み込んで、こってりながらもどこまでもやさしい味。ごはんがめちゃくちゃすすむくんだ!生臭さはしょうががしっかり消してくれていて、さばのイカした海の香りだけがふんわりと口に広がる。で、肉厚の身から味噌の風味を含んだジルがじわりと滲み出て、いやーたまらないおいしさ!ごんぶとい骨もスルリと剥がれるほど、全体はいい塩梅にしっとりしている。とろりとした皮もとってもなめらかだし、ウンウン、今日のさば味噌も大成功だわー。

メインのさばが濃厚な分、さっぱり目で揃えた副菜たちもいい感じ。さばの甘じょっぱさに、マスタードがピリリと効いた鶏ごぼう、ポン酢をかけたおひたしの爽やかな酸味がナイスバランスだ。今夜は我ながらハイスコアな定食に仕上がったんではないかな?さばの着陸時に痛恨のミスがあったけど……ま、差し引きゼロってことにしとこ。満足満足、ごちそうさまでした。


この手抜きさば味噌の作り方は、亡母から受け継いだもの。ちまちました下処理なんかやってられっかい!こちとら早く呑みたいんだよ!……という欲望にどこまでもまっすぐだった母上らしいレシピであります。正統な手順を踏んで作られたさば味噌(お店屋さんのもの)ももちろん最高においしいのだけれど、自分で作るのはもっぱらコレ。最初に味つけが決められちゃうのが、とっても楽チンなんですよねぇ。


ちなみに、我が生涯のバイブルである『きのう何食べた?』にも、まんが界きってのやり手主婦・佳代子さんがほぼ同じ手順で作る場面が登場する。


初見時にあまりにも母レシピと似通っていてびっくりしたな。もう母が亡くなった後だったから、思わず仏前に「お母さんのさば味噌、佳代子さんと同じだよ!」ってコミックスを供えて報告したわ。

佳代子さんいわく、「コツはその日買ったさばをその日のうちに調理するだけ!」とのこと。確かにぴかぴかのさばさえ使えば、生臭さはほとんど気にならなくなります。お手軽にさば味噌食べたい時はおすすめです。

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