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たけのこごはん

今夜の晩ごはん、たけのこごはん。たけのこは外皮を2枚くらい剥いて水洗いし、穂先を斜めに切り落とし、さらに縦方向に1本浅く切りこみを入れる。所有している中でもいちばん大きな鍋に、たけのこと米ぬか、鷹の爪、たっぷりの水を入れて火にかけ、沸騰したら吹き零れないように弱火にして、たけのこの根元に箸がすっと刺さる程度の固さになるまで煮る。掘りたてなら一時間弱、スーパーで買ったやつなら一時間から一時間半、立派なやつなら二時間くらいが目安……ですがあくまで目安なので、時々箸でつついて様子を見てください。自分はちょいと固めが好きなので、箸が根元にちょっと抵抗あるけどまあ刺さる、くらいのところで火を止めます。

火を止めたらそのまま半日くらい放置して冷まし、切り込みから皮を剥いて水洗いし、根元あたりのイボイボをこそげ落とす。すぐに使わない時は、たっぷりの水(たけのこの全身が浸かるくらい)に沈めて冷蔵保存しておく。冷蔵庫では、毎日水を取り替えて一週間くらいは保存できるそうな。


この茹でたけのこを1センチ角くらいの薄切りにし、同じ大きさに切った油揚げと合わせておく。白米をとぎ、白だしとお酒で味つけした水を炊飯器の指示量加えて、その上にたけのこと油揚げを載せて炊く。炊き上がったらてっぺんに紫蘇の実漬けを添えてできあがり。


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昨年までは、下茹でしたたけのこと油揚げを白だしとお酒で軽く煮てから白米に載せて炊いていた。でも先日メスティンでたけのこごはんを炊いた時、その手間を省いてもおいしくできたことに味をしめためんどく星人。今回は炊飯器に直接調味料をぶっこんで炊いてみました。


今回は油揚げを使ったせいか、メスティンの時よりもさっぱり味に仕上がった。炊き込みごはんとしてはちょっと薄味すぎたかもしれないけれど、その分たけのこの味や香りがぐっと存在感を増して感じられるので、これはこれでおいしい!木の芽の代わりに載せた紫蘇の実の塩っけもよく似合っている。生から茹でたたけのこって、ほどよくえぐみが残ってくれていて、やっぱりおいしいなー。

たけのこごはんが昨年までよりあっさり風味に仕上がることを見越して、おかずは濃いめ系のものを並べてみた。


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以前も記事にした鶏手羽元のお酢煮(今回はうずらたまごと絹さやも追加)、にんじんしりしり、ほうれん草のおひたし。汁物はあさりと小ねぎのすまし汁。こういう一汁三菜の晩ごはんをととのえると、己が非常にまめまめしく、かつていねいな暮らしぶりの人間のような錯覚に陥ることができ、大層よい気分になれます。むふふ。

あっさり炊き込みごはんに甘辛い系のおかずってのは、定番だけど間違いない組み合わせですな。満腹満足、ごちそうさまでした。


たけのこの下処理は、自分でやってみるまでは非常に手間がかかりそうな、つまりはめんどく星人には無縁の作業かと思っていたのだけれど、数年前に初めてトライしてみたら意外とそうでもないことが分かったので、以降毎年この時期になるとせっせとたけのこ料理に励むことにしている。と言っても、せいぜい炊き込みごはんにしたり、青椒肉絲にしたり、メンマにしたり(これがいちばん多い)する程度ですが……。なので5月になると、毎週たけのこを買いに地元直売所に通います。5月の休みはほぼほぼ、台所でたけのこと対峙することに費やしています。

そんなにたけのこが好きなのかというと、そうでもない。いや好きは好きです、おいしいし。でもブロッコリーや枝豆に比べると、たけのこへの愛情はかなりマイルドなものだという自覚がある。ブロッコリーみたいに、自分の墓所に記念樹的なものとして植えたいとか、そこまでの劣情に身を焦がしたりはしていない。

じゃあなぜ毎週末たけのこを買ってきてしまうのかというと、やはりこいつが季節限定ものだからだろう。今は大抵の野菜が1年を通して手に入るけれど、生のたけのこってのはこの季節でないと味わえないもんな。「今食べておかないと来年まで食べられない……!」という食い意地が、週末ごとに直売所へと私を運んでゆくのです。あと、茹で上がったたけのこの外皮を一枚一枚メリメリと剥いていく感触を少しでも多く味わいたいってのもあります。あのひとときを一言で表現するなら、恍惚ですね。


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