【パイオニア】エリア予選とバントロータス【サンダー・ジャンクション】
■前書き
こんにちは、若みどりと申します。
お馴染みでない方に自己紹介すると、普段は【ロータスコンボ】を回しているだけの人です。
昨年の「THE LAST SUN」では、TOP8に入ったりしました。
早速ですが、今期のエリア予選を突破することが出来ました!
備忘録的に、「ブルームバロウ」発売前のパイオニア環境や、使用したデッキ、エリア予選の内容について書き残しておこうと思います。
(というか、今って一応「サンダー・ジャンクション」環境だったんですね。特殊セット出過ぎてて全く覚えてませんでした。)
■メタゲーム
2024/7現在、パイオニア環境はこの3デッキに支配されています。
【ラクドス吸血鬼】
【イゼットフェニックス】
【アマリアコンボ】
これらを頂点として、その下には
【白日ニヴ】 ⇒ 【ラクドス吸血鬼】【アマリアコンボ】へのカウンター
【緑信心】 ⇒ 【ラクドス吸血鬼】【白日ニヴ】へのカウンター
【青白コントロール】 ⇒ 【アマリアコンボ】【白日ニヴ】【緑信心】へのカウンター
といったアーキタイプが存在します。
その週のメタゲームによって立ち位置が上下するデッキですね。
【イゼットフェニックス】は、どのデッキに対してもそれなりに戦えるものの圧倒的な有利を取りづらく、《ドロスの魔神/Archfiend of the Dross》といった「採用されていると厳しくなる」系アンチカードが存在します。
そんな中、【ロータスコンボ】の活路はどこにあるのかというと、青系デッキ、【アマリア】、【緑信心】を狙います。
■バントロータスの勃興
【ラクドス】すら《傲慢な血王、ソリン/Sorin, Imperious Bloodlord》&《血管切り裂き魔/Vein Ripper》という2枚コンボを揃える大コンボ時代。
対戦相手への干渉手段を持たない【ロータスコンボ】への風当たりは厳しく、ついに「色を足す」という暴挙に出ました。
白マナを足してバント型となった理由は、ズバリ《厳しい試験官/Strict Proctor》。
このカードの真価は、
「相手の妨害と自分の加速を両立」
「《睡蓮の原野/Lotus Field》と組み合わせてマナ加速するカードとして、《演劇の舞台/Thespian's Stage》の5〜8枚目になる」という点。
【アマリアコンボ】や【緑信心】は、《厳しい試験官/Strict Proctor》を置くと大きく減速する上に、除去もありません。
コンボ速度対決においてこの差は非常に大きく、相性すら傾けるほどのキラーカードなのです。
更にコンボパーツとして見ると《演劇の舞台/Thespian's Stage》の亜種にあたるので、ハンデスに多少強くなります。
メリットは大きいですが、もちろんデメリットもあります。
マナベースにかかる負荷が非常に大きく、《マナの合流点》によるライフペイと合わせてデッキが歪みます。
実際のデッキリストがこちら。
■デッキリスト
■マナベース
もともと《睡蓮の原野/Lotus Field》と《演劇の舞台/Thespian's Stage》はマナベースに数えられないので、土地26枚と言いつつ色マナソースは18枚しか入っていない計算になります。
それを3色にすると、どうしてもマナベースが歪んで《マナの合流点》まで入ってくるわけですね。
今回気をつけたのは下記の点です。
・緑マナしか出ない土地を出来るだけ減らす
白マナ、青マナにかかる負担を軽減するために、《ハイドラの巣/Lair of the Hydra》、《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures》、《バーラ・ゲドの復活/Bala Ged Recovery》といった単色土地を削りました。
・タップイン土地枚数の調整
《スパーラの本部/Spara's Headquarters》を4枚採用する都合、タップイン枚数が気になります。
特に《大ドルイドの魔除け/Archdruid's Charm》を3ターン目に撃てるかどうかが重要となるシーンもありますし、そもそもタップイン2連続は許容出来ません。
前項で《バーラ・ゲドの復活/Bala Ged Recovery》を削減したのはアンタップイン枚数の確保も兼ねています。
・《演劇の舞台/Thespian's Stage》の枚数
3枚の構築もありますが、【青白コントロール】や【イゼットフェニックス】、【ラクドス吸血鬼】を意識して4枚にしました。
これらのマッチアップでは《厳しい試験官/Strict Proctor》をサイドアウトするため、《演劇の舞台/Thespian's Stage》を必ず引きたいためです。
「土地27」「サイドに《演劇の舞台/Thespian's Stage》」など、試したい構築はまだまだありそう。
■《大ドルイドの魔除け》について
最強にして最難の新規カードです。
・《睡蓮の原野/Lotus Field》どころかあらゆる土地をサーチし、場に出す
・クリーチャーもサーチ可能
・ついでにアーティファクト、エンチャントを追放
・永続的+1修正&一方格闘でヘイトベアにまで干渉
強すぎて納得のトリプルシンボルです。しかもインスタント。神に感謝。
絶対に使いたい能力と重すぎるマナコストによって、登場以降、このカードをどう活用するかに頭を悩ませ続けた半年間でした。
GGGが必要ということは、「3ターン目に3土地から《睡蓮の原野/Lotus Field》か《演劇の舞台/Thespian's Stage》をサーチ」「4ターン目にコピー」という動きをするために、通常のコンボルートよりも土地を1枚多く要求されます。
(《大ドルイドの魔除け/Archdruid's Charm》を考慮しない場合、「土地・土地・《睡蓮の原野/Lotus Field》・《演劇の舞台/Thespian's Stage》」の4枚あれば足りているため。)
この差は意外と大きく、土地サーチとして考えると、マリガンや《樹上の草食獣/Arboreal Grazer》との噛み合わせが悪いです。
土地・土地・《睡蓮の原野/Lotus Field》から、4ターン目に《大ドルイドの魔除け/Archdruid's Charm》で《演劇の舞台/Thespian's Stage》を持ってくると、コピーが完了するのは5ターン目となってしまいます。
一方で、《厳しい試験官/Strict Proctor》との相性は非常に良いです。
2ターン目《厳しい試験官/Strict Proctor》から3ターン目《大ドルイドの魔除け/Archdruid's Charm》と動けば、次のターンには6マナが確定します。
これは《演劇の舞台/Thespian's Stage》無しでも《出現の根本原理/Emergent Ultimatum》を唱えられるほどのマナの量です。
対戦相手によっては土地を揃えることよりも優先して、3ターン目に《大ドルイドの魔除け/Archdruid's Charm》で《厳しい試験官/Strict Proctor》を持って来ることも。
土地サーチとして活用しなかった場合でも、最終的には《溺神の信奉者、リーア/Lier, Disciple of the Drowned》や《願いのフェイ/Fae of Wishes》に繋がるので、《全知/Omniscience》との相性も最高。
■個別のカードについて
《衝動/Impulse》
0枚はやめた方がいいです。バント型でも2〜3枚は必要。
2ターン目に使わずとも、4ターン目やコンボターンに唱えることはよくあります。
《願いのフェイ/Fae of Wishes》
「《大ドルイドの魔除け/Archdruid's Charm》でからサーチ出来る勝ち手段」として、完全に必須カードとなりました。
もしも抜くのであれば、あわせて《大ドルイドの魔除け/Archdruid's Charm》も減らすべき。
逆説的に、《漂流自我/Unmoored Ego》や《石の脳/The Stone Brain》に決め打ちで狙われやすいと言えます。勝ち手段を複数搭載しましょう。
《厳しい試験官/Strict Proctor》
【アマリアコンボ】【緑信心】【白日ニヴ】などの誘発型能力を妨害しまくる恐るべきメタカード。
【白単人間】の攻め手を封じ、【スピリット】には飛行でガッチリガードしてくれて、赤くないアグロには非常に強力。
赤いアグロには、お察しください。
能力の性質上、《樹上の草食獣》と組み合わせるのは微妙です。
《闇の誓願/Dark Petition》
バントロータスでは必要と考えています。
シミック型よりもマナが伸びやすいので、単に《出現の根本原理/Emergent Ultimatum》の枚数を増やすよりもリターンが大きいです。
《深淵への覗き込み/Peer into the Abyss》
今回は勝ち手段としての採用です。
《夢を引き裂く者、アショク/Ashiok, Dream Render》が居ても使えますし、《来世の警告/Behold the Beyond》と違ってソフトカウンターを避けやすい点は明確なメリット。
苦手な本体火力や《黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypse》はかなり減っていて、オススメです。
《旅するサテュロス/Voyaging Satyr》
除去されなければ宇宙一のマナ加速。ミラーや緑信心を考えて採用しました。
3ターン目《大ドルイドの魔除け/Archdruid's Charm》からコンボスタート可能な唯一のカード。
《厚かましい借り手/Brazen Borrower》
これもまた《大ドルイドの魔除け/Archdruid's Charm》によって生まれた選択肢ですが、バント型は青マナの問題で使い辛く不採用。
シミックならマストの一枚。
《魂の仕切り/Soul Partition》
実質的には白いバウンス。
《失せろ/Get Lost》では《減衰球/Damping Sphere》に触れないので、こちらが優先です。
マナベース的に青いバウンスが使えないのでやむを得ずの採用ですが、使い心地は抜群でした。
自分のカードは重くならないのが良いですね。
《一時的封鎖/Temporary Lockdown》
バントだと、《睡蓮の原野/Lotus Field》の有無にかかわらず3ターン目に使えるのが良いところですね。
【アマリアコンボ】にはインスタントタイミングで割られるリスクがあるので、あまり入れません。
最近は【イゼットフェニックス】にもサイドインしてます。
《至高の評決/Supreme Verdict》
【イゼットフェニックス】用に1枚入れたいところなんですが、実際には4ターン目に青マナが出なくてダメでした。
今存在する中で、このカード以外の4マナ全体除去はデメリットが重く、論ずるに値しないと考えています。
逆に5マナ域の選択肢は粒揃いです。
《太陽降下/Sunfall》は【ラクドス吸血鬼】に、《死人に口無し/Deadly Cover-Up》は【アマリアコンボ】に有効なので、採用するならこちらが優先かと。
今度来る《神の怒り/Wrath of God》は、もしかしたら使うかもな〜くらいです。
《否認/Negate》
今まで試してなかったんですが、結構強かったです。
【緑信心】の《石の脳/The Stone Brain》を弾くためのカードですが、それ以外のデッキにもまあまあ。
《神秘の論争/Mystical Dispute》
バント型ではトライオームがタップインなので、非常に使いにくくなっています。
それでも【イゼットフェニックス】用のサイドがもう一枚欲しかったので採用。
《呪文貫き/Spell Pierce》に追いつけるのはお前だけだ。
《ナーセットの逆転/Narset's Reversal》
青青は出ません。
《沈黙/Silence》
バント型は普通に白マナが出せるので最強です。
【白日ニヴ】の《白日の下に/Bring to Light》をカウンターできる役割を重視して採用。
《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher》
ビッグスコアから彗星のように現れたナイスサイド。
【イゼットフェニックス】確殺、その他サイドからちょっとカウンター入れてくる系のデッキはまず抵抗出来ません。
【青白コントロール】にはやや弱いですが、《三歩先/Three Steps Ahead》を引き出せれば十二分に仕事をしているでしょう。
《龍王ドロモカ/Dragonlord Dromoka》との差異は、
・マナコスト
・《霊気の疾風/Aether Gust》に当たらない
・確定カウンター及び《方程式の改変/Change the Equation》に当たる
採用理由としてはマナコストが最も大きく、軽さは仕掛け回数に直結します。
《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher》+《熟読/Pore Over the Pages》の7マナで【イゼットフェニックス】を沈められるというのはあまりにも強力です。
君も苦し紛れに《神秘の論争/Mystical Dispute》を3マナで《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher》へ打ち込む【イゼットフェニックス】を見てみないか!
《龍王ドロモカ/Dragonlord Dromoka》
などと上では言っておりますが、【青白コントロール】が厳しい場合は素直にこちらを使ってください。
【白日ニヴ】の存在感にもよりますが、《沈黙》の枠を差し替えて、クリーチャーに寄せてもいいのかも。
《神聖の力線/Leyline of Sanctity》
仕方なしの必要悪。
【ラクドス吸血鬼】や【無駄省き】には、これくらいしないと勝てません。
《傲慢な血王、ソリン/Sorin, Imperious Bloodlord》《血管切り裂き魔/Vein Ripper》《絶望招来/Invoke Despair》なども弾くので、手札だけではなくライフも守ってくれます。
《原初の災厄、ザカマ/Zacama, Primal Calamity》
【アマリアコンボ】や【白単人間】が《傑士の神、レーデイン/Reidane, God of the Worthy》を採用しているのでまだまだ現役。
《大ドルイドの魔除け/Archdruid's Charm》からサーチ出来るので、1枚あればオッケー。
■エリア予選
結局3回目で抜けました。
エリア予選にはほとんど出たことが無くて、独特の緊張感にはなかなか慣れません。
①晴れる屋TC:5-3
1 バードクラス×
2 イゼットフェニックス⚪︎
3 バントロータス⚪︎
4 五色ニヴ⚪︎
5 ラクドスミッドレンジ⚪︎
6 緑信心×
7 五色ニヴ⚪︎
8 イゼットフェニックス×
最後のバブルマッチ【イゼットフェニックス】戦を、とんでもないミスで落としました。
こちらのエンド時に相手がドロソを使用してフルタップになった際、《大ドルイドの魔除け/Archdruid's Charm》で《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher》をサーチすれば勝っていたにもかかわらずスルーしてしまい、《呪文貫き/Spell Pierce》3枚+《否認/Negate》のカウンター4枚が直撃して放心。
変なリスクを追わず、素直に勝ちパターンを狙えば良かった。
②バトロコ柏:1-2
1 ボロスヒロイック×
2 白日ニヴ⚪︎
3 白単人間×
先手なら勝っていたゲームを後手で落としまくり、即死でした。
③カードBOX矢向★:5-0-2 権利獲得
最後の【青白コントロール】戦では、《成就/Granted》で《三歩先/Three Steps Ahead》を釣り出して勝利。
かなりギリギリの戦いでした。
やはりバント型でコントロールの相手をするのは少し厳しいですね。
■おわりに
これにて今期のパイオニアは終了となります。
チャンピオンズカップファイナルは10月開催ですので、また近づいたタイミングで戻ってきます。
来週は「ブルームバロウ」が発売され、本戦の頃にはどんな環境になっているか楽しみです。
これから始まるモダンシーズンでは、【ルビーストーム】を使用する予定です。
先日のモダンチャレンジで準優勝出来たので、せっかくだし記事にしようか考えています。
記事についてご質問・不明点があれば、X(Twitter)もしくはマシュマロにてご連絡いただければ回答します。
MTGをプレイする中でもしお会いできましたら、お気軽に声をかけてください。
長々とお読みいただきまして、ありがとうございました。
■マッチアップ考察
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