令和4年初場所 三段目の見どころ
上位は実力伯仲
飛び抜けた存在を欠き、これといった名前は挙げづらいが、地力の上では幕下経験の長い隠岐の富士(八角・33歳・東5枚目)、小城ノ浜(出羽海・27歳・西10枚目)、海士の島(八角・29歳・西11枚目)、若手では勘が冴え始めると勝ちを重ねそうな浪満(立浪・20歳・西6)、先場所入門以来初めて負け越し、捲土重来を期す長内(高砂・22歳・東19)あたりが勝ち上がるかどうか。
先場所右手親指の怪我で全休した吉井(時津風・18歳・東21)も、怪我の光明とばかり、家賃の軽い番付で押して前に出る相撲が取れるようなら大勝の可能性は十分だ。
その吉井と同期同学年で、初めて番付上位に立った大飛翔(追手風・18歳・西2)、地力・体力とも急上昇中の丹治(荒汐・18歳・東8)も垂涎の好素材。新幕下目前の番付で活気ある土俵を展開してもらいたい。
デビュー2場所目の勝呂は勝ち進めるか?
中位では、先場所三段目最下位格付出でデビューし、6勝をあげた勝呂(藤島・24歳・西39)を誰が止めるか。かつて三段目格付出デビューの深井(高砂)に土をつけた琴ノ藤(佐渡ヶ嶽・19歳・西41)もいるが、一発あるとすれば変則相撲の勝誠(境川・35歳・東37)や満津田(芝田山・27歳・西37)か。
最高位幕下14枚目ながら、体調の問題か、すっかり元気をなくしてしまった北勝輝(八角・28歳・西43枚目)も、復調次第では当然有力候補の一人となりうるが・・・同じく幕下上位経験者、首の怪我などが癒えず先場所は中位で負け越した北勝川(八角・27歳・東46)も、まだ復帰過程と見るべきだろう。
その他、優勝争いに絡んでくるとすれば、木竜皇(立浪・19歳・西48)、西太司(入間川・27歳・東52)、宮城(尾車・22歳・東59)あたりか。先場所序二段優勝の優力勝(常盤山・20歳・西61)も、最高位(西55)近辺での活躍が期待される。
再起を目指す実力者がズラリ
激戦区と化しているのが下位の番付(70枚目以降)。
休場明けの幕下経験者、大元(入間川・29歳・東70)、千代の勝(九重・27歳・東86)、丸勝(鳴戸・21歳・東87)に加え、同じく幕下経験&怪我での休場があり、復帰2場所目の千代大豪(九重・23歳・西73)、鳥取城北高出身で昨年夏初土俵&先場所は千代大豪に敗れた1敗のみの向中野(宮城野・19歳・西81)、昨年秋序ノ口優勝で今場所新三段目の瀬戸の海(高田川・17歳・西78)など若手・ベテラン入り乱れて楽しみな力士が揃っている。
また、優勝争いや目先の勝敗とは別に楽しみなのが16歳の新三段目・隆翔生(常盤山・西95)。体格的にも均整が取れており、3~5年先の発展が待ち遠しい。