タイトル作者【ヤマ】タイトル【最強のコック「よしみつ」:キッチンなら負けない】

・タイトル作者【ヤマ】
・タイトル【最強のコック「よしみつ」:キッチンなら負けない】


・番号【1】・文章作者【ペグ】

俺は千葉県一の最強コック、よしみつ。どんな千葉県民も俺が作る料理で黙らせてきた。

中でも伝家の宝刀「よっちゃんラーメン」は千葉県一最強料理としてギネスブックに登録されている。

この「よっちゃんラーメン」だが、ただの料理人には作ることが不可能な所がポイントだ。このラーメンは“走り屋”でなければ作ることができない。

毎朝俺は茹でたてのラーメンが入った業務用鍋を車の後部座席に積み、特殊装置にセットして山に向かって走り出す。
時速120キロで峠を攻める。その際の揺れで麺に絶妙なコシを与えることが可能なのだ。

毎朝の仕込みにこの峠攻めは欠かせない。そんなある日、いつもの峠で珍しく俺の前を走る車に出くわした。
ここ数年で初めての事態だ。車体に見覚えもない。あの車は一体?

・番号【2】・文章作者【なかとー】

よしみつは挨拶がてら、その車を軽く抜き去る。白と黒の車体はまるでパンダのようだった。

「うちの店員じゃないな。麺屋あまやどりかラーメンどどめのやつらか?」

すると、お返しにと言わんばかりに、後ろから先程の車が猛追してくる。

「上等じゃねえか!コーナー2個も抜けりゃバックミラーから消してやるぜ!!」

よしみつの意気込みとは裏腹に、白黒の車はみるみる詰め寄ってくる。

「くそったれがあ!俺は千葉最強コック、よっちゃんラーメンのよしみつだぞ!!」

瞬間、見事なドリフトで呆気なくよしみつは抜かれてしまう。

「か…慣性ドリフト!?」

・番号【3】・文章作者【きくぞう】

その時だった。突然暴走トラックが彼らの元に突っ込んできた!!

「ウギャー」

よしみつを始めとし「麺屋あまやどり」「どどめラーメン」をも巻き込み、ついでに「一麺入魂、カジキラーメン」も踏み潰した暴走トラックは散々にドリフトをかましながら暴れまわった。

「ウギャー」

死屍累々の中、奇跡的に生き残ったよしみつは、朦朧とした状態で暴走トラックから降りてきた人物を見ていた。

「お、お前はいったい…」

グイッとよしみつを引き寄せ、ニヤリと不敵な笑みを浮かべると、女は言った。

「ラーメン大盛り野菜マシマシニンニク抜きで」

・番号【4】・文章作者【ヤマ】

「ラーメン大盛り野菜マシマシニンニク抜きぃ!?」

よしみつは驚いた。
ニンニクはあったほうがいいだろう?
普通入れるよな?むしろニンニクマシでは?

そんなことを考えていると女は言った。

「材料も道具も全部用意してあるわ。
ほら、早く作ってみてよ。」

女の乗ってきたトラックがおもむろに開いた。中にはおよそトラックとは思えない豪華な設備が整っていた。

これなら…できる…!

よしみつはいつもの鉢巻を締めトラックの荷台へ上がった。

コンロに火を着ける。
が着かない。

おかしいなと思いながらも何度か試してみる。
やはり着かない。

不思議がっていると後ろから女が言った。

「着かないのは当然じゃない。ガスが通ってないんだもの。危ないからガスボンベは載せてないわ。自分で用意してね。」

よしみつの顔が強張る。

「え?もしかしてガスも用意しないとダメなの?それくらい自分のがあるじゃない。それを使ってよ。」

よしみつの頭にうっすらと青筋が浮かんだように見えた。

「できらぁ!」

よしみつが叫ぶと倒壊した瓦礫の中からガスボンベを取り出しガスを繋いだ。

さぁ!見返してやるぜ!
この一杯でな!!

まず、豚、鶏の骨を寸胴に入れ火にかける。この時に玉ねぎはネギ、生姜も入れましょう。

沸騰してきたら灰汁をとりながら、しばらく火にかけます。

もう一つの寸胴に水を貼り昆布を入れて火にかけ沸騰直前で取り出す。その後鰹節を入れて沸騰したら違う寸胴に漉して入れる。

よしみつはとてもテキパキと調理を進める。さすがよしみつ。

ラーメンスープは出来上がるまでが時間がかかる。

すると女が言った。

「スープが出来上がるまでコイツと遊んでなさい。」

女が指を鳴らすとトラックの助手席から男が降りてきた!

・番号【5】・文章作者【ペグ】

「あれ?てちゅろんさん!?」

トラックから大柄の男性がやってきて、目を丸くしてよしみつを見つめる。よしみつは頭を傾げた。

「てちゅろん?僕はよしみつですけど…」

「え!違うの!?ソックリじゃん!絶対血繋がってるよ!それくらい似てる。ごめんごめん、俺はきくぞうと言います。初めまして。何してるのぉ?」

「そこに居る女性の要望に応えて、ラーメンを作ろうとしています」

「ラーメン!?」

きくぞうは目を光らせよだれを垂らした。

「あ、きくぞうさんラーメンお好きなんですか?じゃあもう少ししたら出来るので楽しみに…」

よしみつが笑顔でコミュニケーションを取っていると、けたたましいサイレン音が響き渡った。

「警察です!糖質警察です!!」

きくぞうは血の気が低いた表情で後退りする。

「ま、まずい!アキラさんが来た!!!」

パトカーからそのアキラと思われる警官が出てくる。

「きくぞう、おまえ更生するって約束はどうした!?またムショ行きだぞ!?」

きくぞうは涙ながらに訴える。

「勘弁してください!そもそも俺、まだ食ってません!無罪です!!!」

「まだ?????食おうと思ってたってことか!?!?」

「ひいいいいい!!!!違います違います!!!!食べませんて!食べた所で見てくださいこれ、野菜だらけじゃないっすか!ほら、こんなの実質野菜サラダですよ。ラーメンなんかじゃぁありませんよ」

「おまえ食べる気だろ?」

アキラ警官が睨みをきかせ、きくぞうに向かって銃を構える。

「ひいいいいいい!!!!!お助けを〜!!!!!」

銃声と同時にきくぞうが軽やかに避けると、弾がトラックに直撃した。

ドカアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!

爆音と共にトラックが吹き飛び、炎で当たりが包まれる。

きくぞうは大声で叫んだ。

「オヤジイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!!!」

・番号【6】・文章作者【なかとー】

きくぞー「せめて、せめて一口くらい食べてからでも良かったじゃないか…良かったじゃないかあああああ!!!!」

きくぞー「ちくしょう…ちくしょー!!!アキラああああ!!お前はいったい何人の生命(いのち)を俺のカロリー制限のために奪っていった!!!」

アキラ「おまえは今まで食ったラーメンの数を覚えているのか?」

きくぞー「…ッ!(覚えているが、ここで答えてしまうと昨日食べたのがバレてしまうッ!)」

アキラ「んッ!?こいつはくせえッー!ニンニクマシマシのにおいがプンプンするぜッー!」

きくぞー「(やばいッー)オラァ!この蹴りは、よしみつのぶんだ!そしてこれも、よしみつのぶんだ!そして、次のもよしみつのぶんだ、その次の次のも、その次の次の次のも、その次の次の次の次のも、よしみつのぶんだあああーッ!これもこれもこれもこれもこれもこれもこれもこれもこれもっ!」

きくぞー「スゥ〜〜。ハァ〜〜〜〜。」

きくぞー「スゲーッ爽やかな気分だぜ。 新しいパンツをはいたばかりの 正月元旦の朝のよーによォ~~~ッ」

・番号【7】・文章作者【きくぞう】

その時だった。突然暴走トラックが彼らの元に突っ込んできた!!

「ウギャー」

あきらを始めとし、きくぞう、よしみつを巻き込み、ついでにカジキをも踏み潰した暴走トラックは散々にドリフトをかましながら暴れまわった。

「ウギャー」

死屍累々の中、奇跡的に生き残ったよしみつは、朦朧とした状態で暴走トラックから降りてきた人物を見ていた。

「お、お前はいったい…」

トラックから降りた女はグイッとよしみつを引き寄せ、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。

「生協番号107111チキンステーキ、よろしく」

・番号【8】・文章作者【ヤマ】

「その番号は関東の生協では使えません」

よしみつは事務的な声で言った。

生協番号を伝えた女、ワクが狼狽える。
「そんな!?」

「でも、チキンステーキなら用意しましょう。」

よしみつが自身ありげに答える。

「ちょっと待ったー!ボクも参加しますよ!」

突然トラックの上に人影が現れた!

「お前は…どどめ!?あの時トラックに轢かれたハズでは…!?」

よしみつが叫ぶ

「いやだなぁ、ボクがそう簡単にやられるわけないじゃないですかぁ。」

どどめはあっけらかんとしている。

「ところで、チキンステーキでしたよね。今回はボクも参加させてもらいますよ。」

突然どどめも参加する事になり若干、ビストロS◯APのような感じになってきた。

突如現れたなかとーが叫ぶ。

「オーダー!チキンステーキ!」

オーダーと共によしみつ、どどめ共に動き出す。

テキパキと作業を進める2人。

もう少しで出来上がるだろうタイミングで遠くからけたたましい音と共に野郎の集まりがバイクで向かってきた!

「俺は黒崎優斗親衛隊!リーダーのバザリだ!そこのお前たち!美味そうなモン作ってるじゃねえか。いただいていくぜ?」

黒崎優斗親衛隊が突然現れ料理を奪おうとしてきた!

「料理は囲むものであって奪うものではありませんよ」

奪おうとした料理をひらりと奪い返しよしみつはそう言い放った。

「なんだと?うるせえ!よこせ!」

テレレレレレレ、テッテッテテテテッテ(ポケモンバトルBGM)

くろさきゆうとしんえいたいのバザリがおそいかかってきた!

「なめやがって!」

バザリのタックル!

よしみつにはいまひとつのようだ。

よしみつのカウンター!

こうかはばつぐんだ!

バザリはたおれた!

「てめえ!よくも!」

しんえいたいがあらわれた!

よしみつのスピードスター!

きゅうしょにあたった!

しんえいたいはたおれた!

くろさきゆうとしんえいたいとのしょうぶにかった!

よしみつは108円てにいれた。

「覚えてろよ!」
とありきたりな捨て台詞を残して親衛隊は逃げていった。

逃げる親衛隊を遠目によしみつが呟いた。

「キッチンなら負けない」

冷めてしまったチキンステーキを温め直しワクへ差し出す。

「チキンステーキのシャリアピンソースです」

ワクはよしみつを見て一言

「遅すぎで失格です。どどめさんの勝ちですね。」

「えっ…!?」

どどめが申し訳なさそうにこちらを見る。

「いやぁすいません。よしみつさんの勇姿を見ながらワクさんに堪能していただきました。」

よしみつは目の前が真っ黒になった…

よしみつは所持金10711円奪われた。

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