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聖書タイム2021年3月:「疲れている人への処方箋」

text by 山形優子フットマン

山形優子フットマンの執筆・翻訳
クリスチャン新聞福音版に「こころの食卓」連載中
いのちのことば社」翻訳本:
マイケル・チャン勝利の秘訣」マイク・ヨーキー著
コロナウィルス禍の世界で、神はどこにいるのか」ジョン・C・レノックス著

あなたは知らないのか、聞いたことはないのか。
主は、とこしえにいます神
地の果てに及ぶすべてのものの造り主。
倦(う)むことなく、疲れることなく
その英知は究めがたい。
疲れた者に力を与え
勢いを失っている者に大きな力を与えられる。
若者も倦み、疲れ、勇士もつまずき倒れようが
主に望みをおく人は新たな力を得
鷲のように翼を張って上る。
走っても弱ることなく、歩いても疲れない。
(イザヤ書40章28ー31節)

世界中が「コロナ疲れ」の今日この頃、いかがお過ごしですか? 自宅勤務で成果を上げねばならず、加えて子供達のにわか教師も強いられ、孤軍奮闘の場面も増え、疲れていませんか? そんな時の特効薬とも言えるのが冒頭の聖句、旧約聖書イザヤ書40章からの抜粋です。ローマ帝国の基礎が作られつつあり、古代ギリシャではオリンピックが既に開催になっていた時代、イザヤは紀元前約750年ごろから南ユダ王国で活躍した神の預言者でした。

彼は語ります。「主は、とこしえにいます神、地の果てに及ぶすべてのものの造り主。倦むことなく、疲れることなくその英知は究めがたい」と。主という言葉をイエス・キリストに置き換えてみましょう。「倦むことなく」とは気が散ったり緩んだりすることがないという意味です。つまりキリストは集中力と不滅のエネルギーと知恵の宝庫、すべての命の源であると示唆しています。「その英知は究めがたい」とは、科学でも解明できないことがあるということでしょうか。

ところで、みなさんは疲れた時はどうしますか? お風呂に入ったり、寝たり、ランニングしたり? 世の中が回っていた頃は、疲れた自分に、ご褒美エステやスパ、癒し系プロダクトを試してみたり….? さてイザヤの処方箋とは、「キリストのところに行きなさい」です。そうすれば「疲れた者に力を与え、勢いを失っている者に大きな力を与えられる。若者も倦み、疲れ、勇士もつまずき倒れようが…」。つまり処方箋に従った人は、「体力や記憶力盛んな若い人たちが疲れて集中力散漫になり、古代ギリシャのオリンピアンたちや勇敢な戦士たちがバタバタ倒れるのを横目で見ることになる」と、効果のほどに太鼓判を押します。

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確かに人間が自分の知力や体力を過信できるのは一時的。順風満帆の渦中にいる若者や強者は、知らないうちに自分の力を誇り、思い上がり、自分の力を神にすり替え、「神はいない。神なんて信じない」と言い、自分の業績や小さな成功にご満悦です。しかし、それでだいじょうぶでしょうか? そのうちに、くたくたに疲れている孤独な自分に気づくのではないでしょうか。一方、イザヤは「主に望みをおく人は新たな力を得、鷲のように翼を張って上る。走っても弱ることなく、歩いても疲れない」と続けます。自力で飛ぼうと必死にバタバタ翼を動かさなくても、神の気流に乗れば、翼を張るだけで鷲のように上昇が可能というのです。これは最高の省エネ法、弱ることなく疲れないはず。

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この戦法は神風頼みとは異なります。鷲が気流に飛び込むように、あなたが確かな神の気流を求めて飛翔するには、あなたの勇気と決断とが肝心です。人は自分の信仰をバネに飛ぶのです。「うらやましい。自分も信仰をもてたらと思う」と、よく言われますが、「信仰がない」のは大問題ではありません。信仰は体験を通し身につくものだからです。一方「知らない神なので遠慮する」との言い分なら、よくわかります。その場合は、あなたの方から話しかけてみてください。「本当にいるの?」という問いかけでも、「助けて」との叫びでもだいじょうぶ。キリストは「私の目にあなたは値高く、貴く、私はあなたを愛す」(イザヤ43章4節)と常に語りかけていて、あなたからの応答を待っています。あなたの飛翔を加勢し、疲れ果てないよう守りたくてたまらない、あなたのために特別に豊かな大きな愛を用意しているのです。それを受けないのは本当にもったいない。人間は自分たちがスピリチュアルな存在に造られていることを忘れがち。体だけの癒しと気分転換だけでは不十分というもの。さあ、今日キリストに話しかけてみませんか?キリストは次のようにも語っています。

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「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。」(マタイによる福音書11章28節)
「渇いている人はだれでも、わたしのところに来て飲みなさい。わたしを信じる者は、聖書に書いてあるとおり、その人のうちから生きた水が川となって流れ出るようになる。」(ヨハネによる福音書7章37節)

イザヤは繰り返します。
「主に望みをおく人は新たな力を得
鷲のように翼を張って上る。
走っても弱ることなく、歩いても疲れない」と。