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聖書タイム2021年1月:「あなたを 『友』と呼ぶ神」

山形優子フットマンの執筆・翻訳
クリスチャン新聞福音版に「こころの食卓」連載中
いのちのことば社」翻訳本:
マイケル・チャン勝利の秘訣」マイク・ヨーキー著
コロナウィルス禍の世界で、神はどこにいるのか」ジョン・C・レノックス著

「主は羊飼い。わたしには何も欠けることがない。主はわたしを青草の原に休ませ 憩いの水のほとりに伴い 魂を生き返らせてくださる。主は御名にふさわしく わたしを正しい道に導かれる。死の陰の谷を行くときも わたしは災を恐れない。あなたがわたしと共にいてくださる。」詩篇23編

新しい年が明けました。あなたは何を思い古い年を振り返り、新年を迎えられましたか? 冒頭の旧約聖書詩篇23編は私の年頭聖句です。詩篇とはイスラエルの初代王ダビデをはじめ多くの人々が、紀元前1000年ごろから紀元前300年ごろまでに渡り、礼拝時の賛美用に書いた詩歌集で、全158編あります。この23編は特に有名で、多くの人々に愛されている箇所でもあります。

今年は丑年なのに羊の話になりますが、23編の作者ダビデ王が「主(神様)は羊飼い」と親しみを込めて詠んだのは、当時イスラエルの主な生業が羊飼いで、彼も少年時代は羊飼いだったから。危険をも犯して獣や泥棒から群れを守り、安全で豊かな緑の草地に群れを伴うこの仕事を、彼は熟知していました。次にダビデは「わたしには何も欠けることがない」と物質的にも精神的にも大満足な様相です。王様だったダビデは恵まれていたはずですが、その立場ゆえの悩みは深かったのです。が、絶大なる信頼を置く神との関係があったからこそ乏しいものがないと言えたのでしょう。

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さて昨年から続くパンデミックは年が変わっても変わり映えしません。そんな中、私たちの心の拠り所はどこに? お金? 医療? 政府の対策? ワクチンさえ普及すれば、社会はまた元どおりになるでしょうか? 医療、お金、政策等、どれも大切ですが、心の拠り所にはならないはず。ましてや、ロックダウンの孤独解消にはなりません。目に見える、この世のものだけを拠り所とするなら欠乏だらけ。人は渇望すると、ご利益(ごりやく)を求め願をかけます。つまり自分の利のために「神」を都合の良い時に適度に取り入れますが、それだけで欠乏は解消されるでしょうか? 

新年早々、恐縮ではありますが、詩篇23編は死を迎える人に牧師が読み語りする箇所としても有名です。昨年は誰もが「死の陰の谷」を垣間見たし、実際に体験した人もいました。また、愛する家族や友人を失った方も。死には誰も同行できませんが、ダビデは「死の陰の谷を行くときも災を恐れない」ほど、信頼できる神がいると綴ります。暗い谷を共に歩き、激励し、迷わないように伴う「羊飼い」とはイエス・キリストのことです。実は、この詩篇は勇気をもって今を生きるための激励の詩なのです。

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先行き不透明な新年は幕開けしました。霧中を手探りで歩く私たちには、共に歩いてくれる誠実な導き手が必要です。キリストは「あなたがたを友と呼ぶ」(ヨハネによる福音書15章15節)と語ります。紀元前にダビデ王が「緑の原に導いて憩わせてくださる」と証しした神は、2021年の今日、あなたの歩みに「友」として同行したいと言われます。その方の手をとって歩いてみませんか? 

「青草の原に休ませ 憩いの水のほとりに伴い 魂を生き返らせてくださる。主は御名にふさわしく わたしを正しい道に導かれる」

2021年が、あなたにとって豊かな年となりますように。