iDeCo(イデコ)のおすすめ商品・証券会社・メリット・デメリット
■iDeCoって?
毎月一定金額を積み立てて退職金の上乗せを行える制度。積み立てた資金は老後まで引き出せない上、毎月の手数料もかかる。ただし年末調整時に節税できるメリットがある。
■おすすめ商品
信託報酬が安いeMAXIS Slimシリーズがオススメ。中でも「全世界株式(オール・カントリー)」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は人気が高い。なお、この手の商品にしては珍しく定期預金など元本保証の商品もあるが、後述のコストやリスクがあるため、思い切ってリスクを取らないと収支がマイナスになる可能性がありオススメできない。
■証券会社
今のところ松井証券がeMAXIS Slimシリーズの扱いが多くてよい。iDeCo口座は証券口座とは別で独立しており、入金も銀行口座からの自動引落だけなので、証券会社に口座を作るのが初めての人でも安心だろう。証券口座をすでに持っている人でも使っている証券会社と同じにする必要はない。ちなみに銀行などの金融機関は手数料が高いので選んではいけない。
■メリット
老後に備えての資産形成が一番の主旨だが、とりあえず恩恵を得られるのは所得税と住民税の節税ができることだろう。例えば月2万円の年間24万円を積み立てる場合、所得税10%+住民税10%の計4.8万円の節税となる(所得税10%と仮定)。ただし年末調整で他に大きな控除(住宅ローン控除等)があって所得税が0円になってしまうと、それ以上節税できなくなる点には注意だ。
■デメリット
毎月の手数料(最低171円)が掛かることや老後まで引き出せないこと等色々あるが、最も重要なのは「受け取り時に課税される可能性がある」ことだ。早い話iDeCoは退職金の上乗せなので、退職金にかかる税金は当然iDeCo積み立て分にも影響することになる。
■退職金にかかる税金(課税リスク)
退職金は一時金でもらう際の「退職所得控除」が大きいのでこれを使って税金をゼロにするパターンが多いが、この退職所得控除の枠は、退職金とiDeCo分で共有なので枠の上限を超えてしまうと課税されてしまう(正確には違うが詳しくは「退職所得控除 19年ルール」で検索)。一言でいえば、退職金が多いと損することがあるということだ。一応、年金で受け取るというセカンドプランもあるが、そうなると雑所得扱いになり年金などの所得が多いと課税されるので、なかなかに調整が難しい。なので、基本は退職所得控除が効くギリギリまで一時金でもらって、余りを年金で受け取る方法がベターではある。ただ、そのとき法制度がどうなっているか予測不可能であるし退職金の額も完全には分からないので、その時期が近づいてからどうするか決める形になる。今のところは「積み立てたお金が税金で目減りするリスクがある」くらいに思っておけば良い。
■積立金額
上記リスクを軽減するため、積立金額を低めに抑えておくのは一つの方法ではある。例えば若い頃は1万円程度で様子を見ておき、受取時期が見えてきた50代になってから金額を上げる等である。とはいえ、金額が多ければ多いほど年末調整の節税効果は上がるのでケースバイケースで判断すべきだろう。
■資産形成目的ならNISAの選択も
NISAは完全に非課税なので上記にあるような課税リスクは全くない(その代わり年末調整の節税はできない)。さらに毎月手数料が取られることもない。よりアグレッシブに資産形成をしたいならNISAを視野に入れるべきだろう。
本格的にやるのはちょっと…という人には変額保険で投資を始めてみる方法もある。これなら証券会社に口座を作ることなく資産形成できる。