ソニー生命「SOVANI」(変額個人年金)の紹介
■こういった人にお勧め
・投資を始めてみたいけど勉強したくない、or 勉強する時間がない人
・投資に以前挑戦したが失敗した人
■お勧めできない人
・リスクを取れない人(一時的に資金が減ることが我慢できない)
・投資リテラシーがあり、理性的に投資を行える人
■どういった保険か
月額3,000円を積み立てて老後に返ってくるという良くある年金保険、と見せかけて実はこの部分はおまけで、重要なのは月額とは別に一時金として自由に投資ができる仕組みである。
■一時金投資
月額積立分は老後まで引き出せないが、一時金の部分はある程度自由に出し入れ可能だ。例えば、資金に余裕ができたり株安になったタイミングで一気に入金したり、逆にお金が必要になったり株高になったタイミングで出金することができる。中身は、証券会社が扱っている投資信託と一緒であり、ソニー生命に手数料を払って代理購入してもらうイメージだ。
■証券会社で買わない理由
「手数料がかかるなら証券会社の方が安いのでは?」と思うかもしれないが、実はその通り。しかもNISAやiDeCoを活用して節税も行える。しかし、証券会社に口座を作るということは実は大きなリスクがある。それは、色んな金融商品に簡単にアクセスできてしまうことである。初心者がNISAのために口座を作ったものの、「金利〇〇%!」みたいな宣伝文句に騙されて、割の合わない金融商品に投資してしまうことはありがちだ。残念ながら、現在の証券会社や金融機関は顧客に対して不利な商品を勧めてくる傾向がある。つまりカモにされるということだ。なので、この保険はあえて投資の幅を制限することで、そういったリテラシー不足によるリスクを避けることができる。逆に言えば、投資を理解している人にはこの保険は不要である。投資経験がある方には、NISA枠でeMAXIS Slimのような運用コストが安い商品を積立するのをお勧めしたい。
■どういった運用が良いか
月額3,000円をベースとして、ボーナス支給などで資金に余裕ができたタイミングで一時金を入金するのがお勧めである。それも可能であれば「決まった時期に同じ金額を入金する」のが良い。本当は株価の変動に合わせて入出金をするのが良いが、そういった判断は難しいし、何より精神衛生上あまり良くない。例えば、30万円入金したあとで株価が暴落して10%下がって3万円減ったとしよう。自分の判断でその入金タイミングを決めた場合は精神的なダメージが大きいが、ただ単にボーナスのタイミングで入金した場合は、「運が悪かった」で済ませられる。少し暴論に思えるかもしれないが、長く投資を続けるには、そういう割り切り方が重要になってくる。もちろん、しっかり勉強した上で自己判断で投資をするのがベストではあるのだが、全員が全員そうは行かないものだ。だったら最初から割り切って、機械的に投資するのが良いと思う。
■どの種類を選ぶか
どの投資先を選ぶかがこの保険の難しいところだろう。十分にリスクを理解した上で慎重に選んで欲しい。ただ、これまでの運用成績を考えると「世界株式型」が最も成績が良い。その中でも信託報酬が安い「海外株式型MSP」をお勧めしておく。ただし上振れが大きい分、下振れも大きいことは付け加えておく。リスクが気になる場合はバランス型を選ぶと良い。
■加入方法
ソニー生命で申し込めるのだが、売り手として利益が出ない商品だからか積極的に売りたくない商品のようだ。なので、保険の相談窓口的なところで申し込むとよい。なお、加入時には投資に対するリスク許容度の質問事項がある。リスクが高い種類を選びたい場合は、それ相応の回答をしないと選べなくなるので注意だ。
■生命保険料控除
月額保険料分は、一般の生命保険料の控除として年末調整時に使える。8万円の上限まで使ってない場合は有効に使えるだろう。
■課税上の取り扱い(令和4年現在)
一時金の出金については、一時所得となり年間50万円の控除がある。月々の保険料については、雑所得となり年間20万円までは申告の必要なし(給与取得者のみ)。つまり一時金の方が課税上有利となる。よって保険料は最小限にして一時金をメインに使う方がよい。そして一時金を出金する際は利益分が年間50万円を超えないように調整すること。例えば利益が10%出ている場合は、550万円出金しても利益は50万円となり課税されない(正確にはもっと余裕があるが説明略)。証券会社だと所得税が課税されてしまう(NISA除く)ので、保険で投資を行うアドバンテージではある。ただし税制は常に変わるものなので、最新の情報はチェックすること。
■まとめ
この商品については紹介するべきか悩んでいた。投資を扱う商品を軽々しく勧めるものではないと思っているからだ。正直いってこの保険も運用コストが高いので、両手を振ってお勧めできるものではない。ただ社会情勢的に投資の重要度がこれから増してくる中、何もしないよりはこの保険を利用したほうが良いと思い、思い切って紹介させて頂いた。最初は一時金を入れずに月3,000円から始めてみるのも良いと思う。金融の世界は、知っている者が得をし知らない者が損をする世界。私はその一片しかまだ知らないが、何らかの方法で投資に触れておくことは悪くないと思う。