都心でオリエンテーリングは大人迷子の防止に役立つ!
3回の内訳は
今は子供が喜ぶ職業体験施設に化けた
豊洲にかつて存在した
石川島播磨重工業東京第一工場で
海上自衛隊の艦艇を進水式の直前から
完成まで
「ユーザー目線」でいちゃもんをつけて
改善案を探る「偽造員・偽装員・艤装員」という
職務です。
小官は豊洲での1年半の勤務が・・・
なぜか2回もあります。
海自でも変わり者です。
そして
市ヶ谷にある海自の主要な機関とは別の・・・
東京にある端っこのようなローカル部署
そこで3年弱
33年間のうち6年なので
20パーセント東京です。
艤装員とは
船のどんだけー☝ どんがらだけ※
を・・・使えるように最適解を考える
二種類の自衛官のうち片割れです。
二種類とは
①検査官
②艤装員
です。
①の検査官は現在なら防衛装備庁
昔は調達実施本部に属する陸海空の
技術系の自衛官が大半です。
当然ながら「財務省と会計検査院」の
強烈なご指導に沿うように
「予算通り・基本設計どおりに船や飛行機などを完成させる」
のが任務となります。
金を出すオーナー側ということです。
②の艤装員は・・・使用者側の利益代表です。
使用者として
「この扉は上の配管と干渉するぎりぎりの位置にあるので
開口部を2cmノブの位置をもう3cm低くしてください」
といった。
基本設計書では読み取れない微妙な調整を
船の各所各所で・・・いちゃもんをつける仕事です。
船は・・・自動車のように
「同じ形式ならどの操作性も同じ」とは
なりません。
後年航空機の担当に変わった小官は
乗り物とは設計図通りには出来上がらない
という現実と・・・
その問題点を現場の知恵で改善する
「プロの仕事」を日本各地の工場で
自分の目で確認しました。
乗り物評論家なんて大袈裟な・・・
ほとんど存在しませんが・・・
「造船所で実際に溶接機を使用したり
ペンキを塗った経験のある」
そして
「ユーザー側として」
乗り物の操縦や建造にかかわった
そんな専門家なんて・・・
日本に数人いるかいないかでしょう。
小生の専門は「地理学」
なぜ「交通地理学」を勉強しているのか
ご理解していただけたでしょうか?
①検査官と②艤装員は意見の衝突が
当然発生します。
同じ海上自衛官か?と思えるほど
技術サイドとユーザーサイドは
違った立脚点でモノを見ています。
ただし・・・どちらも自衛官なので
なんとか円満に最適解を探します。
工程会議では造船所側の部課長クラスともめることより
「検査官と艤装員が口角砲で戦闘する場面」
のほうが・・・多かったような・・・
あまり細かい内容に触れられないのでご勘弁のほど
どちらも譲れないプライドと実績を武器に
精一杯相手を説得するのが工程会議です。
「会議とは不毛なり」と言っている方は・・・
白熱して意見をぶつけ合い
そんな場面に出くわせなかった方でしょう。
限られた予算でいかにして最高品質の製品を
作るか・・・そんな会議に参加できたことは
人生最大の成果だと・・・最近思っています。
当時は・・・今も会議は嫌いですが・・・
当時30代全般の・・・
小僧に毛を3本増毛しただけの小官は
「このもめ事をどうやって軟着陸させるのか?」
それが主命題でした。
そんな小生が編み出した秘法は
「みんなでカレーを食べる」です。
艤装員で調理を専門に経験しているのは
小官だけで・・・
みなさんから浄財をあつめ
寮のさほど大きくない調理室で
カレーを作り・・・
事務所の端にある
「受付のお姉さま方」のバックヤードでご飯を炊き
最初は艤装員数名 検査官数名
造船所の技師さんや
同じフロアにおられた海保の艤装員の船長さんや
日本郵船の船長さんなども巻き込まれて
総勢20名ほどの・・・ささやかな
「カレー会食」は・・・数回だけの予定が
「次はいつやるの?」と
参加者が増え・・・
カレーが潤滑油になるとは
「とんでもないエマルジョン効果」だと
驚愕した次第です。
小生がつくるカレーは
手間をかけるとそれなりに美味しいのですが・・・
仕事の合間や前日に準備するのは
結構ぎりぎりのタイムスケジュールでした。
そして・・・偶然都心にある母校で
地理の勉強を再開していた時期でもあり。
仕事が終わって・・・
有楽町線で母校へ直行し
講義を終えて・・・
「一杯行こうか?」
という仲間の誘いを振り切って
寮へ戻って食堂で切り込みや下ごしらえ・・・
忙しかったけれど
もはや得難い体験であり
「30代が仕事や私生活・勉強で充実していた」
そんな気がします。
自衛官である以上・・・
たとえ造船所へ出向中で
毎日造船所の職工さんや検査官さんと
船を造る仕事が主体であっても
体力を鍛え・・・
毎週決められた運動をこなす
その免除はありません。
「体育止め」という
身体の故障者という判定がなければ
体育は免除されませんが・・・
「体育止め」だと・・・主要な職種に補職されない
つまり「艤装員として選抜されない」可能性が高くなります。
そのかわり・・・
自衛官は毎週決まった時間だけ
勤務時間中に運動することが許されています。
というより
「どんなに忙しい部署にいても体育止めでない限り
運動を強制される」というのが正しい。
しかし
「何キロ走る・何キロ泳ぐ」などを明確に決められているのは
江田島や舞鶴などの学校で寝泊まりし
集合教育を受けている間であり
「カリキュラム」として認められる範囲であれば
運動は業務の一環です。
「都心をジョギングしても持久走〇キロ」
として運動実績に加味されるのです。
毎年体力検定と水泳検定があり。
40歳以上は体力〇級水泳〇級と
標準が定められているので・・・
プールがない部署で勤務する海上自衛官は
自腹でスポーツクラブや公営のプールに通って
水泳の練習をしています。
小官の豊洲勤務中は・・・
辰巳国際水泳場や夢の島プールなど
近所の公営プールを利用しておりましたが・・・
「辰巳プールまで走って行って泳いで」
そんな艤装員もおりました。
オリエンテーリングが自衛隊の体育メニューに
記載されていたのか記憶がありませんが
①到達目標と基準時間を絞れば
結局小走りにならざるを得ない
②体育日課として業務を定めれば
連絡手段や緊急時の対応を誤らない
かぎり業務となる。
その基準を上司に示し体育係※として
ちゃんと業務であるという正当性を担保して
「東京都心オリエンテーリング」
を実施しました。
当時はスマホがなく・・・
携帯はほとんどの隊員が持っている
そんな時代だったので
全員を一日で参加させるのは難しいため
日程を二日にわけ・・・・
チェックポイントを
都内の数か所に・・・
自分の目で確認しないと
不明な都心の名所に掲示してあるポスターや
「とあるライオンの銅像しっぽの先端の形状」
「とある犬の銅像の右前足のしわの本数」
など・・・
スマホとグーグルストリートビューの時代なら
成立しないオリエンテーリングが
楽しめたのはアナログな時代だったからです。
都心の地形図とコンパスを各チームに
渡し・・・
コースは・・・乗り物好きで・・・
地下鉄やバスを利用したら逆に時間がかかる
都心の数か所をアトランダムに記載した
用紙を抱いて・・・各チームとも
豊洲の造船所から出発し・・・
往復15キロ以上の徒歩行軍となる
コースを・・・想定タイムをはるかに上回る
快速で駆け抜け・・・て続々と
戻ってきました。
とある後輩からは
「これはオリエンテーリングじゃない
都心をマラソンしながら宝さがししている
のと同じだ!」
と苦情をいわれました・・・
が目が笑っていました。
後年・・・あの時都心を駆け回ったおかげで
地理に詳しくなり・・・
「余分に地下鉄で遠回りするより
歩いたほうが早い場所もあると知って・・・
役に立った」
「テレビや映画・新聞でしかしらない会社や名所が
案外近くにあってびっくりした」
など
「土地を面として知るには歩くのが一番手っ取りばやい」
という地理学科の変人が巡検する理由を実証した思いでした。
👆ドラジー先生の記事に触発されて
短い記事を書こうと・・・
とんでもない分量の記事になりました。
まとめられない小生の性格を
ぶれないよう示してくれる
精度の高いコンパスは
アマゾンに売っていません・・・
地理屋としてこれなんかが適当かなあと
でもGoogleマップという便利な存在を
多用する小生です。
こどもがスマホ脳とかスマホ中毒だといいますが
大人のほうがもっとスマホに依存しているのです。
地理学科の巡検では
地図とコンパスで野外をめぐる・・・
当時はの苦行でしかなかった現地研究は
エッセンスとして楽しい記憶に変化しています