北海道新幹線と高校の廃校併合
北海道森町の人口は
2022年9月末時点で14,261人です
北海道立の森高等学校は
現在生徒数が74名ほどです。
今年の1年生は18名です。
令和3年5月1日には
全校生徒数が113名でした。
3年間で39名減少したことになります。
少子化が急激に進行しているとはいえ
3年間で3割の減少は尋常ではないと思います。
北海道の森町や大沼町から函館の高校へ
長距離通学する生徒はそれなりにいます。
長万部町から1時間半かけて室蘭の高校へ
通っていた同級生もいました。
北海道は過疎地にも満遍なく高校があります。
ただし都市部の高校以外は定員割れどころか
閉校や統合の危機にある高校も存在します。
森町唯一の高校は生徒数が74名ですが、
近隣には南茅部町、八雲町、七飯町に普通高校、
北斗市に農業高校があります。
学業やスポーツができる学生はどうしても
函館の高校を指向する傾向がたかく、
その点は日本の地方都市がどこでも
抱える問題です。
ただし北海道が広いのです。
函館~森間は49.5㎞
森~八雲間31.6㎞
ほどです。
もしも並行在来線が廃止されたら、
森~新函館北斗間31.6キロ㎞
バスで移動し、そのあと17.9㎞
電車に乗る事になります。
現在でも森発6:06の普通列車は
函館着7:47分であり
片道100分の乗車時間です。
バスへ転換すると、もはや通学が
不能なレベルになります。
新幹線の駅は新八雲までないからです。
現在80名弱の高校が廃止されたら、
隣町の学校へ行くしかありません。
八雲への線路に旅客列車が走らないと、
列車で30分以上かかる通学は、
冬季間のバスなら1時間を超えるでしょう。
人口1万5千人の自治体に冬に
安心して通える高校が無くなる地方は、
北海道という地域性ゆえの問題です。
函館駅を夕方出発する特急北斗の
自由席は高校生で一杯です。
それが親心でしょう。
100分も普通列車に乗せるより
その半分で通学できるなら、
特急料金を負担してでも、勉強や
スポーツで頑張って欲しいのです。
並行在来線が旅客扱いを停止したら
・・・彼らの未来を奪うことに
なりませんか?
田舎に生まれたのは本人の責任
ではありません。
優秀な学生に勉学やスポーツで
活躍する場を提供できない先進国
など存在するのだろうか?
彼等もいずれ納税する大人になるのに・・・
長万部町の人口は6000人弱です。
新幹線は止まるが、乗降客は
おそらく室蘭本線へ乗り換え客が
大半でしょう。
抜本的な振興策を打たなければ、
裕福な町民は新幹線で札幌や函館へ
出かけてしまい、更に町の商業は
打撃を受ける危険があります。
そればかりか現在でもすでに70名弱の
普通高校の生徒は、新幹線を利用すれば
札幌や小樽、函館へ通学が可能になります。
北海道が定めた制度では近隣の
高校が募集を停止してから5年間、
本人負担1万円で遠方の学校へ
通学する費用を負担する制度
があります。
新幹線代が高額でも1万円親御さんが
負担すれば、遠方の高校へ通学が
可能になります。
1学年20名強の高校が、
人口減少のあおりで
廃校になる危険はゼロではなく、
大学のキャンパスがある町に高校が
無くなるという可能性も否定できません。
新幹線の開通が函館周辺や森、
八雲、長万部の町に幸福だけを
もたらすと安閑してはいられない状況です。