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しんちゃんシロを忘れてきたゾ!カナダ横断鉄道の旅【第6回】
◆ついにジャスパー到着! …でもシロがいない!
ウィニペグからカナディアン号の汽車旅を満喫して
ロッキー山脈のジャスパーまでたどり着いた野原一家
しかし「シロを預けたままカナディアン号が出発!」
シロの運命は!?
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◆ シロに追いつけ!レンタカーで追跡開始!
「なによそれ!!どういうことよ!!?」
「だ、だって、電車の優しいおじさんから犬は食堂車に入れないって言われたんだゾ…」
「で、なぜシロを預けたまま電車を降りたの!?」
「……だって…キャサリンが手を振ってたから仕方がないゾ!!」
「バカバカバカバカバカァァァァァ!!!!」
ジャスパー駅にみさえの怒号が響く。
みさへは駅の情報デスクへ駆け込んだ。
「すみません! 私たちは犬を電車に置き忘れました!」
係員はすぐにカナダ号の乗務員に無線で確認してくれました。
「あなたの犬は無事です…現在熟睡中です」
「よかったぁぁぁぁ!!」
「駅員さんカナディアン号は次はどこに停車するんだい!」
ひろしが尋ねると
「列車はバルマウントに向かっています」
「バルマウント?」
「次の停車駅ですここから120kmです。」
「えぇ~!?そんなに遠いの!?」
「クルマを飛ばせば捕まえられるかもしれないぞ。」
ひろしはなぜか無謀な提案を…
「クルマ…?」
「そういえばオラたち、レンタル予約してたゾ!」
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◆ 急げ!AVISレンタカーでカナディアン号を捕まえろ!
野原一家はジャスパーでの移動手段としてAVISレンタカーを予約していた。
「よしレンタカーでバルマウントまで飛ばすぞ!!」
「急がないとシロがバンクーバーまで行っちゃうわよ!!」
ジャスパー駅構内にあるAVISレンタカーのカウンターへ猛ダッシュ!
◆まさかのキャンピングカー!?みさえの予約ミス!
カウンターで!
「すみません!予約してます!」
店員のお兄さんがPCをカタカタと操作し
野原家の予約情報を確認する。
「そうですね!あなたの車はこちらです…」
外の駐車場を指しました。
そこには
全長8メートルほどの巨大なキャンピングカーがドーン!!
「えぇぇぇぇ!? なんでこんなデカいのぉぉぉ!?」
「ちょ、ちょっと待って!! オレたちミニバンを予約したんじゃなかったの!?」
みさえもカウンターの画面をのぞき込みます。
レンタルタイプ: キャンピングカー
「……あれ?オカシイワネ?」
「おまえ、車種を間違えて予約したなあ!?」
「ま、まさかそんなこと…!」
ひろしが額を押さえてうなだれる。
「とうちゃん!こんなデカいクルマ運転できるの~!!」
「まさか…私が、間違ったのかしら…?」
「まさかじゃない!!完全にお前のミスだ!!」
「ぷぅ~!(キャンピングカー広そう!)」
「いや、そこじゃない!!」
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◆キャンピングカーじゃ追いつけない!?みさえの英語トークバトル!
「す、すみません…えーっと…チェンジカー!ミニバン!プリーズ!!」
みさえがカタコト英語で会話を始めます。
「申し訳ありませんが、これがあなたのご予約のお車です…」
「ノー!!ノー!!ミニバン!スモールカー!!ファスト!!」
「お気持ちは分かりますが、現在ご利用いただけるミニバンはございません…(」
「いやぁぁぁ!!でも! バルマウント! ゴーゴー!!」
店員さんが困っていた顔をしていると
カウンターの奥から別のスタッフがやってきた。
「あのう…さきほどピックアップ トラックが返却されました…」
「ええ!本当!!!」
店員さんはみさえの顔を見て、肩をすくめる。
「ピックアップトラックは返却されたばかりなので、まだ燃料が満タンではありません。」
「ピ、ピックアップ…トラック!グッド!」
「はい。でも整備する時間が必要で…」
「ノープロブレム!! ノータイム!! 早く貸して!!」
みさえが必死に食い下がって、店員さんは深いため息をつきながら鍵を渡してくれた。
「分かりました。でも途中雪道なので気をつけてくださいね!」
「サンキュー!!」
◆ 急げ!未整備のピックアップトラックでシロを追え!
「よっしゃぁぁぁ!! ピックアップトラックをゲットした!!」
「おい、まだガソリン満タンじゃないって言ってたぞ!?途中でガス欠になったらどうするんだ!!」
「バルマウントまで120kmよ!?スタンドなんて途中にあるわよ!」
「本当に大丈夫なのかよ…」
ひろしが渋い表情するも、
みさえはすでにエンジンをかけてやる気満々。
「ガタガタ言ってる暇はないわよ!!しんのすけ!早く乗りなさい!!」
「むほ~ほ♪ オラ、カナダのトラックに乗るなんてワイルドだゾ~♪」
「ぷぅ~!(ひまわりも興奮!)」
「よっしゃぁ!! 行くぞぉぉ!!」
ブォォォォォォン!!
野原一家を乗せたピックアップトラックが
白銀のロッキー山脈を駆け抜ける!
◆ ハイウェイを爆走! しかしトラブル発生!
「むほほ~!オラたち、カナダの大地を駆け抜けるハイウエイスターだゾ!」
「スターじゃないわよ!!」
「バルマウントまで このまま突っ走るゾ!!」
「よおし~!カナダのアウトロー野原家爆走!!」
「だからアウトローじゃないっての!!」
ハイウェイを時速120kmで走るピックアップトラック。
目の前には果てしなく広がる雪景色
遠くにはロッキー山脈がそびえている。
「バルマウントまで、あと50kmか!」
「意外と順調じゃないの?」
と、その時
ピコーン! ピコーン!
「……え?」
ダッシュボードの燃料警告ランプが点灯する。
「……ちょっと、ひろし、これ何のランプ?」
「おいおいおい!!燃料がもうすぐ切れるってことだよ!!」
「ええええええ!!??」
「ガソリンスタンドは…えっと…あと50km先!?」
「そ、そんなぁぁ!!ここからエコ運転しなきゃ!!」
みさえは急にアクセルを緩めるが
しんのすけがボソッとつぶやいた。
「母ちゃん、スピードが落ちてきたゾ…」
「なぁぁぁにぃぃぃ!!?」
「この車、燃費が悪いカナダのトラックだから飛ばしすぎたゾ!」
「うるさいわね!! 誰が飛ばせっていったのよ!」
◆ ハイウェイ爆走! …できない!!
プスン… プスス…
エンジンが完全に沈黙し、車はゆっくりと停止した。
野原一家、まさかのハイウェイど真ん中でガス欠!!
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◆絶望のハイウェイ!
「ちょ、ちょっとどうするのよ!?雪原のど真ん中じゃない!!」
「ぷぅ~!(寒い!)」
しんのすけは雪景色を眺めながらつぶやいていた。
「オラたち、カナダの原住民になるしかないゾ…」
「そんなイヤよ!!アンタだけよカナダの大地で生き抜いていけるのは!?」
「むぅ~…オラ誰キャサリンが助けてくれるまで待ってるゾ♪」
「どうやって電車から救助にくるんじゃー!!」
と、その時——
ブォォォォォォン!!
後方から、一台のピックアップトラックがやって来て停止しました!
「お助けが必要ですか?」
「むほ~ほ!!カナダのナイスガイ登場~~!!」
白いヒゲをたくわえたカナディアンのおじさんが、運転席から顔を出した。
「え、えーっと、ガス欠になっちゃったんですけどぉ…」
「ははは!心配しないで相棒」
おじさんは自分のトラックの荷台を指さした。
「ほら、カナダではいつも予備の燃料を持ってるんだ。」
「へ?」
「そこを見てみろ君たちのピックアップにも携行缶が乗っているぞ!」
しんのすけたちのピックアップトラックの荷台の隅には——
真っ赤な携帯缶が鎮座していた!!
「おぉぉぉぉぉ!! カナディアンの知恵すげぇ!!」
「何、日本ではこんなことしないわぁ!?」
「日本じゃガソリンスタンドがそこら中にあるゾ!」
「ははは!さあ、今日はラッキーデーだね!」
おじさんは笑いながら、携帯缶のキャップを開けてくれ
ひろしはピックアップトラックのタンクへ注いだ。
「サンキュー!ミスター!!」
「問題ない!あと安全運転で!」
親切なカナディアンのおじさんのおかげで、
野原一家は奇跡の燃料補給成功!
…レンタカー会社で説明を聞いていなかっただけだが。
「母ちゃん、日本でもガソリン運搬したほうがいいゾ!」
「できるわけないでしょ!!日本では携行缶にガソリン入れてくれないわよ悪用する輩がいるから!!」
「次からはエコ運転だゾ!」
「アンタが言うなぁぁぁぁ!!」
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◆そして、ついにバルマウント到着!
「やったぁぁ!!ついにバルマウントに着いたゾ!!」
「本当にここまで来れるとはなぁ…」
「シロ!! 今から行くねぇェ!!」
時計を見ると、ちょうどカナディアン号の到着時刻。
「間に合ったぁぁぁぁ!!!」
「シロ今から迎えに行くゾ!!」
野原一家はピックアップトラックを飛び降り
バルマウント駅のカナディアン号まで全力疾走!!
そこには愛しの美人車掌キャサリンが
「アレ!しんのすけ君どうしたの!」
「シロを迎えに来たんだゾ!」
「え!シロは途中の信号所で反対方向の列車に頼んでジャスパー駅まで届けてくださいってお願いしたわよ!」
ホーム上には崩れ落ちる野原一家の姿が・・・
次回、「しんちゃん、シロと再会するゾ!」
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