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ウォーズマンLOVE
「あ~ もうダメ。喉が痛くなってきた」
「月島! あとどんくらい? 」
「はい! えっと・・・あと2時間40分あります」
「え~! まだそんなにあるん! 」
「も~誰よ! 5時間飲み放題プランにしたの~ 」
平日の午前中、看護婦5年目の大橋恵美と安達夢、2年目の月島佳代は天神にあるカラオケBOXに行った。しかし、歌唱力のない3人は、すぐ歌う事に飽きた。
最初は流行りの歌を歌い、小室ファミリーに行き、ブルーハーツまでは良かったが、リンダリンダで暴れすぎて、運動不足の3人はバテた。
「時間がもったいない」
恵美がつぶやいた。
「よし! じゃあ、光GENJI行こ! 」
と夢が『ガラスの10代』を入力。
「私、かーくん」
「ちょっと!かーくんは私よ! 」
「私、大沢樹生がいいです」
「え~、月島、光派? 」
「はい! 光の二人が好きでした」
「え~ GENJI派でしょ~ 」
小学校時代のアイドル話が盛り上がり、ガラスの十代は知らない間に終わってしまった。
「もう帰る? 」
疲れ果てて、夢が呟いた。
「でもせっかく5時間もキープしとっちゃけん、もう少し居ろうや」
恵美が言った。
「黒霧でも作りますね」
月島が黒霧湯割りを三つ作り出した。
「あーー!!! 」
突然、夢が叫んだ。
「なんね? 」
「私、一番歌わないかんの忘れとった! 」
と夢が、リモコンを操作した。すると、聞き覚えのある伴奏が流れ、靴を脱いだ夢がソファーに立ち上がった
『リングーにぃー 稲妻走りぃ~ 』
夢が拳を突き上げ歌いだず。
(夢) 「 私はぁ! 」
(恵美)「ドジでぇ! 」
(夢) 「強い! 」
(恵美)「つもりぃ! 」
(二人)『キン肉マ~ン』
(夢) 「走るぅ」
(恵美)「滑るぅ」
(夢) 「見事にぃ」
(恵美)「転ぶぅ」
マイクが夢・恵美間を動く
「あ~心にぃ~🎵 」
と二人の世界で、アニメ『キン肉マン』の主題歌を熱唱
「神谷明~♡ 」
「よっ! ゆでたまご先生! 」
と絶叫。
途中、店員さんが空いたグラスを下げにきてくれたらしいが、極力見ないように低姿勢でそそくさと出て行った、と、月島が教えてくれた。
「やっぱ、GO Fight はいいわ~ 」
「ホント。力が漲ってきた! 」
「ねぇねぇ、キン肉マンの中で誰が好き? 」
「私はラーメンマンが好きでした」
「あ~月島は好きそうやね」
「えー、キン肉マンも好きでしたよ」
「あ~あ。キン肉マンとか言い出したよ、この子」
「え? キン肉マン、主人公ですよ! カッコいいじゃないですか! 」
「月島。キン肉マンは被っとろ?泌尿器科的には却下よ! 」
「え? 」
(夢) 「被っていては出来ません!」
(恵美)「剥いて出てきて」
(夢) 「ん? あなた、誰かに似てますね!」
(恵美)「ヘルメットですか? はいっ! ヒント終了」
「あ・・!」
月島の右手が半開きの口を覆った。
「では、月島さん。正解をどーぞ! 」
「はい! ウォーズマンです! 」
『そそり立つ~ あなたの先っぽ ウォーズマン♡ 』 ウロナース心の句 <完>