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【映画感想】リバー、流れないでよ
めっっっっっちゃ良かった。
ずっと気になってたのでようやく見れたけど、見て良かった。2025年見たトップバッター映画だけど、おもしろ映画暫定ボックス席に最後まで残りそう。
あらすじとしては、旅館の中で2分間だけ世界がループするという映画。
最初は、2分だけ?短くない?何ができるの?と思うが、この2分という時間設定が絶妙だった。
なんかできそうでできない、少し足りないのがとてもいい。
2分間のループはほんとに何気ない日常の中で発生する。
従業員は延々後片付けをするハメになるし、
お客さんは延々雑炊を食べている。
するとだんだん、なんか繰り返してんな?と徐々にループに気がついていく。
ループに気づいてからも
従業員はなぜかめちゃくちゃお客様優先なのが面白い。
お客様を慌てさせないように、従業員サイドのループの飲み込みがとにかく早く、
理系の板前がループについて仮説を立て、みんなに説明を使用と思うが、2分間じゃとても説明しきれない。
なので、「この回は無理なので、次のターンで説明の続きやります!」とか、お客様から質問攻めにあった主人公が、「私の初期位置はここなので!」とループで巻き戻った時の位置を説明するシーンとか、ループに対してすごく割り切った描写が斬新だった。
あとは、どうせ戻るからと障子を破りまくったり川にパソコン投げたり自殺してみたり、とハッピーデスデイみたいなループの使い方も飽きさせない。
発生原因は割とSFでしょうもないけどこの作品はこれで全然いい。
話のテーマでもある、登場人物それぞれの「ずっとこのままでいたい、時間を進めたくない」という気持ちがループに発展してしまったのも良かった。
確かに旅行中、特に旅館とかって日常とは浮世離れした空間に身を置くのでずっとこのまま続けばいいなあと思うのあるなぁ、めっちゃわかる。
ミコトとタクの2分間の逃避行も素晴らしかった。
2分間でできる色んな遊びというか、足りないんだけど、足りないんだけどね?の感触がもどかしくてずっと見ていられる。
ラストのシーンも、タクが最後に何を願ったのか明かさずにミコトのアップで終わるのも、視聴者に委ねてる、このあえて語らないような演出がすごく好きなので嬉しい。
総評してめっちゃおもろかったです。