学生時代にどう思えば良かったのか
大人になったら社会の一員になるので仕事をしなければならない。
どんな仕事があるのか?
自分はどんな仕事に興味があるか?
将来どうなっていたいか?
さあ、みんな考えてみよう。
小学四、五年あたりで突然
「社会」「仕事」「将来」
というものを意識させようとした時期がありました。
親がお店をやっていれば、それを調べてまとめて発表する人がいましたし、なんとなく興味がある職業を紹介する人もいました。
何年かに一度、この時のこと思い出して
「だから、どうしたら良かったのか?」
と、思ってしまいます。
小学校高学年あたりに「職業」というものがなんなのかを触れさせようという授業だったのか、はっきりとは覚えていませんが、あまりに唐突で広く浅いアプローチで、私には全く響きませんでした。後にこれがすごく単純で重要だった事に気付くのは何十年も先の事ですが。
その授業から何年か経ち、中学生くらいの時にボーっとしながらテレビで観た記憶でしかありませんが、元プロ野球選手の駒田さんが少年野球の特別コーチをするような番組で子供達に話をするシーンがありまして(以下、敬称略します)
駒田「将来、プロ野球選手になりたいか?」
ある一人の少年に尋ねると
少年「うん」(←って言ってた様な気がします)
駒田「そうか、そうならどうやったらプロ野球選手になれると思う?」
少年「めちゃくちゃ上手くなる」
駒田「うん。そうなんだけど、本当になりたいなら具体的に分析をしないといけない」
少年「……。」
駒田「プロ野球選手にいきなり成れるわけじゃないよな?」
少年「うん。」
駒田「プロ野球選手になるにはドラフトで指名されなければならない。ま、他にも方法はあるけども。ドラフト知ってるよな?」
少年「うん。」
駒田「ということはドラフトで指名される様な選手にならなければならない。」
「じゃあドラフトで指名されるにどうしたら良いか?甲子園で良い成績を残した方が指名される確率が高いよな」
「ということは甲子園に出場出来る強豪高校に入らないといけない」
「甲子園に出場出来る強豪高に入る為にはどうしたら良い?中学生のうちに強豪高にアピール出来る様な結果を出さなければならない」
少年「……。」
駒田「君は今何年生だ?」
少年「4年生」
駒田「4年生なら高校まであと5年あって、この5年をどうすれば上手くなるかを年で割っていって、年の次は月で割ってさらに週で割って、そして明日から素振りを何本すればいいか、どんな練習をしたらいいかを分析しないといけない」
「分析していくと、今の時点でどこまでのことをやらなければならないのかが見えてくる」
少年「……うん。」
テレビで観てて、言ってることはわかるけどなんだかなぁ~。と思ったのが学生時代の私です。
でも、これは間違いなく事実であり、自分の人生を上手く生きていく為には必要なことだったと思います。
漠然とした職業や未来を考えたとしても、もう一つ先のこと(分析)を考えなければ良い結果に近づいてはいかない。
ただ、これを子供の時に理解するのは難しいと思います。理解というより受け止める様な感覚の方が近いのかもしれません。
なんとなくやっていても、目標や方向が定まっていないと、いざやりたいことがあっても、今の時点で何をすべきなのかが不鮮明でやりたいことも「本当にやりたいことなのか」と足踏みしてしまう。
学校に文句を言うつもりはありませんが、将来を意識して動き出す人があの授業で何人いたのか(意識してる人は関係なく動いてそうだし)。駒田選手の話でも響かないわけですし。
ま、細かいことを言えばスポーツ選手は怪我もあるし、引退後の分析も必要になり、また大変なのですが、
あの時私はどう受け止めて、どう行動したら良かったのか。
目標と計画の時間がリアルじゃないとわからなかった時点で、そういう人間になる人生だったのかなぁとたまに考えてしまいます。
これにアクシデントや世の中の流れも入ってきて軌道修正して、なんてことも普通にあるわけですから、子供にどう説明するんだ。という話でもありますけど。
ひたすら何にでも成れるように勉強するという手段もあったんでしょうが、何もモチベーション無しで勉強なんか出来ませんし。
こうなってしまった大人もいるんだよなぁ。
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