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京都 都七福神巡り - 赤山禅院/妙円寺

*2024年9月都七福神巡り* …の記録

3日間に分けての参拝。
なんとはなしに気が向いて、記録をつけてみる。
写真を撮る習慣が無いので、最後のふたつだけである。

24/9/2
⚪︎東寺 - 毘沙門天
⚪︎萬福寺 - 布袋尊

24/9/16
⚪︎六波羅蜜寺 - 弁財天
⚪︎京都ゑびす神社 - えびす
⚪︎行願寺(革堂) - 寿老人

24/9/23
⚪︎赤山禅院 - 福禄寿
⚪︎妙円寺(松ヶ崎大黒天) - 大黒天

*願う事
平穏で安寧の日々を送ること。
次は独りでなくお詣りできること。
貧しさに苛まれない程度の小銭に恵まれること。

*心の浮遊物
・天気は晴れ。
 連日の厳しい残暑は、昨日の雨でずいぶん和らいだもよう。
 今週は夏バテの第二波に苦しんでいたわたし。
 この涼しさを切望していたはずなのに、実際にやってくると今度は時の流れを感じて、なんだか気が乱れる。

・移動は京阪。
 最近はJRが多かったので、少し久しぶり。
 片道50分超はやはり少し長い。
 米澤穂信「さよなら妖精」を読んで過ごす。
 Mischa Maisky / J.S.Bach “cello suites No.1-3”を聴いて過ごす。


きらら

・初めて叡山電車なる鉄道に乗る。
 わたしは鉄道好きではないが、好きな人には堪らなさそうなローカル感。
 車両の名前は展望列車「きらら」。
 通過した茶山・京都芸術大学駅は木造のプラットホームの上家が印象に残る。

・昼前ごろ修学院駅に到着。
 思ったよりも普通のまちである。
 駅前のドラッグストアはお菓子が安い。
 スーパー。マンション。雑居ビル。古いアーケード。

 赤山禅院の方向に向かうと坂になる。
 京都は何度も来ているが、平らなところばかり歩いていたので、坂道というだけでちょっと印象が変わるものだ。

 ここには修学院離宮があり、向かう道には修学院離宮道なるたいそうな名前がついているのだが、なんてことはない、普通の住宅地である。
 小学校があり、比較的新しい家々が並ぶ。
 山寺ではよくあることだと思うけれど、こんなところに寺院があるのかと少し心配になる。
 人通りもあんまりない。とぼとぼ登る。


大きな鳥居に、電話ボックス。
山門は寺院様。

・赤山禅院に到着。
 大きな鳥居。両手には苔むした参道。コロナ以降久しい、ちゃんと柄杓のある手水舎。
 ご本尊は赤山大明神(泰山府君)。道教の神さま。
 寺院と聞いていたが、むしろお社じみている。
 
 静かで、美しい場所だ。
 緑の紅葉。高い高い松の木。森。小川のせせらぎ。竹林。池。
 これだけでも、遠くまで足を延ばした甲斐があるというもの。
 参拝客はわたしと、親子連れが一組だけ。本当に祝日か?
 

伸び伸びとした「年」。「月」も、いい。


 本堂もそこそこに、福禄寿殿。なむ。
 社務所で御朱印をいただく。何気に男性は初。
 「今日はどちらから?」
 ー 大阪からです。
 ー 京都市でも、ここほど北に来るのは初めてです。
 「そうでしょうね」
 なんだか含みのある微笑だ。
 「もう大分参られましたか」
 ー ここで6箇所目です。
 「市中は海外の方でいっぱいでしょう」
 ー ここは静かでいいですね。でも七福神の社寺は、どこも人が少なく静かです。
 「へえ」
 ー ……

 最後に「お詣りご苦労様です」と。
 その言葉がわたしに向けられて発せられたことに、なんだか不思議な心持ちがした。
 わたしのような人間がやってくることはあまり無いのではないかと思うから。

 森の中に建つお社。
 見えていないだけで、そこには神さまなり妖怪なりが座っているだろうか。
 赤蜻蛉。蜻蛉を見るのは数年ぶりかも。

 名残惜しさもそこそこに、参道を帰る。
 次来る時は独りでないことを、願う。

・少しだけ離宮の方に寄ってみる。
 なるほど、観覧は事前予約制で、今申し込んでも入れるのは1時間後くらいになる。
 踵を返して、坂を下る。

・橋を渡って西へ。
 この川は高野川といって、鴨川に続いて淀川に至るのだが、「たかのがわ」と読むらしい。
 私は「こうのがわ」か「こうやがわ」だとあたりを付けたのだが、こと地名と人名ほど忌々しいものは他にない。

・妙円寺の参道。
 慣れ親しんだ香りが鼻をくすぐる。
 地元民らしきおばさまの世間話が耳に入ってくるところによると、近くで自家焙煎をしている人がいるとか。


・妙円寺。
 道は二つに分かれているが、どちらを通ってもいいらしい。
 それにしても社寺というのは不思議なところで、入ると空気が変わるような気がする。
 辿り着くまでに感じていた残夏の暑さに、すっと一風が差し込んで、ふわっと涼しくなるような感じがする。

 境内にやはり人は少ない。年配の女性と、それを支える息子さんらしき一組。

 蝋燭と線香をいただいて立てる。
 お堂に入ると、打ち出の小槌。少し気恥ずかしいが、他に誰もいないのだ。控えめに振る。

 御朱印をいただく。
 なんとなくで始めた都七福神巡りも、これで終わり。
 次に回る時は、先の赤山禅院を最後にしようかなと、またなんとなく思った。
 いちおう、ここは1番札所のようだ。
 
 特に達成感のようなものはない。わたしが達成感なるものを感じる時は来るのだろうか?
 でも、また3日なりかけて回るのも悪くないかな、という心持ちにはなったと思う。

天天有。読みは「てんてんゆう」。「てぃえんてぃえんよう」ではない。

・一乗寺でラーメン。
 どこが美味い店かは調べていない。
 激戦区と言われるくらいだから、どこで食べてもハズレはあるまい。
 並ばずに済むかどうかの方が、当座の問題である。
 それにしても一乗寺はどういうところかと思ったら、やはり普通の住宅地である。
 ぽつぽつとラーメン屋がある以外には、特に店はない。明らかに商業地域ではない。
 いくら大学が近いからといって、なぜここがラーメン激戦区になるのだろう。

 チャーシュー麺大盛り。スープもチャーシューも絶品だが、真に驚くべきはメンマ。甘い醤油タレか何かに浸かっているようで、豚肉の味わいと合わせて生姜焼きのような風味。

・時計を見ると時刻は二時半。
 まだどこかを回ってもよかったが、当初の目的は達している。
 一乗寺から叡山電車。出町柳で乗り換えてそのまま大阪に直帰。
 北浜でコーヒーを買って帰る。ケニア。
 

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