モノノ怪「火鼠」予告映像が解禁!次回作のテーマが見えてきた【考察】
劇場版モノノ怪「唐傘」の公開から季節は巡り、師走。
ネトフリ配信が始まりスルメのごとく一作目唐傘の味をまだまだしゃぶりつつけている我々モノノ怪ファンの元に、ある意味怪異よりも恐ろしい情報が飛び込んできました。
はい、というわけでモノノ怪二作目「火鼠」の予告映像が公開されました!!
たかだか1分の映像でもう気になることばかり…
興奮冷めやらぬままに久々に筆を取りまして、今回は予告映像について考察していきましょう。
新たな主人公が判明
火鼠の主役はボタン&フキ
前作「唐傘」の主人公はアサとカメでしたが、カメが大奥で暇を受けたことから、二作目で主人公が変わることは明白でした。
そして新たに解禁された情報で新たな主役はボタンとフキであることが明かされました。
前作ではそこそこの出番で終わってしまった御中臈のお二人ですね。
アサ&カメに引き続きW主人公という形態ですが、気になるのはお二人がアサカメコンビのような微笑ましい仲の良さには到底見えない点。
前作とは打って変わって、対立構造のW主人公となりそう。
物語は家柄争いへ
新たな主人公、大友ボタン様と時田フキ様。
前作にて「大友家」「時田家」という家系の名前が挙がるシーンがありましたが、多くは触れられませんでした。
以前別記事にて、次作は「大友家vs時田家」の家柄争いのお話になるのではと予想したのですがどうやら当たっている模様。
前作「唐傘」では、大奥のイメージとは少し違った「お仕事モノ」としての描かれ方をしたのが印象的でしたが、今作はイメージ通りのドロドロした女たちの争いが巻き起こりそうな予感。
ボタン様が大奥のトップに
映像公開と同時に公式サイトも一新され、登場人物の紹介文にも新たな文言が加わりました。
前作「唐傘」にて、大奥のトップである御年寄・歌山様がモノノ怪の被害に遭われました。
物語の最後に一瞬、歌山様のいない空の玉座が映し出されたのを覚えていますでしょうか。
二作目にあたりこの後任に就く人物が判明。
大友ボタン様が大奥のトップ「御年寄」に就任なされました。
前作でも歌山様のお隣で御中臈の役職には目もくれず出世を狙うバリキャリっぷりでしたから、歌山様の後任としても納得ですね。
前作では数少ない情報ながらも「大友家>時田家」という権力差であるととれる発言がありました。
ボタン様が御年寄に昇進したことで大友の力、また時田との溝もより深まったのではないでしょうか。
フキ様のモデルは桂昌院?
フキ様の紹介文にもご注目。
「町人出身」
この情報が個人的にかなり気になります。
前作にて、詳しくは語られませんでしたがフキ様が天子様に見初められて大奥入りしたというお話をしていました。
大奥の歴史において、これに似たお話を持つ有名な女性がいるのをご存知でしょうか。
それが桂昌院です。
幼名であるお玉は「玉の輿」の語源にもなったと言われており、有名な成り上がりストーリーを持つ人物です。
桂昌院は八百屋の娘でしたが、当時の将軍である徳川家光に見初められ大奥入り。
のちに世継ぎを産み、徳川綱吉の生母となりました。
町人の娘から天子様のお見初めで成り上がったフキ様と同じですね。
次作でフキ様が天子様の側室になることがあれば、桂昌院がモデルとなったキャラであることは確実となるでしょう。
新登場のキャラが解禁
「火鼠」で新たに登場する人物も解禁されました。
新キャラ①時田良路
前作登場のフキ様と三郎丸のお父上が新登場。
「フキが御中臈に大抜擢された恩恵を受け武家入りを果たした。」
との文言。
時田家には力があるような描写が複数ありましたから、武家のお家柄だと思っていたのですが。
フキ様が大奥入りしたことで得た力だったのですね。
前作では三郎丸が大奥での任務を受けたのもフキ様の力による恩恵であると言われていました。
フキ様は出世への興味はなくただ純粋に天子様からの寵愛を求めているように見えましたが、実は時田家や家族の地位向上を狙って天子様に取り入っている可能性も出てきました。
また、ボタン様が御年寄に就任したことで大友家の力が増したと思いますので、フキ様としてもここらで天子様の世継ぎを産んで逆転したいところなのでは。
余談ですが、時田良路の紹介文のこの文言。
「何故か大友の将棋の相手をさせられている。」
三部作の発表と同時に解禁されたこの火鼠のキービジュアル。
薬売りの足元に映る謎の盤面遊びがどんなものかずっと気になっていましたが、「将棋」だったのですね。
オリジナルの遊戯かと思っていたので意外でした。
新キャラ②老中大友
大友側からはこちらの新キャラが参戦。
同じくボタン様のお父上であり、老中の役職。
老中の役職は、大奥の政務を取り仕切る役職で、御年寄と同様の最高位の重役。
唐傘以降ではボタン様が御年寄に就任されたので、御年寄と老中が共に大友の人間ということでその権威は絶大。
父としてもボタン様の昇進に鼻高々なのでしょうか。
また、老中という役職は、右筆を諮問機関として共に執務を行っていたそうです。
北川様の後任として御祐筆に就任したアサと共に仕事をしているのかもしれません。
憧れの御祐筆に就いたアサちゃんの仕事ぶりを再び拝めるのが楽しみです。
予告映像では老中大友のセリフがありました。
「お世継ぎ?許せん!」
先ほど紹介したフキ様のモデルとなった桂昌院ですが、身分の低い出自であることから扱いが悪かったとか。
桂昌院が側室となることを良く思わない反対勢力により、不妊薬などを用いて世継ぎを授からせまいとする動きもあったそう。
天子様の世継ぎを授かることを狙うフキ様と、時田家の勢力拡大を懸念して阻止する老中大友。
たった一言のセリフででこのような構図が見えてきましたね。
正直あの予告とキャラデザを見た時点で多くの人が「こいつ悪者そ〜」と思ったでしょう?
私は思いました。
前作「唐傘」では明確な悪意を持ったキャラが登場しませんでしたが、次回作以降では悪者が登場するという公式による名言がされています。
次回作にて明確な悪意を持った悪者がいるなれば、それはモノノ怪を生む根源となる可能性が高いです。
大友がモノノ怪火鼠(=火)を生むキッカケなのであれば、大友自身が「火種」となってしまいますから、
「火種を嫌っている」
という老中大友の紹介文が嫌味に効いてきますね。
未発表の新キャラ
予告映像にはこれ誰?な人物が何人か映りました。
未だ発表されていない新キャラをご紹介しましょう。
・天子様の母?
一カットのみ口元が映った妙齢の女性。
天子様の生母か乳母であると予想しています。
こちらの人物、「春日局」ではないでしょうか?
春日局とは、本家大奥を作った人物であり、徳川家光の乳母です。
予告編のカットでは口元しか映っておらずまだまだヒントは少なめ。
強いて言うなればお歯黒であることが見て取れますが、お歯黒は「既婚者の証」。
天子様のお相手を探す場である大奥において既婚者の女性なんてそう多くないでしょう。
厳密には初登場ではなく、前作にも映っているカットがありまして。
こちらです。一瞬でしたが作中に登場しなかったキャラが映っていたのでよく覚えています。
天子様の後ろに座している妙齢の女性という点で生母である可能性の方が高いでしょうか。
今回本格的に登場する模様なので、楽しみなところです。
・新たな女中?
予告映像にてモノノ怪に襲われているカットで映る女性。
早々に命の危機で可哀想なのですが。
前作では大奥内で大勢の女中が並ぶシーンが度々ありましたが、基本的にモブの女中は顔すら描かれることはありませんでした。
主な数名の顔あり女中で構成されており、作中で名前も出なかった女中でもしっかりとキャラ設定が決められていることが判明しました。
つまりこの新たな女中さんも、明確にキャラ設定が定められた主要キャラであることがわかります。
また、ボタン様などと同じく御中臈の役職は現在6名であり、前作で6名全員が登場していることから御中臈ではないことがわかります。
前作であまり深く描かれなかった他の役職の方でしょうか。
あるいは新人さんであれば、アサちゃんの先輩女中としての一面が見られるかもしれません。
・謎の女中
妖艶で怪しげな雰囲気を醸し出す後ろ姿の女性。
予告映像ではフキ様の「許せない!」のセリフをバックに映し出されており、かなり不穏な様子。
おそらくただのモブ女中ではなさそう。
女中たちは各々のカラーを持っており、お召し物の色が決まっているように見えました。
この女性が頭につけている緑色は初めて見たものなので、既出女中でもない気がします。
既に名が上がっている女性でいえば幸子様…?
兎のようなお着物の柄も気になるところです。
・怪しい謎の人物
儀式的な装束を纏った顔も性別も不明の人物。
モブである可能性もあるのですが、前作でいう御水様のような宗教観を感じる怪しさが気になります。
前作と比較していえば「丸のマーク」なのが気になりました。
あれだけ三角を各所に散りばめていたのに装束の面という意味を持たせやすい部分で使わないんだ…?と違和感を覚えました。
この画像をよく見ていて大きな気付きが一つ。
これ、顔が見えないなりに小太りの男性かと思っていたのですが。
よく見ていると、白い着物の女性に抱えられているように見えてきました。
この人物の紫の着物を挟んで画面の左右に映る白い部分。
これがこの人物より大きい人間の着物になります。
つまりこの人物は、人間より少し小さい。
人形か?あるいは子供か?
【1/22追記】
新作MVにて、赤子であることが判明しました。
紫の着物の形が、どうも座った人が首を捻ってこちらを向いているように見えていたのですが、赤子のお包みであったよう。
気づいたら急にそれにしか見えなくなりました。
そして人形を抱える女性が誰か。
ヒントはオレンジと白の着物ですが、フキ様が御水様の儀式で着用している装束が最も近いですね。
消えたキャラ
前作「唐傘」では全キャラクターが魅力的で、愛着が湧いたり推しができた視聴者も多いことでしょう。
ですが、悲しいことに今作では登場しなさそうな人達もいます。
・歌山様
これは言わずもがなですが、前作にて唐傘の被害に遭い今は亡き女中達。次の登場は見込めなさそう…。
理想の上司!と一部で人気を博したりと素敵な女性でしたから、少し寂しいですね
歌山様の後任となったボタン様が次の主役なので、回想で一瞬出てきたりしたら嬉しいなあ。
・平基
三郎丸と共に大奥にやってきた平基。
元々は歌山様の失脚材料を探すお勤めでしたので、目的を失い現在は大奥を去っているのではないかと思います。
登場人物に姿はなく、三郎丸が次作ではお目付け役としてではなく時田家の者としての登場であることから、平基は登場しない可能性も考えられます。
井戸内の空間を発見した三郎丸ほどではないものの、共に大奥の真相に迫った人物ですから、唐傘が解決したから離脱というのも少しあっけない気もしますが。
・カメ
前作「唐傘」の主人公ながら早々に大奥を離れ、次作の登場人物には姿なし。
次の主人公コンビはなんだかバチバチしていそうなので、アサカメコンビの微笑ましい仲が恋しいところです…。
アサは過去を匂わす台詞があったりと次作に続くような不明瞭な要素を残していましたが、確かにカメにはない気がします。きっぱり居なくなってしまうのでしょうか。
前作のラストでカメの代わりとして贈られた櫛がわざとらしく映ろうものなら少しニヤついてしまう自信があります…。
新たなモノノ怪「火鼠」を考察
火鼠の姿と今回のテーマ
予告映像によって得られた情報の中でも特に大きいのが次のモノノ怪となる「火鼠」の姿ですね。
モノノ怪の目がついた白くて小さいのがたくさん…。
映像を見るとチューチューと言った鳴き声も。
モノノ怪の目のデザインは同様ですが、前回の唐傘とは打って変わって、今回のモノノ怪は群れを成しているようです。
映像の中で薬売りのこんなセリフが。
「お前たちの母は何処に」
この小さいネズミ達には本体となる「母」がいる模様。
江戸時代にネズミは子孫繁栄の象徴とされました。
天子様の世継ぎを巡ってのお話であるため、「母と子」というテーマが各所に散りばめられていますね。
TVシリーズの第一章「座敷童子」とテーマが被ってしまうので、どう差別化を図るのかも注目したいところ。
「火鼠」と「唐傘」の共通点と違い
予告映像にて、火鼠の被害となった女中の足からは火が出ていますね。
どうやら今回の事件は人間の体が燃え上がるというもの。
前作「唐傘」の水に対して、今作「火鼠」は火のモチーフとなっています。
火鼠が現れるシーンでは、床で円状の炎が燃えています。
前作にて唐傘は「床が円状に湿る」といった性質を持っていたため、これとの対比となっていることがわかりますね。
前作では御水を中心に描かれましたが、今作の予告映像にも「水」が映っていました。
前作でよく見た「水」とはデザインが違って見えませんか?
「御水」として多くの意味を孕んだ前回のモチーフに対して、今回はただの物質としての水に過ぎないという描写の差別化なのでしょうか。
となると今度は「御火」の描かれ方に注目してみるといいかもしれませんね。
全ての女中はミイラになる
火鼠と唐傘を比較していて気付いた点が。
「遺体が似ている」ということです。
唐傘の被害に遭った女中は、水分を吸われ干からびたような姿になっていました。
そして次の火鼠はというと、火に焼かれる。
そして消し炭になって、同じような黒く干からびた遺体になりそうに見えませんか。
最初に唐傘の被害が出た時に「溺れる」のではなく「干からびる」なんだ、と気になったのを思い出しました。
普通モチーフが水のモノノ怪なら溺死させそうなものじゃないですか?でもきっとそれじゃダメなんです。ただの濡れた水死体じゃダメなんじゃないかと思って。
三部作を通して、モノノ怪の被害者は皆「ミイラ」になるという説が浮かびました。
なにも突拍子もなく突然ミイラと言い始めたわけじゃないんです。
前作のエンドロールを思い出してください。
三つの柱の中心に聳え立つ仏舎利塔のような祠。
仏舎利塔というのは仏教においてお釈迦様の遺体を祀った塔です。
つまりあの中に何があるって、そう、「ミイラ」なわけじゃないですか。
井戸内の祠でいえば周りにもまだ不可解なものが残されていますよね。
女中たちの遺体です。
これらについて当noteでは、時系列が合わないことから唐傘の被害者ではないという主張を度々続けてきました。
火鼠の時系列が唐傘の一月後であることが判明したため、火鼠の被害者でもないことが確定。
つまりは三作目のモノノ怪の仕業?になると思うのですがこれまた同じく干からびたミイラのような姿をしています。
例えばの話ですが、唐傘と火鼠が属性すくみになっていることから三作目のモノノ怪を「木属性」とでも仮定してみましょう。
床から円状に現れた枝木、女中の体に根を張り、エナジードレインのように栄養を吸い尽くす。
これまたミイラの完成が目に見えてしまいました。
まあこれに関しては妄想の範疇を出ませんが、筋が通ってしまっているので一応記してみます。
三体のモノノ怪の被害者が同様の死後に収束するように意図されているのは割と有力な気がしています。
火鼠のモチーフはアレ
火鼠の姿が映る予告映像では、小さくて細くて白いネズミ達が大量に飛び交っていました。
これに対する反応を見ていると、何件か興味深いものが。
「精子がモチーフなのでは」
なんて恐ろしい…。
というのも正直「それかなりあるな」と思ってしまったからです。
何度も触れていますが今作は世継ぎを巡っての物語となりますから、なにも無関係という訳ではありません。
たった一つ選ばれる受精を巡る一億の精子と、たった一人選ばれる天子様の側室を巡る六人の御中臈。
とっさにリンクしてしまって頭を抱えました。
なかなかセンシティブですが、モノノ怪なら全然やりかねない。
以前別記事にて火鼠=疫病(性病)説というのを考察したので、それにも少し繋がってくるかも。
三作目の確定要素
二作目「火鼠」の情報が明かされたことにより、残る三作目について考察の余地が少し増えました。
三作目は過去の大奥を描く
先ほども紹介した井戸内の大量の女中の遺体。
一作目で唐傘が活動していたのは二月あまりであること、麦谷に続き淡島に被害が及んだ際に「この短期間で2人も」というセリフもあることから、
あの甚大な被害者数は唐傘の犯行ではないことがわかります。
もちろん唐傘以後の出現である火鼠の仕業でもありません。
つまりは過去にも大奥でモノノ怪が出現していたことになり、三作目で描かれるのではないかと踏んでいます。
三作目はヤマタノオロチ
二作目の予告映像にて、火鼠の襖カットが明かされました。
唐傘と火鼠の襖カットが出揃いましたが、未だ謎の襖カットが存在しているのをご存知でしょうか。
それがこちら。
こちらはYouTubeの15周年PVの劇場版発表の際に差し込まれた襖カット。
スサノオノミコトの伝説におけるヤマタノオロチが描かれています。
唐傘でも火鼠でもない謎の三つ目の襖…
これが三作目のモノノ怪を表す襖カットなのでしょうか。
とはいっても、三部作であることも一作目が唐傘であることも発表されてない段階で三作目だけ匂わせるのも不思議じゃないですか?
となるとこれ、ラスボス説というのもあるかも。
ここで再び思い出されるエンドロール。
わざとらしくモノノ怪三体にあてがわれた三本の柱と、その中心に佇む謎の祠。
そしてその周りには鱗のある生き物の壁画。
三本の柱が順番に解き放たれて最終的に祠が解放されそう!
直感的にそう感じた人も多いかと思います。
つまりは三体のモノノ怪を倒したあと、ヤマタノオロチがラスボスとして現れるという可能性もかなりありそう…。
火鼠の襖カットによって謎のヤマタノオロチの襖カットが二作目でもないことがわかり、またまた謎が深まってしまいました。
三部作発表以降まったく明かされなかった「火鼠」の情報が明かされ、一気にたくさんのものが見えてきました。
勢いに任せて考察を膨らませてしまいましたが、お付き合い頂けたのなら幸いです。
一作目を改めて見返しての追記や二作目への記事もぼちぼち書いていきたいと思っていますので、ぜひ他記事もよろしくお願いします。