深酔いエッセイ18「独断好音楽考 BAUHAUS」

Bauhausは1979年、確かロンドンの南、サザンプトンで結成された
バンド名は、かの有名なドイツの建築学校の名を取ったものである
メンバーは当時美術学校に通う、イケメン4人
当時ビジュアル系という言葉はなかったと思うが、その先駆けと言ってもいいかもしれない
氷室京介やバクチクも、ビジュアルの部分で影響を受けた、と聞いたことがある
ビジュアルもさることながら、バウハウスで特筆すべきは、その音楽性である
1979年、デビューシングル
Bela lugosi's dead がリリースされた
この曲は後にリリースされたライブバージョンが最高であるが、とにかくギターが素晴らし過ぎる
ゴシック、とか安物の言葉を使う人がいるが、これは一流のアートである
シュールレアリズムの絵を音にしたら、こんな感じか、と思う
また、これは副作用のない、ドラッグである
ジャンカラでスマホをつないで大音量で聴くと、私はトリップする笑
ハウリングやスクラッチ、カッティングにディレイを駆使、バラバラになりそうな音の洪水が、危うい整合性を保って、生き物のように迫ってくる
また、別の曲だが、彼のギター音のサスティーンが長い
サスティーンとは音の長さのことで、普通弦を弾くと、音は徐々に減衰し、聞こえなくなる
しかし、彼のギター音は、減衰しない
なぜなのか、長年謎だったが、彼がサスティナーを使っているのがわかった
サスティナーは、電池の消耗がくるまで、音を響かせるのである
このギタリストが、ダニエルアッシュである
1983年にバウハウスが初来日した際、彼はろくにインタビュアーの質問に答えず、手書きで正確な円を書いていたという

1980年、1stアルバム
In the flat field 発表
その後ライブ盤を除いて、3枚のアルバムがリリースされたが、2ndはまずまずとして、残り2枚はイマイチだった
この1stは、これぞバウハウス!というべき珠玉の一枚である
このアルバムにネタを全て注ぎ込んだ、というような意味では、ぼんちのおさむちゃん的な作り方である
さて、このアルバムはライブ感を出すために、一発録りに近い形で収録された
歪んだベース音から始まるダブルデアーには臨場感があり、ある種の緊張感を聴く者にもたらす
そして引き続くように、緊張感を保ちながら、次曲に移行していく
これは普通のスタジオ盤にはない、流れ、を感じさせる
収録曲は概ね素晴らしいが、前半に名曲が集中している
これもバウハウスのおさむちゃん的センスであろうか
限りなく乾いた音のギターで始まるアゴッドインアンアルコーブ、シンプルなギターとベースの上で、ピーターが切なく歌うザスパイインザキャブ
中でも私が一番だと思うのは、やはりタイトル曲、インザフラットフィールドである
この曲を説明しなさい、という試験問題がもしあったとすれば、
それはわからない、が正解である
一言で言うと、なんじゃこのギター
始まりから緊張感を高め、ラストにはそれが絶頂となる
この曲のギターを言葉にするのは難しいが、あえて言うなら、
暗闇を引き裂く閃光、と言うべきか

このアルバムのジャケットが印象的である
暖炉の横で、笛のようなものを吹く、全裸の若い男のモノクロ写真
これを撮った写真家の名前は忘れた

最後は元バウハウスメンバーの一部近況である
私の友人によると、ベースのデイブジェイはアメリカで活動しているが、全くと言っていいほど、老けてないという笑
一方、ボーカルのピーターマーフィーは禿げている
若い頃からやばそうだったが、やはり禿げた
しかしアーティストが禿げると、普通はスキンヘッドにするものだが、彼はそうしない
波平系の頭で、顎に白い髭を生やしている

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