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喫煙所配信者の頭の中 #2
配信者も人間だ。
何を当たり前のことを……と笑われるかもしれない。
けど、配信を続けているうちに、お互いどうもそこが鈍る瞬間がある。
19:25。
職場の休憩時間に15分だけ、配信をした。
真っ黒な背景、無言。
一言も話さなかった。
無言の抵抗。
前々からあった現象ではあったのだけど、
体調不良を延々と語る人が増えつつあって、
それがどうにも頭痛の種だった。
話の流れも無視、こちらの提供する話題に反応してくれるでもない。
一人語り、自分語りをする人。
あたしの知らない他枠の話を延々と続ける人。
流して、見て見ぬふりをし続けて来た。
みんなで笑いたかったから。
そんなことが続いていたのだけど、
我慢の限界は来ていたらしい。
最後の糸が音を立てて切れた気がした。
好き勝手に話したいなら、そうすればいい。
その場を提供してあげるよ。
あたしの声は必要ないだろう。
声聞きに来た?
だったらcastでも流しとくよ。
はい、君の望んだものだよ。
そんな気持ちだった。
15分間、勝手に溢れる涙を溢れるに任せて、
コメントでやっとの思いで言えたこと。
『あたしと話してくれる気がないなら、
⠀ あたしの前から消えてくれ』
『あたしも君の前から消えてあげるから。』
『毎回毎回毎回毎回!!』
『何回言っても「体調悪いー」』
『知るかボケ!!ってなった結果、今です』
もう限界だった。
怒りで溢れる涙もそのまま、配信を切って仕事に戻った。
離れていくなら好きに離れて行けばいい。
あたしだって一人の人間で、君たちの感情のごみ捨て場ではないんだよ。
だから、君たちが望まない方向だろうと、
あたしはあたしのやりたいようにやることにするよ。
言葉は呪詛だ。
あたしはそう思っている。