笑って逝ければ最高!
私はとってもお笑いが好きです。
生まれが京都の北山杉に囲まれたK町。町村合併でいまは京都市民です。
そんな私の感性を育ててくれた一つが「吉本新喜劇」です。今の新喜劇ではなく、ずっと昔の、ベタでしつこい笑いの吉本興業の劇団の頃ですね。
知る人ぞ知る岡八郎、花紀京全盛の頃です。
ドリフのように計算されつくしたグループコントでなく、大筋はなんとなく決まっていて、役回りも展開もほとんど同じ。でも繰り出されるアドリブとギャグが予想外で、いきなり素の自分をさらけだしても笑いに変えるという至難の技が、またおもろい。決まりきったギャグにも辟易しましたが・・・(例:間寛平「痒い~の」とか)、とにかく笑えて楽しかった。
それと新喜劇前の漫才タイム。横山やすし・西川きよし、最高でした。
とにかく人間形成前の幼児期の善悪もわからない私の脳は洗脳(汚染?)されたものです。
この感覚は、多分、関西で育った者には共通だと思います。
土曜日の午後は吉本新喜劇。当時はビデオ機器など便利なものはないので、まさにお笑いとも「一期一会」。白黒テレビにかじりつきチキンラーメンを頬張りながら笑っていたものです。
そんな吉本笑いに洗脳されてしまった私が、つくづく「関西人やなぁ」と実感したのが、あるワークショップで私がみなさんにした問いでした。
「看取りの時間に流してほしい曲はなんですか?」
こんな時の質問は「誰に看取られたいですか?」という、ほぼ現実にはムリゲーの質問だったりします。「家族に」というお約束の回答でお茶をにごすのが関の山です。
以前から疑問でした。ハテ・・・本当にそうですか?できます?
そんなありきたりな、できもしない(まだまだ病院死が多いですからね)質問って意味ありますか?
まずは自分で準備しておいて確実なのは音楽でしょう、ここは。なにしろ耳の感覚は最後まで残っているといわれますからね。ベッド回りでたたずむ(見下ろす)医療チームの何気ない会話や遅れてきた家族のヨヨと流す涙声なんか聞いたら、「遅せえよ!」と腹が立って逝くに逝けない(笑)。
だったら音楽でしょう、そこは・・・
さて、みなさんならどんな曲を望みますかね?
みなさんから発表されて、いまでも思い出すのは次の3曲です。
・「宇宙戦艦ヤマト」のテーマ曲(♪さらば~地球よ~旅立つ船は~のフレーズがたまらなく好きらしい)
・「コンドルは飛んでいく」(サイモンとガーファンクルのあの歌声に送られたいとのこと)
・「愛しのエリー」(サザンの大定番。そしてエピソードも桑田佳祐の亡くなった姉に贈った歌。そのまんまです)
みなさんから返ってくる曲名の多くが、どちらかというと元気な歌なんですね。どっちかというと応援ソングなんですね。
・「負けないで」(zard。負けないでもう少し最後まで走り抜けて♪)
・「ガッツだぜ」(ウルフルズ。根性で生き続けたいから、とのこと)
・「時代」(中島みゆきの代表作。人生の来しかたを振り返るにはいいですね)
どなたも「千の風にのって」(作詞・作曲:新井満)を上げる人はいません。あまりにリアルだし、ちょっと悲しげですからね。
「瞳をとじて」(作詞・作曲:平井堅)もつらい。
では、わたしは?
そこなんですよね。正直に書きます。私に浮かんだのは「吉本新喜劇」のオープニング曲なんですよね。
それが関西人におなじみの『フンワカパッパ〜♪』なのです。
関西以外の人にはピンとこないのでゴメンなさい! 下記のURLからどうぞ!
URL https://kouboupiano.com/archives/37357
いかがですか?
ウキウキしません?笑っている気分になりませんか?
これ、オリジナル曲だと思ったら、さにあらず。『Somebody Stole My Gal』という曲との事。
この曲がはじまると「さあ、おもしろいことがはじまるぞ!」「さあ笑ろたろう!」とマインドセットする自分が50年経ってもいるというのが驚きでおます。
たぶん、関西人でお笑い好きの人は阪神ファンの「六甲おろし」くらいに反応するんじゃないでしょうか。
今夜も寝る前に聴いてみようと思います。
もちろん、逝くときにもBGMには、これイチ押しで!と伝えておこうと思うておまんにゃわ。
ぽてちん!・・・(小坊主:白木みのるの一発ギャグ)