【轟音感想】Brodequin ー Harbinger Of Woe
はじめに
気がついたら4月も終わろうとしている。。。
前回の投稿が2月末でしたので、2ヶ月ぼんやりとしていました。
3月は子供たちが春休みに入ったりで音楽の時間を確保できず、聞いてもHiphopだったりエレクトロニカだったりでしたが、3月22日にはあのバンドがこのアルバムを発表してwktkでした。
Brodequinというバンド
はい、Brodequinです。
バンド名はフランスなんかで使用されていた拷問器具、ブロデカンです。
足を拘束して苦痛を与える器具らしいです。昔読んだ新書「国王の死刑執行人サンソン」という本で登場してきたことを覚えています。
死刑執行人は最も見下されて尊敬もされない、しかし社会に必要とされながらも差別的な扱いをされてきた職業。
フランス国王に仕える死刑執行人の一族にサンソン家という有名な一族がありまして、シャルル・サンソンと後にルイ16世を処刑するのですが、そのサンソン家の初代がフランス北部のルーアンで処刑人の娘に恋に落ちたエピソードがあります。
その処刑人は自分の娘が堅気の男と付き合っていることを知って、自分の娘をお仕置きした際に使用したのがバンド名にもある「Brodequin」でした。
ちなみにこのサンソン家は、ジョジョの奇妙な冒険第7部ことスティール・ボール・ランの主人公の一人ジャイロ・ツェペリのモデルにもなっています。
そして似たような一族が、江戸時代に存在していた山田浅右衛門。
フランスのサンソン家、江戸の山田浅右衛門、どちらも世襲制の処刑人の一族で、剣と処刑の達人、そして医師であった(山田浅右衛門は薬の製造を行なっていた)共通点があります。
サンソン家については、坂本眞一の「イノサン」が面白いです。
で、バンドの方はアメリカのテネシー州に1998年に結成。
Bailey兄弟+@1という編成で、
兄のJamie BaileyがVo,Bass、弟のMikeがGt。
この二人はBrodequinの他でもLiturgyであのMatti Wayと一緒に活動。
JamieはあのMatti WayとRicky Myersの元DisgorgeペアとCineraryで活動。
こちらは以前この【轟音感想】でも紹介済み。
DrはBrennan Shackelford。Liturgyでも一時期ドラムを叩いてた方。
Brodequin、僕が一番熱心に聞いていた2000年代では、USブルデスシーンは
「とんでもねぇデスヴォイス、ガテラルを聞くならDisgorge、Devourement、Brodequin」って印象でした。
アングラで無機質でザラついていて、無慈悲で、ひたすらにジリジリとノイズな音をぶっ飛ばすサウンド
上記3バンド、等しく好きですがこのBrodequinは特に好きでしたねぇ。一番聞きこんだ気がする、そんな思い出話。
Harbinger Of Woe
アルバムタイトルを直球和訳するなら「深い悲しみの前触れ」
Woeはカタカナで表すと「ウォゥ」と発音します。
Track List
1.Diabolical Edict 03:28
2.Fall of the Leaf 02:34
3.Theresiana 03:03
4.Of Pillars and Trees 04:03
5.Tenaillement 02:53
6.Maleficium 03:10
7.VII Nails 02:18
8.Vredens dag 03:20
9.Suffocation in Ash 03:05
10.Harbinger of Woe04:05
Total 31:59
感想
Brodequinは1998年から活動していて、途中約7年の活動休止があったものの、30年近くも活動している大御所バンドです。
そんなバンドの新譜に求められるもの、求めるもの、それは新鮮な不変さだと思うんですよね。
こう来たか・・・でも、やっぱりそうだよね!と膝を打って首を振るサウンドです。
Jamieのガテラルは地の底を穿って進むど低音で、ギターがすげぇグルーヴィーでノリノリです。
どことなくRob Zombieの激しめの曲のリフに通じるノリを感じられるものの、基本的にかつ徹底してノイジーで攻撃的な、聞く耳を虐げる暴虐サウンド。
それでいて3曲目の「Theresiana」のように荘厳な怪しげな宗教的なSEが入っていたり、荘厳さも入って展開の広さはすごいです。
こういうブルデスは金太郎飴的に似たような曲になりがちだけども、曲それぞれに個性があってすごいなぁって感じますた(小並感