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2025年2月15日(土)《GB》
《UMEの謎は深まるばかり。UMER以外には見えない存在。見えないけれどもいるんだよ。何か怖い》
【冒険者組織会議室:UME研究会】
「じゃあそろそろお開きで」
「お疲れ様でしたー」
やるべきことは全て終わったと全員が感じていることを認識した秋野 康臣が発した言葉を聞いて、参加者全員が解散の挨拶を行った。ここは冒険者組織会議室。本日は朝からUME研究会の会合が行われており、先月に引き続いてUMEの正体についての話し合いが行われた。結果本日の会合で明らかになった事は何もないが、全員のUMEに対する認識がある1点に近づいている感覚はある。もしかすると全員が全く同じ観点を持った際に何か秘密が暴かれるのではないかと三矢 義英が先程持論を熱く述べていた。
「それで藤花さんこの後どうします?」
「ん、私はこの後きみと行動を共することになってるのか?」
当然のように隣を歩いていた澤口 恭平に声をかけられた有村 藤花は質問に対して質問で返事を返す。この会合の後の予定は全く考えておらず、とりあえず昼ごはんを食べに『AXIS』に行こうかとは考えていた。返した質問に対して澤口は何も言わずに隣を歩いているが、こちらも別に何も言わなくてもこのまま『AXIS』まで付いてくるのは容易に想像できる。
「藤花さんお先にー」
「恭平またな」
こう声をかけながら結城 香純と財津 彩人が仲良く一緒に帰っていく。何か見た感じカップルに見えなくもないが2人が付き合っているという話は聞いたことがない。この後2人は冒険者組織本館を出て県道337号線へと向かう。そして県道337号線に出ると左に曲がり、しばらくすると『AXIS』に到着した。
「いらっしゃいませー」
店内に入ると大きな声で声をかけられる。現在の喫茶部担当は桑野 絵梨花である。
「桑野さんおつかれさまです。ここでいいですか」
挨拶を返した有村の言葉を聞いて、桑野は笑顔で首を縦に振ることで質問の回答とする。この後、有村と澤口はランチセットを食し、食後のドリンクまでのんびりといただく。そしてこの後の予定もなかったので、このまま『AXIS』で時間を潰したのであった。