1999年12月22日(水)
【熊大第2迷宮:>>1さん部隊】
「ここからは清吾頼む」
「うむり」
階段を降りて地下4階に辿り着いた瞬間、森下 翼が声をかけて来たので大島 清吾がそれに返事を返した。ここは熊大第2迷宮。>>1さん部隊は本日から地下4階の探索を開始している。地下4階は特殊な空間であり、罠解除士の亜獣探知の能力が使用できない。そこで先程の地下3階までは罠解除士で隊長でもある森下が部隊を率いてきたが、亜獣探知が効かないこの場所では、実際に亜獣の初撃に対処する副隊長の大島が全員への指示を行うには適任なのである。
「では俺を先頭に近辺を少しずつ動き回ろうか」
こう言って大島は両手剣を構えた臨戦体制のまま移動を開始し、その後ろから同じく剣を構えて回りに意識を集中しながら宮崎 桃と飯島 桜が続く。そして後衛3人もいつも以上に緊張した様子で後をついて移動を行う。しばらく通路を進んでいくと少し広い空間に出る。見たところ亜獣の存在は見当たらないが、何かしらいるような気配はビンビン感じている。
「左斜め前から亜獣来てます」
いち早く亜獣の接近に気づいた森下が声を上げ,戦士3人は意識をそちらに向ける。ちなみにここで森下が亜獣の存在に気づいたのは亜獣探知能力ではなく、単に視力が他のメンバーよりも良かったというのが理由である。
「TNT爆発」
「無効」
存在が確認できた亜獣に対して細川 舞美がTNT爆発、宮崎 藍が無効を唱える。ダメージは与えられたようであるが、亜獣はまだ数体残っており、こちらに近づいてくる。
「行くぞ」
「了解」
先頭で亜獣を迎え撃つ大島が発した言葉に桃と飯島が返事を返す。近づいてきた亜獣は2体の陸竜と3体の鬼娘であり、陸竜が戦士に攻撃を仕掛け、鬼娘は後方で何か呪文を唱えているようである。この後は戦士と陸竜の肉弾戦が続き、後方の鬼娘の1体から大爆発に類似した呪文が詠唱される。これにより部隊全員がダメージを負ったが、他の2体は先程の無効の呪文が聞いているらしく、魔法を唱えられることはなかった。この後,ダメージを喰らいながらも何とか陸竜2体を消滅させ、その後で鬼娘に攻撃を加える。鬼娘は直接戦闘は苦手なようであり、案外簡単に消滅させることが出来た。
「お疲れー。物質回収します」
こう言って森下が物質回収に向かう。いつもであれば戦士は部隊のメンバーがいる場所に戻るのであるが、今日は森下が亜獣探知を使えないので、回収の間は戦士が辺りを見張っておく必要ああり、森下の周りで警戒を続ける。この後、回収と全員のダメージ回復を終わらせたあとは探索を再開する。そしてこの後3回亜獣との戦闘を行って本日の探索を終えることにしたのであった。