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2024年11月23日(土)《GB》
《何やら騒々しいウームと謎の体調不良ですが、本編の内容とは関係ないです。スピンオフで書けるかなあ》
【道:桑野 絵梨花・三嶋 雪奈・川島 くるみ・山内 亜弓・伊達本 真理】
「私見えるんだよ」
「え、本当ですか?」
先程まで黙って話を聞いていた桑野 絵梨花が漏らした言葉を聞いて、隣に座っている三嶋 雪奈が驚きの表情で返事を返した。ここは居酒屋『道』。本日は祝日の土曜日であり、店内はたくさんの客で盛り上がっている。冒険者組織では10月の71期採用試験からほぼ1ヶ月半が過ぎており、先日71期の部隊では初となる探索を推しの子しかのこ元気な子部隊が行っている。そして他の4部隊も来週か再来週中には探索を開始予定だ。そこでとりあえずはひと段落という状況になるので、本日慰労を兼ねて飲み会を実施しているのである。ちなみに桑野はすでに冒険者組織を退職しているが、最近冒険者組織で起こっている事象について話を聞いて欲しいという理由で呼び出されたのである。
「AXISに良く来る子達なんだけど、普通の人には見えない何かを出せるみたいなんだ。あの子達はそれをウームって呼んでる」
「うーむ・・・あ、違いますよ」
ウームについての説明を行った桑野の言葉を聞いた伊達本が思わず上げた唸り声が今話題のウームとかぶってしまい、それを狙って言ったわけではないことを全力で否定した。
「私が見たのは狼、猪男、ごめユニコーンかな。他にも虎とか竜とかウサギとかいるらしい」
「そうなんだ。何か不思議な現象ですね」
自分が実際に見たウームについて桑野が説明し、それに山内が感想を漏らす。今現在わかっていることはウームはウーム使いにしか見えないことと、ウーム自体に実態はなく、目に見える以外に何の効果も持たないということである。ちなみに桑野はウームを見ることが出来るが、自分ではまだ発現できないようだ。
「あと、謎の体調不良も気になりますね」
「あ、そういえば水無ちゃんも体調崩してたな」
少し話題を変えて三嶋が最近起きている冒険者達の謎の体調不良について口にし、それに桑野が返事を返した。直近で体調不良の申告が上がった冒険者が数名おり、その症状が似通っている。ただ病院に通院するも不調の要因は特定できていないのだ。
「戦士だと原田くん、本田くん、黒瀬くん辺りかな」
「結構な人数いますよね」
直近での体調不良者を三島が口にし、それに伊達本が返事を返す。声が上がった体調不良者は現在8名であり、入隊期と職業はバラバラであるが、共通点としては全員セカンドチルドレンであることがわかっている。
「何なんだろうね。さしよりビールおかわりしようかな」
不思議な現象に頭を悩ました桑野だったが、ジョッキが空いたのでおかわりを頼むことにする。他のメンバーのジョッキも空いていたので、合わせて5杯の追加注文を行ったのであった。