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1996年11月20日(水)《BN》

【スタジオ:原田 公司・富田 剛・本田 仁】
「やっぱりなんだかんだでXがおもろいですよね」
「安定感はでかいな」
 負けて席を立ちながら発した富田 剛の言葉を聞いて、代わりに席に座りながら原田 公司が返事を返した。ここはゲームセンター『スタジオ』。現在14時を少し回った時間であり、店内はたくさんのゲーマーたちで賑わっている。本日午前中鍛錬を行なった原田と本田 仁は、昼からゲーム三昧で楽しもうと計画し、まずはレストラン『北食2階』で昼ごはんを食べることにする。そしてその後はすぐさま『スタジオ』へと向かい、当然のように入店したのである。『スタジオ』はまだ黒髪に熊本大学があった頃から存在しており、もちろん原田が熊大に入学したときには存在していた。原田は大学入学当初から『スタジオ』に入り浸っていたので、足掛け8年間『スタジオ』と共に成長してきたと言っても過言ではない。しばらく原田と本田の2人はキングオブファイターズ96の対戦を楽しんでいたが、程なく富田がやって来て合流する。そしてそのまま3人でキンタ96対戦を行なっていたが、富田がストⅡXがしたいとわがままを言い始めたので、その要望を聞いてあげることにしたのだ。そしてまず本田がリュウ、富田がキャミイを選んで対戦し、良いところなく富田のキャミイが敗北したのである。
「原田さん敵を取ってください」
「リュウ結構辛いんだよな」
 こう言いながら原田はメインキャラのガイルを選択する。ラウンド開始していきなりリュウは波動拳を打ち、ガイルはソニックブームを打つ。すると飛び道具は相打ちで消滅し、リュウの硬直にガイルの裏拳が命中する。これは初代ストリートファイタⅡから何度も見てきた光景であり、究極のお約束である。この後はガイル有利で試合が進み、1ラウンド目はガイルが勝利する。
「本田くん。どうした」
「いや、ちょっと失敗しました」
 1本目を取られた本田の後ろに富田が移動して声を変えると、本田が冷静に返事を返す。キャラ的にはややリュウが有利らしいがこの2人はほぼ互角の戦いであり、一瞬の油断やミスで勝敗が分かれると言っても過言ではない。この後は本田のリュウが絶好調の動きを見せ、2本目3本目を連取し勝利する。そして原田と交代した富田はキャミイでは厳しいと判断し、ターボまでのメインキャラであるケンを選択して乱入したのであった。

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