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1999年8月16日(月)
【戦士鍛錬場:外口 デニム・丸山 静江・澤口 忍・菅原 泰造・遠山 華蓮・深山 政樹】
「うん。少し体がなまってる」
「そんなことはないよ。動きキレッキレ」
剣を大きく振りながら漏らした外口 デニムの言葉を聞いて、丸山 静江はそれを真っ向から否定した。ここは午前中の戦士鍛錬場。本日もたくさんの戦士が鍛錬を行っている。冒険者組織はお盆休みで13日から15日は休みであった。とはいえ、14日は土曜日、15日は日曜日なので、通常のカレンダーとほとんど変わらない。土曜日日曜日は鍛錬場が空いてないので、普段でも土日の2日間は鍛錬を行わない。今回の盆休みはそれに金曜日が加わり、金土日の3日間お休みとなったのだ。とはいえ、3連休ぐらいは普通にあるので、これで体がなまったりするようなことないのである。
「まあ1日鍛錬開くと少しなまった気はするよな」
「気がするだけだよ」
同じような話を菅原 泰造も口にし、その言葉に遠山 華蓮が突っ込みを入れる。1日休んで体がなまるのであれば極論毎日鍛錬しないといけない。鍛錬大好き人間ならともかく、遠山は1年365日毎日鍛錬などまっぴらごめんなのである。
「俺あんまりわからんな」
「俺もー」
鍛錬を休んで体がなまる感覚について、澤口 忍と深山 政樹が感想を述べる。これにより、体がなまるという感覚を持っているのが外口と菅原の2人になるのである。
「2人は鍛錬場休みの日もどっかで鍛錬すればいいよ」
「お、ナイスアイデアかもしれん」
軽くため息をつきながら発した遠山の声を聞いて、我が意を得たりという表情を浮かべる外口が菅原に目を向けると、菅原もサムズアップで今の話に同意する意を返す。この後菅原は遠山に視線を向けるが、自分は絶対に参加しないという意思を込めて体の前で大きくバツ印を作ったのである。