1999年9月24日（金）

【AXIS：本田　仁・水井　華代・富田　さやか・富田　剛】
「やってるんだっけ？」
「やってますよ。パチ屋舐めんなよ」
　疑問を呈した富田　剛の言葉を聞いて、本田　仁が威勢よく返事を返した。ここはゲーム＆喫茶『AXIS』喫茶部。現在14時を少し過ぎた時間であるが、店内には富田と本田、そして富田　さやかと水井　華代の4人しかいない。本日の朝に熊本に上陸した台風18号であるが、ここ黒髪地区にも大雨と暴風をもたらした。現在の時間にはすでにだいぶん通過しており、雨も風も落ち着いている状況だ。こうなると近所の人たちも台風後の状況を確認しようと外に出てきており、随所で後片付けなどの作業が行われている。この状況なので冒険者組織も本日は休館であり、『AXIS』も今の時間まではとりあえず店を開けていなかったのである。店の周りや、前の道の片付けをやっていると、本田と水井がやってきたので、いったん店の中に入ってもらったのだ。するとまだご飯を食べてないと言われたので、富田　さやかが簡単に料理を作ってもてなし、料理を食べ終わった後でこの後の予定を富田が質問すると、スロットでも打ちに行こうかと考えていると言われたので冒頭の会話となったのである。
「ということで俺らは勝負に行ってきます」
「あ、ごちそうさまでした。美味しかったです」
　右手を挙げながら本田は出口に向かって行き、水井は食事のお礼を丁寧に述べて、頭をペコリと下げる。そして本田の後ろをついて出口へと向かう。それを見て富田は右手で敬礼をするポーズをとり、2人に聞こえるように言葉を漏らした。
「無茶しやがって」
「あ、それ負ける前ふりじゃないですか」
　有名なAAのセリフに気づいた本田は、振り返りつつ笑顔で突っ込みを入れるのであった。