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1997年2月20日(木)《BN》

【熊大迷宮:星のまたたき部隊】
「悲しいけれど、終わりにしようきりがないから♪」
「元気でいてね、Adventure is over♪ 」
 探索の終わりを名曲のフレーズで宣言した宮下 亜希に続けて、奥谷 久夫が少し歌詞を変えてクライマックス部分を歌い上げた。ここは熊大迷宮。星のまたたき部隊は本日も地下10階探索を行なっている。出現する亜獣と次々と戦いつつ、ボスであるワードナ出現を期待したが、結果ワードナと遭遇することは出来なかった。全員の疲労感もかなり溜まってしまったこともあり、ここで本日の探索の終了を決めたのである。また、星のまたたき部隊は今月を持って引退することを決めているので、実質本日が最終探索となり、冒険者としてもこれで終わりと言うことになるのである。
「じゃあ取り敢えず帰りましょうか」
 こう話しながら宮下が先頭を切って瞬間移動区画に入り、隊員たちも続けて移動する。そして全員が区画に入り終えると、瞬間移動で飛ばされて迷宮の入り口へと戻って来たのである。
「お疲れ様でしたー」
 全員が迷宮から外に出たタイミングで、本日の探索を労いあう。そしてこれは本日だけではなく、今まで行なってきた期間の探索や鍛錬への労いの言葉も含んでいるのだ。
「じゃあおいらはレア物質提出してくるけど、昼ごはんは南レスでOK」
「OKOK〜!」
 罠解除士の宋 俊治が最後の物質提出に向かいながら質問し、それに宮下が明るく返事を返す。この後はいつものように『南食レストラン』で一緒にランチを食しながら、今日行った最後の探索について感慨深くいろいろと話をする。そして今まで第1迷宮探索で起こった様々な事象についても懐かしく話し合いながら、冒険者として最後の探索後ランチを堪能するのであった。

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