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2000年1月31日(月)
【戦士鍛錬場:外口 デニム・深山 政樹】
「さすが情報が早いな」
「俺の情報網を舐めてもらっちゃ困るぜ」
感心した表情と共に発した外口 デニムの言葉を聞いて深山 政樹はにやけ気味に返事を返した。ここは午前中の戦士鍛錬場。本日もたくさんの戦士が鍛錬を行っている。先程まで一緒に模擬戦を行っていた外口と深山は、好勝負を繰り広げた後で現在はベンチに座って休憩中である。先週鍛錬中に軽い告白めいたことを稲村 理可から言われた外口は悩みに悩んだ挙句、付き合ってみることを提案する。それにもちろん稲村も了承したので、外口はシングル状態を脱出したのである。ただ、このことを外口は口外していないので、情報が漏れるとすれば稲村サイドからであろうが、そのことを把握している深山の情報網に感心したのである。
「でも稲村ちゃんかあ。デニムのタイプではなさそうだけどな」
「うーん、自分のタイプは良くわからんけどな」
今までの情報を総合した深山の言葉に、外口は少し考えながら返事を返す。好きな女性のタイプについて外口は今までルックスよりも雰囲気を重視しており、ふっくらとした癒し系を好む傾向にあった。とはいえ姉3人が超美人ということもあり、ルックスの条件も全然甘くはない。稲村は戦士らしくほっそりとした美人系であり、ぱっと見性格もキツそうに見える。だが、今まであまり深く付き合っては無いので実際のところは良く分からないのだ。
「まあ今後の展開が楽しみやな。何かあったら報告よろしく」
こう言って深山は手に持ったお茶をぐいっと喉に流し込む。
「ところで政樹は彼女とうまくやってるの?」
自分のことは話終わったので今度は深山について質問してみる。すると深山は平然と返事を返した。
「うまくっていうか、遠距離だしね。でも正月も会ってきたから問題ないと思う」
こう深山が話したタイミングで同じ部隊のメンバーたちが模擬戦から戻ってきたので、この話は一旦終わりにすることにした。