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1999年7月6日(火)

【AXIS:大塚 まこと・村川 静音・富田 さやか・大塚 瀬名・村川 梨花・富田 穂樽】
「梨花ちゃん久しぶりに見ましたよ」
「大きくなりましたよね」
「それは瀬名ちゃんと穂樽ちゃんも一緒だよ」
 キッズスペースに視線を向けて大塚 まことと富田 さやかが言葉を発して、それに村川 静音が返事を返した。ここはゲーム&喫茶『AXIS』喫茶部。現在時間はまだ午前中であり、店内には他に客がいない状況である。久しぶりに娘を連れて静音が遊びにきたので、3階で瀬名と穂樽の世話をしていたまことが1階まで降りてきて、現在テーブルに座って3人で話をしている。キッズスペースで遊んでいる大塚 瀬名、村川 梨花、富田 穂樽は同い年であり、今年2歳になる。その中でも梨花は元気いっぱいであり、瀬名も活発な女の子だが、穂樽は少しおとなしめである。なので、3人を見ていると梨花が何かをして、瀬名が手伝い、穂樽がそれを見て笑っているという構図になることが多い。
「3人たまたま同い年だからこのまま仲良く成長してくれるといいわね」
「少なくとも幼稚園、小学校、中学校までは一緒でしょうからね」
 同い年に生まれた娘たち3人を見つめながら村川が言葉を漏らし、それに大塚が返事を返す。現在は特に保育園等に預けてはいないが、4歳になったら黒髪幼稚園、その後黒髪小学校、桜山中学校に通う予定である。
「3人とも熊大に進学して冒険者になったら笑うわよね」
「別に笑いはしないけど、うちは父親が今でも現役だから、パパと同じ仕事したいーとか言いだすかもしれないんですよね」
 子供達が大きくなった姿を想像しながら村川が言葉を発して、大塚が返事を返す。3人とも両親が冒険者もしくは元冒険者なので、どうしても冒険者という職業が身近になってしまい、将来の選択肢に入る可能性も高くなるのである。
「何となく、梨花ちゃんが戦士で、瀬名ちゃんが罠解除士、穂樽が魔術師かな」
「具体的に将来が見えてる!」
 冒険者になった場合を想像し、職業まで空想している富田の言葉に、大塚が笑いながら突っ込みを入れるのであった。

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