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1997年1月4日(土)《BN》

【六文銭:森下 翼・大島 清吾・飯島 桜・宮崎 桃・宮崎 藍・細川 舞美】

「えっと、別に何もないけど?」
 特に何かを隠す様子もなく宮崎 藍が質問に答えた。ここは居酒屋『六文銭』。本日から営業を開始したみたいであるが、あまり客は多くなく、落ち着いた雰囲気の店内である。>>1さん部隊のメンバーたちは本日に新年会を予定しており、約束の19時には全員集合して、予定通り新年会を開始している。年末年始は実家に帰ったり、どこかに旅行に行ってすごしたりしたので、まずは近況報告をつまみに美味しいお酒と楽しんでいた。そしてある程度全員の報告が終わった後で、大島 清吾が宮崎 藍の恋愛事情について質問してみたのである。普段そのような話はほとんどしないので、質問されたことにまず疑問の感情が湧いたが、実際に何もないので正直に返事をしたのである。
「え、清吾くんどうしたのー?何かあるのー?」
 何かワクワクした表情を浮かべながら宮崎 桃が声をかけてきたので、それを聞いた大島は軽くため息をついた後で返事を返す。
「いや、何でもない。気にしている奴がいるから聞いただけだ」
 冷静な返事だったが、気にしている奴がいるという言葉を桃が見逃すはずがない。
「気にしている人がいるのー、誰誰ー教えてー」 
 前のめりになって話に入り込む桃を見つめながら、藍はため息をつく。
「桃、落ち着いて。いったんこの話はなし」
 少し怒ったような表情でこう言われたので、桃は不満げな表情を浮かべながら体勢を元に戻す。これをみて大島もこの話は終えることにした。
「あーあ、私にも気にしている人がいないかなー」
 こうぼやいた後で桃はカルアミルクを口に運ぶ。
「えー、桃ちゃん可愛いからいると思うよー」
「私も同意です」
 笑顔を浮かべながら飯島 桜と細川 舞美が優しく声をかけてきた。これを聞いて桃は嬉しい表情を浮かべたが、飯島と細川が自分以上に可愛いことを認識しているので、少し複雑な感情になったのであった。

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