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1999年2月24日(水)

【AXIS:大塚 仁・本田 仁・富田 剛】
「いやー、ショックだよね」
「リストは見てましたけど、実物見るとショック過ぎますよ」
 あるカードを手にしながら大塚 仁が発した言葉に本田 仁も同調した。ここはゲーム&喫茶『AXIS』。ランチタイムは終わっている時間なので、店内は静かでまったりとした雰囲気である。本日大塚と本田は午前中の鍛錬の後、『AXIS』で昼食を食べることは決めていたが、ここに来る前に昨日発売されたマジックザギャザリングのエクスパンションであるストロングホールドのカードを建軍にあるカードショップ『HAT』で数箱購入して来たのである。そして、料理を待っている間に何袋か開封し、その中のあるカードを見て先ほどのセリフを吐いたのである。ちなみにそのカードとはその名の通り“ショック”というカードであり、赤マナ1マナで唱えられるインスタント呪文で、その効果は敵1体かプレイヤーに2ダメージを与えるというものである。これだけ聞くと何がショックか分かりづらいが、元々似たようなカードにライトニングボルトというカードがあり、これはショックと同じ条件で3ダメージを与えるものなのである。なので純粋に弱体化をしたカードだと言わざるを得ないのである。
「おまたせー」
 そうこうしていると注文した料理を富田 剛が運んできた。そして富田が料理をテーブルに全部置きおえたタイミングで先ほどのカードを富田に手渡す。
「ショックー、ショック!」
 そのカードのあまりものショックさに富田はピンクレディーの透明人間という曲の1フレーズを叫ばずにはいられなかったのである。

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