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1996年11月22日(金)《BN》

【ハイライト:小林 みゆき・山口 可奈・大田黒 佳美・古川 美穂】
「意外と頑張ってるわね」
「ちょっと過小評価しすぎてた感があります」
 赤ワインを優雅に口に運びながら大田黒 佳美が発した言葉を聞いて、小林 みゆきも感想を述べた。ここはスナック『ハイライト』。金曜日の夜ということもあり、店内はたくさんの客で盛り上がっている。本日も通常通り業務を行った冒険者組織の教官4人は、仕事終わりに合流し、『ハイライト』で1杯飲むことにしたのである。15期の採用試験から1ヶ月半ほど過ぎて、今週人類補完計画部隊と黄金勇者部隊の2部隊が探索を開始している。奇数期であることと、採用時の感触的に全体的なレベルが低いのではないかと評価していたが、今週の2部隊の探索は全く問題なかったようであるし、残りの3部隊の状況も採用試験合格時からかなり改善しており、他の期と比べても遜色のない状況となっているのだ。ただ、流石に歴代でレベルが高い期と比べるとそこまではないので、まあ一般レベルであるとの評価が妥当であろう。
「戦士は14期と比べてこじんまりとまとまってる感じですね」
 戦士の状況を小林が口にする。14期のTOP層数人は少し実力が抜けているが、それを除けばあまり差がなく、逆にそこまで実力が低い者がいないのも確かなので、平均的な実力を持っている者が多い印象だ。
「魔術師は翁長くんが少し抜けてるのと、本村さんと勝呂さんが少し厳しいかな。総じて14期よりはレベルが低そう」
 続いて魔術師の状況を大田黒が述べる。魔術師は全体的にあまりレベルが高くなさそうであり、今後の状況を見極める必要がありそうだ。
「僧侶は悪くないと思います。全体的に及第点です」
 次に古川 美穂が僧侶の状況を口にする。僧侶は全体的にある程度の能力は持っているようであり、きちんと鍛錬をすれば大丈夫の見込みだ。
「罠解除士は新藤さんは良い感じだけど相田くんがちょっと厳しいかも」
 最後に山口 可奈が罠解除士の状況を報告する。安全に迷宮を探索するためには罠解除士の亜獣探知能力が非常に重要であり、その能力は必須と言っても過言ではない。ただ、その能力が心配な冒険者がいるようである。これで全職種の紹介が終わり、この後は実際に探索を行なった部隊の話に続く。そして話をしながら何気にお酒を飲み過ぎたので、帰る時間には4人とも結構ヘロヘロになっており、千鳥足でタクシーに乗って自宅へと帰ったのであった。

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