1998年7月1日(水)
【熊大第1迷宮:>>1さん部隊】
「よっしゃー解除できたー」
右手でガッツポーズをしながら森下 翼が大声で喜びを表した。ここは熊大第1迷宮地下9階。本日も>>1さん部隊は地下9階に降りてきて、まず森下がボスの部屋へと続く扉の罠解除をためしていたのである。10分ほど罠と格闘して、ついに罠を解除することが出来たのだ。
「おー、翼くんおめー」
「さすがですー」
自慢げに部隊のところに戻ってくる森下に宮崎 桃と飯島 桜が声をかける。それに対して森下は笑顔でサムズアップをした。
「じゃあボス戦でいいかな」
全員を見渡しながら大島 清吾が言葉を発し、それに対して全員が大きく首を縦に降った。扉の奥には亜獣がいなかったので、大島がそのまま扉を蹴破り、中に進んでいく。いつものように3つの扉が存在し、1番左の扉の奥にいつものカエルの彫像が存在している。
「俺からでいいかな」
大島の言葉に宮崎と飯島は頷きで回答する。大島は大きく息を吐いてカエルの彫像に向かい、名前を発した後、彫像を動かした。
「待っていたぞ。大島」
現れた亜獣、筋肉が大島を見つめて声を発する。その言葉を聞いて、大島は気合をいれて剣を構えた。戦闘が開始され、大島は筋肉の剣の攻撃をいつもの様に喰らい、ダメージを吸収する。また、隙を見て攻撃し、ダメージを与えていく。筋肉の攻撃パターンは剣と蹴り、飛び道具というのはあらかじめ情報としてわかっている。蹴りと飛び道具は喰らうとかなりダメージがでかいらしいので、避けるのが吉である。ただ大島は喰らう人なので、飛び道具は避けるにしても、蹴りはなんとか上手く喰らう方向で対応する考えだ。喰らい方がかなり難しいが、ダメージを相殺できないことも無いことは、以前同じ喰らう人である原田 公司から話を聞いている。すると筋肉の雰囲気が一瞬変わり、その瞬間大島は蹴りが来ると感じる。大島は全神経を注力して筋肉に向かって突進する。その結果、蹴りの威力は減少し、また、筋肉に体当たりしたことにより吹っ飛ばすことに成功する。
「うぐ」
ダメージを減少したとはいえ、蹴りの威力は凄まじく、ある程度の負傷を負ってしまう。吹っ飛んだ筋肉は吹っ飛んだ先で何やら飛び道具を打つ構えをしている。流石にこの距離で、このタイミングで喰らうことは無いので大島は飛び道具を華麗にスルーし、筋肉に近づき全力で剣を振るう。飛び道具を打って疲弊していた筋肉は剣の直撃を喰らい、力尽きる。
「我が生涯に一片の悔いなし」
そう叫んで右手をあげた筋肉はそのまま少しずつ消滅していった。
「清吾お疲れ。物質回収するね」
大きく肩で息をしている大島の背中を軽く叩いて、森下が物質回収に向かう。大島は軽く返事をして、部隊の元に戻っていく。かなりのダメージを喰らったので、宮崎 藍に回復をしてもらう。かなりのダメージを喰らっている様だったので細川 舞美も心配そうに見つめているが、大丈夫のようである。この後、桃と飯島が順番に筋肉と戦う。桃と飯島も結構なダメージを喰らい、体力的にかなり疲れたので、本日はこれで探索を終了することにした。
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