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1996年9月11日(水)《BN》
【スタジオ:前田 法重・原田 公司・富田 剛・本田 仁】
「いやー、まじすげーよな」
「1から2の時も驚いたけど、もう全くカクカク感無くなってますよね」
画面上で動いているキャラクターを眺めながら前田 法重が漏らした言葉の後で、本田 仁が感想を続けた。ここはゲームセンター『スタジオ』。時間は14時を少し過ぎており、いつものようにたくさんのゲーマーたちがそれぞれにゲームを楽しんでいる。前田と原田 公司は午前中の鍛錬の後、『南食レストラン』で一緒に食事を取り、その後『スタジオ』にやってきている。また、富田 剛と本田は本日の午後は一緒に遊ぶことを約束しており、お昼過ぎに『北食2階』に集合、食事を取った後で『スタジオ』にやってきたのである。いま4人の目の前にあるのは本日入荷されたゲーム”バーチャファイター3“であり、ゲーム雑誌で静止画の美しさは確認していたものの、実際に動く画面を見たのは初めてであり、その美しさに感動しているのである。
「とりあえずやるよな」
「一応やろうかとは思っています」
今後バーチャ3をプレイするかどうかの意思を前田が確認し、それに対して富田が軽く返事を返す。対戦格闘ゲームにはいくつか種類があり、大きく分類するとストⅡ系とバーチャ系になる。ストⅡ系は基本的には2Dであり、レバーを後ろに入れるとガード、特殊コマンドを入れると必殺技を出すことができる。対してバーチャ系はボタンを押すことでガードができ、コマンド技はあるもののそれが必殺技などという分類はされない。どちらが好きなのかは好みによって分かれ、原田や富田はどちらかと言えばストⅡ系、前田はバーチャ系を好んである。本田は特にどちらが好きとか嫌いとかはないようである。
「前田さんは相変わらずウルフですか?」
「まあずっと使ってるからな」
どのキャラクターを使うかの話になり、原田から尋ねられた前田がバーチャ2の持ちキャラのウルフを3でも使うと発言する。ちなみにバーチャ2では
原田はジャッキー、富田はパイ、本田は影丸をメインで使用していた。この後は実際にゲームをプレイしてみることにし、今回から1つ増えたボタンであるエスケープボタンに多少混乱しながらも、楽しい対戦をしながら午後のひと時を過ごすのであった。