1997年1月5日（日）《BN》

【子飼：倉本　憲伸・高倉　蘭馬・塚越　実紗・築山　正憲・野本　侑花・左村　亜香里】
「部隊の目標としては地下5階到達やな」
「できればボス戦までは進みたいところ」
　ビールを一気に飲み干した後で発した倉本　憲伸の言葉を聞いて、高倉　蘭馬も願望を述べた。ここは居酒屋『子飼』。明日から仕事始めになる企業が多いらしく、大学生以外の客がほとんど見当たらない。店内は落ち着いた雰囲気なので、やっぱりサンデーサイレンス部隊もあまり騒ぐことなく落ち着いて飲み会を行っている。新年ということで今年の抱負などを考える時期となっている。そこでメンバーたちも各自抱負を考えようということになり、まずは部隊としての抱負を設定したのだ。
「では個人的目標を俺から時計回りで。俺の今年の目標は14期の戦士ランキングで1位になること」
「おお、大きくでたな」
　まずは隊長の倉本が今年の抱負を述べ、それに高倉が軽く突っ込みを入れた。現在14期の戦士ランキングは上位が拮抗しており、この歌は星の道しるべ部隊の前野　諭子と雨宮　英利香、そして倉本と高倉の4名が14期死天王の呼ばれている。この4人を比較するとほとんど差はないが、感覚的には前野が少しだけ抜けている感じである。そこで死天王の中でも抜けた存在となり、14期最強の称号を手に入れたいのだ。
「あ、私ですか。今年は部隊の皆さんの足を引っ張らないように頑張ります」
「引っ張ってえーよー」
　真剣な面持ちで述べた左村　亜香里の抱負の言葉に、高倉が笑顔で突っ込みを入れる。左村は非常におとなしいタイプであり、与えられた仕事を淡々とこなすタイプである。今までも足を引っ張るようなことは全くなく、逆に足を引っ張って欲しいとさえ思えてしまうのだ。
「私は彼氏欲しいなー。彼氏作ります」
「応援するでー」
　次に少し恥ずかしそうな表情で塚越　実紗が抱負を述べる。完全にプライベートな抱負であるが、これぐらいがわかりやすく、高倉も正直な感想で突っ込みを入れた。
「俺は今年もPHP勉強して使いこなせるようになりたいす」
「目指せ職業豊満美人！」
　真面目な表情で築山　正憲が抱負を述べ、それに高倉が意味がわからない突っ込みを入れる。PHPとはプログラム言語であり、コンピューターが趣味である築山は幼い頃からプログラミング言語に非常に興味があり、今はPHPを勉強しているのである。ちなみに高倉が言いたかったことはプログラマーを無理やり日本語に直訳したものと思われる。
「じゃあ俺は今年はギャンブルの年間収支をプラスにするぜ」
「あ、それ俺もそれにしたい」
　ギャンブラーである高倉の言葉に同じくギャンブル大好きの築山が同意の声をあげる。2人ともパチンコパチスロ競輪競馬などを趣味としているが、昨年の年間収支は散々だったようである。
「最後私ね」
　順番が最後になった野本　侑花がまだ話す内容が固まってないらしく、とりあえず言葉を漏らす。最後なので何か面白いことを言った方が良いかどうかを考えたが、一番気になっていることを話すことにした。
「部隊名変えたい」
「まだ気にしてたんだ」
　今だに部隊名が気に入らないことを口にした野本の言葉に、命名者の築山が突っ込みを入れて、抱負発表会は終わりを告げるのであった。