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1999年5月25日(火)
【熊大第3迷宮:絶対運命黙示録部隊】
「お前強いな。においでわかる。いつか戦ってみたいものだ」
このように言葉を発したガキは戦うこともなく消滅していき、それを目前で見ていた井上 貴志は大きく息を吐いた。ここは熊大第3迷宮。本日も地下3階のボスであるガキの部屋を訪れていた絶対運命黙示録部隊だったが、まず初めにガキ戦を行おうとした井上がガキを出現させると、いつもとは違うセリフを吐いて消滅してしまったのである。これはおそらく井上がガキをクリアしたことを意味する。
「おー、貴志おめー」
「井上くんさすがー」
後方で見ていた栗原 慎と松 美由紀が声援を送る。これに気づいた井上はサムズアップをしながら部隊の場所に戻ってきた。
「お疲れ様ですー」
後衛の3人である飯島 志保と中村 瞬、島津 亮二も祝福の言葉を送り、これに対しても井上はサムズアップで気持ちを返した。
「それにしても結構かかった気がする」
「俺らまだまだかかりそうだけどな」
一息ついた井上がこぼした言葉に、栗原が笑いながら返事を返す。今の戦いで栗原はガキをクリアしたが、栗原と松はまだそこまで余裕を持ってガキと戦うことが出来ていない。なのでもうしばらくはガキの相手をしないといけない状況なのである。この後、栗原が例の壁画に向かい、ガキを出現させる。
「キサマ、なぜ邪魔をする」
想像通りにガキは戦う気満々だったので、栗原は気合を入れ直して、ガキに向かっていくのであった。