見出し画像

1999年7月23日(金)

【熊大第2迷宮:黒髪てへトリオ部隊】
「うちゅーまじーん♪だいけーんごーおーおーおー♪」
 出現した亜獣を見て原田 公司が反射的に大声で熱唱を始めた。ここは熊大第2迷宮。黒髪てへトリオ部隊はいつものように地下6階の鏡の部屋で亜獣を狩っている。鏡にかけられた罠を大塚 仁が華麗に解除して、そして出てきた亜獣は知っているような知らないようなロボットであった。そしてこの正体を知っている原田がオープニングのサビを歌ったのである。
「ダイケンゴーか」
「こんなんでしたっけ」
 歌を聞いた前田 法重が思わず言葉漏らし、本田 仁は記憶を辿りながら疑問を呈した。宇宙魔神ダイケンゴーが放送されていたのは1978年であり、20年ほど前のアニメである。子供の頃に見ていた記憶はあるものの、そのフォルムに関しては記憶に残っていないのである。
「まあとりあえず倒すか」
「TNT爆発」
「無効」
 戦闘開始の合図を前田が口にし、その後、本田がTNT爆発、中島 一州が無効の呪文を唱える。そして前田、原田、中尾 智史は亜獣へ向かって突撃していく。ちなみに本来のダイケンゴーは全高120メートルあるらしいが、今目の前にいるダイケンゴーもどきの亜獣は通常の人型の大きさである。
「回転大輪剣」
「何か喋ったぞ」
 3人で猛攻を加えていると突然亜獣が言葉を発した。これはダイケンゴーの必殺技の名前なので一瞬その場に緊張が走る。だが、特に何も特別なことは起きなかった。
「何なんすかね」
「気にするな」
 思わず疑問を口にした中尾に対して、前田が冷静に言葉を返す。
「必殺十字剣」
 亜獣がまた別の言葉を発したが、今度は気にすることもなく猛攻を続ける。すると亜獣はスイッチが切れたかの如く膝から崩れ落ち消滅していった。
「お疲れっす。物質回収します」
 いつものように大塚が物質回収に向かい、戦士3人は中島に回復を依頼する。この後は数回鏡の罠を外し、レア物質もある程度回収できたので、本日の探索を終えることにした。

いいなと思ったら応援しよう!